当院の乾癬治療
今回は、当院の乾癬治療をご紹介したいと思います
クリニックホームページ内での乾癬治療の紹介が不十分なため、急遽ブログで補足することにしました。
実は、乾癬の治療は最も力を入れている分野の1つなんですけどね 近いうちにホームページを充実させなくちゃ
乾癬とは、体に下写真の様なカサカサした紅色の皮疹(角化性紅斑)が出現します。
欧米人には多く、20〜30人に1人の有病率なんですが、日本人では1000人に1人くらいです。ただ、近年増加傾向です。
この病気の詳細は、日本皮膚科学会ホームページに記載されていますので、こちら(http://www.dermatol.or.jp/qa/qa14/q01.html )を参照してください。
では、当院の乾癬治療を紹介します
下図のピラミッドは、乾癬治療のアルゴリズムです。頂上に行くに従って、難治性の治療になって行きます。
当院の治療も、このアルゴリズムに沿って行います。
特に治療の主体となるのが、ピラミッド底辺の外用(ぬり薬)療法と光線療法ですね
①外用療法:ステロイド軟膏とビタミンD3軟膏を使用します。軽症であればこれで十分ですね。当院通院中の乾癬患者さんの6〜7割はこれのみで治療を行っています。症状が寛解すればビタミンD3軟膏のみでコントロールできる方も多くおられます。
②光線療法:当院が力を入れている治療法です外用治療だけでは今ひとつな患者さんに使用します。外用と併用するコンビネーション治療が多いですね。
当院では、全身照射型(上写真)、部分照射型、手足照射型(下写真)の3種類の紫外線照射器(全てナローバンドUVB)を使用して、患者さんのニーズに合わせて治療を行っています。
ナローバンドUVBとは、波長が311nm付近の極めて狭い範囲の紫外線であり、乾癬に有効であることが示されています。
従来のUVB療法と比べて治療効果が高く、かつ副作用が少なく簡便であり全国に急速に普及してきました。
さらに最近では、308nmの波長を持つ紫外線(エキシマライト)も乾癬に対する有効性が示され、従来のナローバンドUVBが効かない乾癬皮疹にも有効であるとされています。
当院では、エキシマライトを照射するVTRAC(ヴィトラック)という機械を所有しています。
設備面では、大学病院にも負けませんよ!
③内服療法:シクロスポリンとレチノイドの2つが保険適応です。かなり難治性の患者さんに使用します。治療効果は高いのですが、それぞれ副作用があります。他の治療法とローテーションを組んだり(ローテーション療法)、少ない量で治療(低容量シクロスポリン内服療法)して副作用がでないように工夫をしています。またレチノイドは、光線療法との併用も有効です。
ローテーション療法:それぞれの治療を一定期間ずつローテーションを決めて行う治療です。副作用を軽減しつつ効果を持続させることができます。
④生物学的製剤:現在当院でも導入を予定しています。決定次第紹介したいと考えています。
以上の治療の他にも、食事療法や入浴時の注意などの生活指導も行います。
ここ10年で、乾癬治療は格段の進歩を遂げました。以上の治療に興味がある方はご相談ください。
(院長)
いよいよ当院でも生物学的製剤の治療を開始します。
2012年11月30日のブログに詳しく掲載(http://clinic-n.mitelog.jp/blog/2012/11/post-9c22.html )
光線療法は、予約制で行っています。治療法の選択は医師の判断で行いますので、希望されても行わないこともあります。電話でのご相談はお受けしておりませんのでご遠慮ください。受診してご相談ください。