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京都大学医学部大学院 医療疫学講師の山本先生が、当院の電子カルテを見学に来られました。彼は現在、疫学研究に電子カルテを利用する研究をしています。僕のブログの記事(当院の設備紹介1〜電子カルテ編〜)を読んで京都からわざわざ見学に来てくれました。
当院の電子カルテのパフォーマンスに感心していましたねさらにこれからは、彼のアドバイスを得て情報発信できる(医学研究に貢献できる)電子カルテにしていこうと思います
(院長)
ここ数年、お茶石けんで顔がかぶれたり、それに伴ってシミ(炎症後色素沈着など)が出たりする患者さんが急増していました シミが無くなるというのがその石けんのうたい文句であったらしいのですが、成分的にありえない話ですね
その程度のうそであれば許せる?話なのですが、命にかかわるとなると話は別ですね
厚生労働省より注意喚起および症例報告がありました。症例報告はすべてお茶石けんによるアナフィラキシーショックです
内容は、加水分解コムギ末が泡立ちを良くするために入れられていたらしい。これを含有する製品を使用すると、顔面などにかゆみを引き起こすだけでなく、小麦によるじんま疹やアナフィラキシーショック(命にかかわる病状)を起こしてくるらしい
一生小麦に気を遣いながら生活しなければばならなくなるなんて大変ですよ 厚生労働省がいち早くこのような注意喚起をしてきたということは、かなりの患者さんがでていると想像されますね。注意喚起だけではなくて販売中止か、加水分解コムギ末の使用禁止としてほしいですね。
とにかく、お茶石けんを使用して顔がかゆい方、じんま疹が出る方、最近小麦をたべて発疹がでたり体調が悪くなった方は、石けんの使用を中止して皮膚科専門医を受診してください。
(院長)
*当のお茶石けんのホームページによると、昨年12月出荷分からは加水分解コムギ末は使用していないようです。しかし、それ以前にかなり販売されているようですので、注意が必要です。一旦小麦に感作が成立した場合は、小麦アレルギーは一生続く可能性がありますのでかなり問題です。
先週の金曜日だけでも20人程度のしもやけ患者さんがこられました 手や足に痛がゆい赤い斑点や腫れが出たらしもやけです
しもやけは冬に多く、気温でいえば5℃以下でその日の最高気温と最低気温の差が10℃ぐらいの場合に起こりやすいといわれています。小児や女性、多汗症の方に多く見られます。なり易さは遺伝するといわれています。
なかなか治らないしもやけは、背後に膠原病などの全身疾患が隠れている可能性があります また、膠原病や糖尿病のある方は、しもやけから皮膚潰瘍や壊疽になることがあり注意が必要です。
下写真は、ループス・エリテマトーデスという膠原病の方のしもやけ(lupus pernio)。
予防法は、お風呂や暖房機器などでよく暖めマッサージをすること、厚手の靴下や手袋をして寒気に皮膚をさらさないようにすること、湿った靴下はすぐに履き替えること(特に多汗症の方)などです。
しかし、一旦発症したしもやけは急激に暖めたり、マッサージするとかえって悪化することがあります 皮膚科で治療してもらうとすぐになおりますよ また、何ヶ月も治らないしもやけは一度皮膚科専門医を受診した方がよいでしょう
(院長)
昨日は水仙の会(皮膚疾患診断の会)がありました。皮膚超音波検査やダーモスコピーなど皮膚画像診断の勉強会です。
診療が遅くなって、ぎりぎり田中勝先生(東京女子医大東医療センター皮膚科教授)の特別講演には間に合いました 私は、世話人の1人でもあるので出席は必須です。ダーモスコピーの第一人者の講演は、非常にわかりやすく勉強になりました みんな真剣に勉強していますね
一般の方は、ダーモスコピーとは何のこと?と思われますよね。簡単にいうと、特殊な拡大鏡で病気を診断あるいは推測します。ほくろのガン〜円形脱毛症の診断までいろいろな皮膚病変に使います。しかし診断には、医師にそれを読み取れる能力が必要で、前述のような勉強会を開催しています。
少し画像を紹介します。
下写真は老人性色素斑、指紋のようなfingerprint-like structure (指紋様構造)が見られます。
下写真は、母趾先端のほくろ(色素性母斑)、刷毛ではいたような筋がみえるfibrillar pattern(線維状パターン)が見られます。
iphoneを使って病変をその場で見せれるところが、患者さんに受けています
