爪水虫は見た目で判断できません!
最近テレビでも爪水虫の啓蒙が盛んで、自分の爪が爪水虫ではないかと心配されて受診される方が増えました
こんなCMありましたね
確定診断は、爪の中に繁殖している水虫菌(白癬菌)を顕微鏡検査で確認して行います。これは、とても大切です。菌の採取が難しいときには、爪にドリルで穴をあけて(痛みはありません)菌を採取します。
こんな爪の水虫菌は採取できないですよね しかし、ドリルで穴をあけて採取できます また、この穴に直接塗り薬を塗り込めば、この程度の爪水虫では飲み薬は不要です。
この方の水虫菌は、このように見えました(下写真:菌糸↑、胞子↑↑)
なぜここまで爪水虫菌(白癬菌)の確認にこだわるかというと、爪水虫そっくりな病気がたくさんあるからなんです。見た目だけでは鑑別できません。塗り薬くらいならまだしも、菌の確認もせず水虫の内服薬を開始してはいけません 下写真はほんの一例です。
下写真の患者さんは、爪水虫の内服薬を1年間続けたが改善せず当院を受診されました。顕微鏡検査では水虫菌は検出されませんでした
この方は抗リウマチ薬を内服していました。抗リウマチ薬は、爪が黄色くなる副作用があります。中止すれば改善します。当然水虫薬では改善しません。
爪水虫の治療は、水虫菌の確認が必須なのです。
(院長)
*抗リウマチ薬による爪の変化は、黄色爪症候群(二次性)に分類されます。興味のある方は調べてください。
*以前に福井新聞に掲載された爪水虫治療の記事です。