アトピー性皮膚炎のプロアクティブ治療
前回のアトピー性皮膚炎(以下アトピー)のブログで、TARC(ターク)を使用したプロアクティブ治療という最新の治療法を紹介しました
当院では、多くの患者さんがこの治療法でコントロールされ、完全寛解している方も大勢おられます。特に小児は、母親がきっちりと外用してくれるため治療がスムーズですね
ここ最近受診された現在プロアクティブ治療中の患者さんを紹介しましょう
下写真の患者さんは、他院でステロイド外用治療を中心に、調子の悪いときだけ外用するリアクティブ治療が行われていました。IgE 7930 IU/ml、TARC 7755 pg/mlと凄まじいですね
全身色素沈着でドス黒くなっています これをステロイドの副作用と誤解している方が多いので困りますね。単にアトピーのコントロール不良なだけなんですけどね
で、治療をプロアクティブ治療に変更しました。IgE 3058 IU/ml、TARC 616 pg/mlまで下がりました。ステロイド軟膏を使用していますが、肌は白く綺麗になりましたね。彼は昨日も受診され、もうこの状態を8ヶ月間維持しています。現在の目標は、IgE<1000 IU/ml、TARC<500 pg/ml。
これだけ綺麗になれば、仕事も恋愛もばっちりですね プロアクティブ治療で薬物療法離脱と寛解維持の両立をめざしてください
次の方は、前回も紹介した方ですね。IgE 3867 IU/ml、TARC 7023 pg/ml。この方もリアクティブ治療が行われていました。
プロアクティブ治療に変更してIgE 1250 IU/ml、TARC 859 pg/mlとなり、お肌は真っ白です。「ステロイド軟膏でお肌が黒くなる。」は真っ赤な嘘であることがわかります
TARC 500 pg/mlに達していないのでまだ完全寛解とはいえず、先週受診時はインフルエンザにかかって、やや痒みがぶり返しているようでしたIgE<1000 IU/ml、TARC<500 pg/mlを目標に完全寛解をめざして頑張って下さい
本人の承諾が得られれば、今後もプロアクティブ治療中の他の患者さんを紹介したいと思います。
(院長)
*小児は、TRACなど測らずともほぼ全員が寛解状態になり、多くの方が完全寛解になっています。これは母親が努力してしっかりと外用してくれるためですね。みなさんまじめです。成人の方は、なかなかコンプライアンス(アドヒアランス)が保てない方が多いです。よって、定期的に受診されないので、仕方なくリアクティブ治療になっている方も大勢おられます。