(院長)
本日も毎週恒例の手術と症例カンファレンスでした。
またまた恒例の下肢静脈瘤手術です。中川先生(福井赤十字病院皮膚科代表、写真右)とのコンビもかれこれ4年になりますね。今後ともよろしくお願いいたします
手術のみで静脈瘤がほとんど消失する患者さんも多いのですが、今回はかなり重症で硬化術(注射で治す方法)の併用が要りそうですね。この重症の下肢静脈瘤がどのくらい綺麗になるかを、今後ブログで紹介したいと思います(本人の許可が得られればですが)
福井赤十字病院の静脈瘤治療についての谷岡先生(現京都大学皮膚科講師)の論文が、『皮膚の科学』という医学雑誌に載りました
(院長)
*最近皮膚科学会は、分枝静脈瘤以下の小さな静脈瘤を皮膚科が担当し、大伏在型の大きなのは手放す(心臓血管外科にお願いする)ような方針です しかし実は、前者の治療の方がはるかに難しいんですね どう難しいはいずれブログで説明します。
前回まで登場していただいた全頭型脱毛(円形脱毛症)の患者さん(下写真)は、治療がほぼ完了しました。掲載を快く承諾していただきましてありがとうございました。
(下写真:VTRACによるエキシマライト光線療法)
今回から新たな患者さんを紹介します。
患者さんの病歴:4年ほど前に全頭型脱毛症になり、2度のステロイドパルス、ケナコルト局注、ナローバンドUVB療法などが無効でした(当時はSADBE療法は拒否されていました)。しかし、ステロイド内服を1年間行い発毛してきました。さらに半年かけて、SADBE療法を行いながらステロイド内服の漸減中止に成功し、下写真のレベルまで改善しました。
しかし、前頭部〜頭頂部の脱毛が残りここからが改善しません よって、エキシマライト治療に昨年の11/12よりエントリーしました(下の写真は11/26で、すでにエキシマライト3回照射しています)
皮膚科専門医の方なら、この病歴を聞いただけでもいかに難治性であるか理解していただけると思います ガイドラインの治療では、治る見込みは極めて低そうですね 下の写真は今年の1/14。やや改善といったところでしょうか
今後、この患者さんの治療経過をアップしていきたいと思います。重症円形脱毛症の方は、なかなか写真掲載は断られることが多いのですが、快く承諾していただきまして感謝しております。完治に向けてがんばって治療を続けたいと思います
(院長)
毎週水曜日は、福井赤十字病院での手術および症例カンファレンスの日です。
本日の手術は、下肢静脈瘤の再発例でした。再発といっても、10年前に私と師である立花先生(現滋賀医大准教授)とで行った患者さんです。再発の原因は、大伏在静脈の再開通でした。当時より技術は進歩しており、再開通しないように工夫を施しました 同じ患者さんで10年後に、今度は私が教える立場になっているのは何か感慨深いものですね
手術は、癒着がありましたがすんなり終了。これで静脈瘤と足のだるさはなくなるでしょう
術後は、恒例の症例カンファレンスを行いました みんな真剣に難治な患者さんの診断や治療方針について議論を交わしています。ここでの議論から新知見が生まれ、学会発表や論文投稿につながることも少なくありません。
(院長)
ここ5年まど全く運動らしいことをしていないので、そろそろトレーニングを再開しようと考えています。
これでも、昔はベンチプレス150kgあげていたんですよ。今は100kgあがるかなぁ
(この動画の人物はわたしではありません)
で、滋賀県の鍛錬トレーニングジムに見学に行ってきました
するとそこに置いてあるのは、見たことの無いマシーンばかり。これ一体どこを鍛える機械ですか?
現在鍛錬株式会社は、高齢者やケガのリハビリのための筋力向上マシーンの開発に力をいれているそうです。
詳しくは書きませんが、リアクションレジスタンス理論に基づいて設計されたマシーンで、パワーリハビリなんかとは全く別次元のものですね。数分使用しただけで、長年の腰痛がすぐに治ったのにはおどろきました
ベンチプレスマシーンを見に行ったんですが、この高齢者リハビリ、介護予防用マシーンが欲しくなっちゃいました
高齢人口が増える時代に、このトレーニングマシーンは爆発的な人気を博するように思いました。何しろ効果がすぐにでるのでわかりやすい。
(院長)
*社長曰く、杖をついて来られた老人がトレー二ング後に杖を忘れて帰るらしい
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