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2015年2月 5日 (木)

悪性黒色腫(メラノーマ)のセンチネルリンパ節生検

昨日水曜日は、悪性黒色腫(メラノーマ)の手術とセンチネルリンパ節生検を行いに福井赤十字病院hospitalに行ってきました。
 
センチネルリンパ節生検というのは、乳がんや悪性黒色腫で最近行われるようになってきた最先端の検査です。 
 
センチネルリンパ節とは、癌が最初に転移するリンパ節のことです。ここに癌が転移していなければ、他のどのリンパ節にも転移していないこと意味します。
 
下写真は、蛍光色素を下背部の病変周囲に注入した後に、左腋窩を撮影したものです。黄い矢印は、センチネルリンパ節に流入するリンパ管、赤い矢印はセンチネルリンパ節です。ばっちりとセンチネルリンパ節をとらえることができましたgood
Img_4915
 
センチネルリンパ節を見つける方法は3つあります。上写真のように蛍光色素を使った蛍光法、放射性同位元素を使ったRI法、特殊な色素を使った色素法です。
 
福井赤十字病院hospitalは、3つの方法を全て使って100%の検出率を目指しています[1][2]happy02 このリンパ節に転移があるかどうかで、病期(ステージ)と治療方針が大きくかわるのです。正確にみつけなければいけませんthink
 
下写真は、以前行ったセンチネルリンパ節生検蛍光法)です。左踵の悪性黒色腫(メラノーマ)だったと思います。
Photo
 
蛍光法は、こんな感じでリンパ管が一目瞭然なんです。すごいでしょgood画像が綺麗なのは、このときはカメラから直接録画していたからですね。 
 
未だに、この3つの方法を行っている皮膚科施設は全国的にはめずらしいようです。またさらに、これをするために病院に出張する開業医も全国的にはめずらしいかもしれませんねsmile
 
悪性黒色腫(メラノーマ)の診断と治療は、私の専門分野の1つです。黒子(ほくろ)が心配になったら受診してください。的確に診断しますhappy01
 
(参考文献)
[1]中川雄仁、藤井弘子、西村陽一: 当院におけるセンチネルリンパ節生検蛍光法の経験 皮膚の科学 2008: 7(1);75-78
[2]中川雄仁、藤井弘子、西村陽一: desmoplastic malignant melanomaの1例 臨床皮膚科: 2008: 62(8); 571-574
   
(院長)
 
 

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