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2021年7月

2021年7月24日 (土)

ニキビ治療で面皰(めんぽう)治療薬を使う理由

今日は暑かったですねーsun 
 
まさに夏真っ盛りですhappy02
Img_2989
 
ところで本日は、
 
面皰治療薬(ベピオゲルなど)についてのお話です。
 
ニキビ治療で、抗生物質ではなく、面皰治療薬を使う理由は何か?
 
赤いニキビだけを治療するなら抗生物質の方が即効性があるでしょうcoldsweats01
 
面皰治療薬の最大の特徴は、
 
肌質を改善美肌shineにすることですhappy02
 
下写真に示すように、面皰治療薬は、
 
赤いニキビだけではなく、ブツブツも、ザラザラも、
 
そしてニキビ痕の赤みやシミも全て取り去り、
 
ツルツルの肌(美肌shineにすることができます。
 
これこそが面皰治療薬の真の威力、真髄ですgood
Photo
 
肌の質感を決定する主因は、目に見えないニキビのもとです。
 
これを微小面皰(びしょうめんぽう)といいます。
 
下顕微鏡写真が示すように、
 
ニキビ患者さんの一見正常に見える皮膚でも
 
微小面皰は存在します[1]
 
2021web001_3
 
ニキビ患者さんの皮膚には、微小面皰
 
250個/cm2以上存在するという報告がありますshock[2] 
 
この顔全体にある無数の微小面皰を治療することが、
 
面皰治療薬のミッションなのです。 
 
よって、赤いニキビのみをターゲットとする抗生物質とは、
 
塗り方が根本的に異なります。
 
面皰治療薬特有の塗り方がありますsign03
  
そしてその塗り方も、さらに塗る量も
 
個々人の肌質によって変わります。
 
季節によって変わることもあります。
 
かなりシビアな調整が必要なのですconfident
 
ですから、
 
『赤いニキビに適量つけて、薬が無くなったらまた来なさい』
 
なんて治療では、決して効果は出ません。
 
むしろ副作用が出て、止めてしまうことになるでしょうcrying
 
ニキビに長年悩んでいる方こそ、
 
面皰治療薬真髄に触れてもらいたいと思いますwink
 
(参考文献)
[1]Guenot LM.et al. Int J Dermatol. 2018; 57(3): 278-283
[2]Thielitz A. et al. JEADV. 2007; 21(6): 747-753
 
(院長)
 
面皰治療薬:ベピオゲル、ディフェリン、エピデュオ、デュアック
*上記の他に面皰治療薬を使用する理由として、耐性菌の発生を抑える効果もあります。
 

2021年7月17日 (土)

アトピー治療のプロアクティブ療法で大切なところ

当院のアトピー性皮膚炎(以下アトピー)治療は、
 
プロアクティブ療法を中心に行っています。
 
この治療法は、今のところ、
 
外用療法単独で完全寛解(ほぼ治癒した状態)
 
導ける唯一の方法だと思っています。
 
下図の様に、外用(ピンク)をしっかり塗って(step1,2)、
 
remission(寛解;皮疹がない状態)を得て、
 
外用頻度を徐々に減らしていく(漸減;step3)方法です[1]
Dup5001
 
特に大切なのが、寛解導入・維持(Step 1,2)です。
 
この時期に、しっかり外用して
 
皮疹がほとんどない状態にする必要がありますhappy02
 
ここをいい加減にすると治療が全く進みませんwobbly
  
この時期は、外用剤のレベル、量、頻度、塗布部位
 
かなり正確にまもってもらう必要があります。
 
特に小児は、1日の塗布量を秤(はかり)で計ってもらっているくらいですから。
 
それぐらい厳密な治療なのです(tight control)wink
 
昨日も、完全寛解に達し治療終了となった方が何人かおられましたgood
 
その一歩手前の1〜2週間に1回外用で
 
アトピー症状なしという患者さんも大勢いますhappy02
 
特に子供は、母親がしっかり管理してくれているので、概ねうまくいきます。
 
ただ、かなりルーズで
 
step1を何度もやり直しになる方もいますけどねcrying
 
とにかく、プロアクティブ療法は最初が肝心なのです。
 
(参考文献)
[1] Kataoka Y:Dermatology Today 2021; 41:4-11
   
(院長)
 

2021年7月11日 (日)

陥入爪(かんにゅうそう)が急増

下写真の様な病態を陥入爪(かんにゅうそう)と言いますwobbly
Photo
 
深爪などが原因で、爪の端が皮膚に突き刺さって(白矢印)
 
腫れてくる病気です。
 
刺し爪とも言います。
 
夏になり、陥入爪の患者さんが急増してきましたcoldsweats02
 
この治療には、保存療法(手術なし)と手術療法があります。
 
どちらになるかは、主に重症度で決まります。
 
001_3
stage3までなら保存的に治療できますhappy02
 
しかし残念なことに、当院を受診される頃には、
 
stage4以上になっている方が少なくありませんcrying
 
stage4でも保存療法はできないことはありませんが・・
 
当院の保存療法は、当院オリジナルの人工爪secretです。
 
多い日で、1日10人以上の人工爪装着をすることもあります。
 
装着時間は、一か所1分程度です。
 
陥入爪かなぁと思ったら、stage4になる前に受診してください。
 
陥入爪の手術は、後遺症を残す可能性があり、
 
できる限り避ける必要があります。
 
でも手術をせざるを得ない場合は、
 
後遺症を残しにくい方法で行いますgood[1]
 
