休診中はご迷惑をおかけしました。フィリピンへ慰安旅行にいってきました。
ずっと以前より、毎年1回この時期に、
「チームあひる」の海外ダイビング(フィリピン、バリカサグ島、下写真)を行っていました。いまでは職員の半分が
「チームあひる」のメンバーとなったため、当院の慰安旅行になりました。
しかしダイビングをしない職員もいるため、しない職員は別の地を旅行しています。ダイビングをしないのに
フィリピン旅行を強要するのはかわいそうですからね
今回のダイビングをYouTubeにアップしました。
*「チームあひる」は、当院師長(NAUIレスキューインストラクター)が結成したダイビングチームです。
ところで帰国してみると、すっかり涼しくなっていました。特に朝晩は寒いくらいですね
こんなに寒暖の差があると
帯状疱疹(たいじょうほうしん)が流行るぞと思っていましたが、予想通りここ3日間は
帯状疱疹の患者さんが大勢受診されました
(*)。
帯状疱疹は、小水疱(小さな水ぶくれ)と紅斑(赤い皮疹)を伴った帯(おび)状の皮膚炎が左右どちらか片側に出現するのが特徴です。典型的には下写真のようにお腹に帯状に出るので、ある地方の方言では「胴巻き」とも呼ばれています。
お年寄りの病気と思われていますが、下写真のように子供にも結構出現します。帯状疱疹は痛みを伴うことが多いのですが、子供などはときに痒いと言ったりするので要注意ですね。
上写真の
①は
初期病変で、小水疱ではなく、毛包一致性丘疹(毛穴に一致したブツブツ)が見られます。初期ではこれだけの皮疹のこともあり、結構見逃されます
数日すると、②のように水ぶれになってきます。水ぶれは隣同士くっつき合っていますね。この状態をヘルペス(herpes)といい、ヘルペスウイルスの特徴を示します。帯状疱疹もヘルペスウイルス感染症の1つなんです。
この水ぶくれを顕微鏡で調べることを、
Tzanck test(ツァンクテスト)といいます。このテストは、外来で簡単にできます
これで、ウイルスに感染して巨大に膨らんだ表皮角化細胞(
ballooning cell: →)を見つければ
ヘルペスという診断が確定できます。ちなみに、
→はリンパ球。
まぁ、進行した
帯状疱疹は簡単に診断できますが、いかに初期病変を確実にみつけるかが
皮膚科専門医の腕の見せ所です
初期に診断できれば、入院したり後遺症が残ったりする可能性が低くなりますからね
ただ、受診されたときには、すでに重症という方も少なくはありませんが・・
後遺症のことや、その他色々書きたいことはありますが、以下のリンクに詳しく書かれいますので参照してください。:
帯状疱疹
痛みを伴う、左右どちらか片側に出現する帯状の皮膚炎は、
帯状疱疹の可能性があります。放置すると神経痛などの後遺症を残す可能性がありますので、早めに
皮膚科専門医を受診しましょう
(院長)
*最近の知見では、帯状疱疹は寒暖の差が大きくなると出現しやすくなるようです。
額から眼瞼に帯状疱疹が出現すると、四谷怪談のお岩さんみたいになります。お岩さんは、帯状疱疹だったという説もありますね
ツァンクテストは、ズームブルーを使用しています。