慢性痒疹のナローバンドUVB療法
ナローバンドUVB(NB-UVB)は、非常に幅の狭い波長域(311±2nm)を持った紫外線です。
近年、この特殊な紫外線が、アトピー性皮膚炎、慢性痒疹、掌蹠膿疱症などの難治性皮膚病に効果があることがわかってきました。
今回は、慢性痒疹という難治性皮膚病へのNB-UVB療法についてお話します。
慢性痒疹とは、下腿を中心に多発する痒い丘疹(ぶつぶつ)で、年余にわたって持続します
強いステロイド外用を行ってもなかなか改善しないことが多く、この病気をいかに治すかは多くの皮膚科医の悩みでもあります
当院では、慢性痒疹のなかでも特に難治性のものに限りNB-UVB療法を行っています。この青い光が不思議なことにかゆみを抑え、皮膚病を治す力があります
効果は抜群です。照射数回で8割以上の方のかゆみが治まってきます 完全に治るまでには数ヶ月かかりますが、何をしても治らない痒疹がなおるのですから凄いことです。
この方は、エキシマライト単独で十分な効果がでなかったためにNB-UVB療法開始。
当院では、エキシマライト(波長308nm)とNB-UVBのコンビネーション治療なども行っています。
(院長)
*慢性痒疹に対する効果は、単独ではVTRAC(エキシマライト)より従来(311±2nm)のNB-UVBの方が上ですね。波長が長いからというよりは、NB-UVBの方が正常部分も含めて広範囲に照射されるためではないかと考えています。最近では、紫外線A波の長波長領域UVA1の方が慢性痒疹に効くという話もあります。また、エキシマ+NB-UVBコンビネーションもかなりよく効きます。どちらがより効果があるのでしょうか? 興味が尽きませんね。