(参考文献)
 
[1] 西村陽一:皮膚科基本手技・小手術ハンドブック3章 陥入爪 フェノール法
 
(院長)
 

2021年7月 9日 (金)

アトピー性皮膚炎の全国WEB講演

一昨日は、アトピー性皮膚炎(以下アトピー)
 
全国WEBライブセミナーを行いました。
 
福井のパレスホテルから全国に配信されました。
 
平日の日中にもかかわらず、
 
2400人もの医療従事者が視聴されたそうですhappy02凄いcoldsweats02
Img_2949
 
私の講演は、いつも越前海岸の写真から始まりますsmile
 
もう、1000本以上もダイビングで潜った海ですwink
Dup001
 
バイオテクノロジーの進歩により、
 
重症アトピーでも、
 
"長期寛解維持”が、当たり前になる時代が到来しました。
 
寛解とは、皮疹が全くない状態ですhappy02
 
副作用もほとんどない。
 
より安全に、より効果的に治療できる時代が来ていますhappy02
 
全ての中等症以上のアトピー患者さんに
 
バイオを導入したいくらいなんですが、
 
金銭的なことを含めた導入のための説明(IC)がかなり大変ですsweat01
 
よって、患者さんに的確に説明するための冊子を作りましたhappy02
Dup

師長は、この冊子の具体的な使い方を解説をしました。

この冊子は、医師用というより、
 
メディカルスタッフがICすることを想定して作られています。
 
患者さんがやる気になるためには、スタッフの協力が大変重要なのですwink
 
以上、今回のWEB講演は盛況のうちに終了しましたhappy02
 
反響はかなり大きかった様ですgood
 
これにて上半期の講演は全て終了です。 
 
これからはダイビングシーズンに入るため、当分講演はありませんsmile
 
(院長)
 

1

2021年7月 5日 (月)

マダニ刺症

連日、マダニに刺された患者さんが来院されます。
 
自分でマダニを取って、来院される方も多いですcoldsweats02
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持参されたマダニを顕微鏡で見ると、
 
口器(虫のくちばし)などが無くなっていて、
 
皮膚の中に残ってしまっているケースが多いですねshockshock
 
そういった場合、後から腫れてくる可能性が高いですwobbly
 
実はこれが一番厄介なのですshock
 
最悪、その部分を切除しなければいけないことがありますcrying
 
当院ではそんなことはしませんが・・wink
 
もっと簡単で良い方法がありますからsmile
 
次に、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などの
 
恐ろしい伝染病を持っている可能性があります。
 
先日の新聞にも載っていましたね。
Photo
 
 
その他にも、ライム病、日本猩紅熱、ツツガムシ病などの
 
病原体を持っている可能性がありますshock
 
マダニは、自分で取らずに医療機関を受診しまししょう。
 
 
(院長)
 

2021年7月 3日 (土)

アトピー性皮膚炎の全国WEB講演

先日水曜日のざ瘡(ニキビ)の全国WEB講演は、
 
1200人以上もの視聴者があったにもかかわらず、
 
ハプニングの連続で、残念な結果に終わりましたcrying
 
WEB配信の怖さですねcrying
 
ご覧になられた方には大変申し訳ありませんでした。
 
恐らくマルホが、リベンジの講演を企画してくれるでしょうsmile
 
ところで、来週の7月7日(水)は、
 
アトピー性皮膚炎(AD)全国WEB講演を行いますhappy02
 
下図の様にm3から申し込めます。それ以外はサノフィのMRにご相談ください(*医療従事者しか視聴できません)。
 
Dup2
 
もう既に3000人以上coldsweats02の申し込みがあるらしく、
 
これは、しっかり成功させなくてはいけません。
 
これからの中等症以上のAD治療は、
 
プロアクティブ療法デュピクセントを中心に行われていくでしょう。
 
小児ADの大部分と成人AD半分程度は、
 
プロアクティブ療法単独でも完全寛解状態にもち込めますが、
 
それ以外のADは、両方を併用しないと完全寛解は難しい。
 
さらに、デュピクセントの出口戦略を考えた場合、
 
適当な外用療法だと、エンドポイントがわからなくなる。 
 
外用頻度とTARC値などから、
 
エンドポイントを明確にする必要があるでしょう。
 
TARCデュピクセント使用時には役立たないと言われていますが、
 
細かくTARCを測定するとそんなことはありません。
 
TARCを半年に1回程度しか測定していない様だと役立ないでしょうがcoldsweats01
 
でも出口戦略の詳細は、本講演では詳しくは語りませんけどねwink
 
本講演では、
 
クリニックにおけるアトピー皮膚炎治療の近未来像を語りたいと思います。
 
是非ご視聴ください。
 
(院長)
 

2021年7月 2日 (金)

7月の土曜日診療の応援医師

7月の土曜日午前診の応援医師は以下の通りです。
 
7月 3日 畑医師
7月10日 登谷医師(女性医師)
7月17日 応援医師なし
7月24日 休診
7月31日 応援医師なし
 
 
コロナ禍により、医師派遣を控える病院が多くなり、応援医師の確保が難しい状態です。
 
土曜日は大変混み合いますので、可能な方は平日での受診をお勧めします。
 
平日は、火曜日と金曜日の午前中が比較的空いています。
 
よろしくお願いいたします。
 
(院長)
 

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