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2015年3月

2015年3月26日 (木)

土曜日の応援医師

先週末は、春cherryblossom到来といった陽気でしたが、ここ数日雪snowも降って冬に舞い戻った感じですweep下写真は福井赤十字病院hospital8階からの眺めです。寒そうdespair
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ところで、来月より福井赤十字病院の医師2人が土曜日の午前診を手伝ってくれることになりましたhappy02横田先生(皮膚科代表、下写真左)と藤田先生(下写真右)です。
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二人で月3回土曜日を手伝ってくれます。外来診察の速度がアップupwardrightしそうですねhappy01どの医師が診察となるかは、前もってホームページやブログに掲載いたします。
 
昨年10月より福井赤十字病院皮膚科のトップが、横田先生に交代となりました。彼は非常に診療熱心で、膠原病やアトピー性皮膚炎などの内科的皮膚科が専門なのですが、皮膚悪性腫瘍(皮膚がん)やレーザー治療にも積極的ですhappy02
 
2週間前も、全身麻酔の5時間以上の皮膚がんの手術を一緒に行いました。近日、リンパ節郭清を伴う長時間の手術も行う予定です。ようやく、私の皮膚悪性腫瘍指導専門医の資格が役に立ちそうですねwink
 
(院長)
 

2015年3月13日 (金)

新しいニキビ治療薬 ベピオゲル2.5%

来月から新しいニキビ治療薬ベピオゲル が発売されますhappy01
Bpo

有効成分の過酸化ベンゾイルは、アクネ菌に対する抗菌作用と角質剥離作用により炎症性ざそう(赤いニキビ)と非炎症性ざそう(白いニキビ)の両方に作用します。
 
海外では以前より使用されており、普通にスーパーでも買える代物ですが、日本では医師の処方せんが必要になります。
 
実は、メディアでよく宣伝しているニキビ治療薬「プロアクティブ」の主成分がこれですね。ただし、米国製のもののみ。日本製のものにはこれが入っていませんshock知ってました?
 
だから、米国製の「プロアクティブ」が効くのは良く理解できるんですが、日本製のがそれほど効くとは思えないんですけどね。よく売れているらしいんですけど・・coldsweats01
 
とにかく、日本でも承認が取れて、4月から保険診療で処方できるようになります。乞うご期待!good
 
(院長)
 
 

2015年3月11日 (水)

アトピー性皮膚炎の原因と予防

当院には、毎日多勢のアトピー性皮膚炎(以下アトピー)のお子さんが受診されますhappy01
Case_p04
 
受診時に、お母さんからの質問で多いのは、「うちの子のアトピーは、何の食べ物が原因でしょうか?」、「卵などの除去食はしなくてよいのでしょうか?」などですcoldsweats01
 
ずばり回答すると、アトピーの原因は食物アレルギーではありません。ですから、除去食は基本的に(というかほとんど)行う必要はありません。しかし、アトピーを放置しておくと、経皮膚感作(過去のブログ参照)により、いずれ食物アレルギー喘息などが併発してきますshock[1][2][3][4]
 
では、アトピーの原因は一体何なのでしょうか?
 
当ブログでも再三述べているように、皮膚のバリア機能異常(簡単に言えば乾燥肌)が、発症に大きく関わっているようです[2][4][5]
 
実際に、アトピー発症のハイリスク(両親にアトピーがあるなど)の赤ちゃんを生後まもなく保湿治療をすることで、バリア機能を改善させてアトピーの発症を抑えたというエビデンスレベルの高い報告が最近なされました(下グラフ)[4]
 
(アトピー性皮膚炎の累積発症率を示すカプランマイヤー曲線)
Thumb_538732_atopi01
 
 
このグラフが意味するところは、保湿治療をした子の方(上の線)が、しなかったコントロール群(下の線)に比べてアトピーの発症率を3割も減らせたというものです。
 
しかし、この著者も述べていることですが、一旦発症したアトピーは、保湿治療のみでは改善しません。
 
保湿剤以外の外用剤(ステロイド軟膏やプロトピック軟膏など)も使用して積極的に治すことが必要です。当院ではプロアクティブ療法ですねwink
 
これにより、食物アレルギーや喘息などの発症を予防するだけでなく[1][4]すでに発症しているこれらの疾患の症状も改善することが知られてきていますhappy01
 
以上のことは、過去のアトピー性皮膚炎のブログに詳しく書いていますので参照してください。
 
(参考文献)
[1]Lack G:J Allergy Clin Immunol. 2008;121:1331-36.
[2]秋山真志: 日医雑誌 2010;138:2536-7.
[3]Dharmage SC, et al.: Allergy. 2014;69:17–27.
[4]Horimukai K,et al.:J Allergy Clin Immunol.2014;134:824-30.
[5]Simpson EL, et al.: J Am Acad Dermatol 2010;63:587-93.
 
(院長)
 
banana以前、[4]の論文の責任著者である大矢幸弘先生(国立成育医療研究センター生体防御系内科部アレルギー科医長)の講演を聴いたときに、除去食はほとんどしない、アトピー症状のコントロールが悪いのは単に外用ができていないからだと断言されていましたね。同感です。
 
cherry[4]の論文では、保湿剤として2e(ドゥーエ)を使用していたようですが、責任著者の大矢先生は、ワセリンでも同様の結果が出るであろうと述べておられます。    
 
apple最近オリーブオイルや馬油を赤ちゃんの保湿剤として使用している方が増えています。経皮感作の起こりやすい赤ちゃんに、これら動植物性のオイルを使用することはおすすめしません。
 
 

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