くりぬき法1〜粉瘤腫〜
昨日(9/17)は4件の手術を行いました。頭部の表皮母斑の炭酸ガスレーザー治療が1件、顔面の色素性母斑(ほくろ)のくりぬき術と炭酸ガスレーザー治療の2件、左鎖骨部の表皮嚢腫のくりぬき術が1件です。
その中で、表皮嚢腫(粉瘤、アテローマ)のくりぬき法を紹介します。皮膚外科特有の手技で、4mmの穴から倍以上の大きさのできものを取り出します。
局所麻酔後にトレパンで4mmの穴をあけます。何故か3mmではうまくいかないんです。
次に腫瘤をつまみ、一気に中身を押し出します。4mmの穴から、1cm以上のできもが排出されました。
取り残しがないか、肉眼的に十分に確認します。取り残しがあると再発しますからね。穴はこのままでも自然に閉じますが、このケースでは縫合した方がきれいですね。
数ヶ月もすると、ほとんどわからない傷になっているでしょう。最後に病理検査を行い、嚢腫壁が完全に摘出されていることを顕微鏡的に確認することが大切です。高齢者の場合は、まれに癌化していることもありそのチェックも必要です。
昼休みを利用して手術をしているため、外来の多い日は休み時間なしですね。しかし、何故か手術は疲れませんね。
(院長)
*粉瘤腫(アテローマ、epidermal cyst)とは?
http://www.dermatol.or.jp/qa/qa17/index.html