カテゴリ「ホクロ(ほくろ、黒子)」の16件の記事 Feed

2012年2月 2日 (木)

皮膚癌(がん)に注意しましょうshock

毎週水曜日は、一般診療は休診ですが、レーザー治療shineや大きな手術を予約で行っています。

昨日は、午前中にレセプトを済ませ、午後から皮膚癌(がん)の手術を行いました。

これが、その方の初診時の写真です。おでこの5mm程度の色素斑です。普通の方には、シミかほくろにしか見えませんよねcoldsweats01
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ダーモスコピー検査を行ってみました。
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腫瘍辺縁に、楓の葉っぱ様(maple leaf-like)と表現される所見(→)がみられます。基底細胞癌(がん)によく見られる所見ですshock
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患者さんに説明して皮膚を一部取って病理検査を行いました。
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やはり基底細胞癌(がん)(→:表在型)でした。

ダーモスコピー(痛みのない数分の検査)のお陰で、皮膚癌(がん)の診断が簡単にできるようになりましたhappy01
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この患者さんは、ほくろと勘違いして簡単に取ってもらうつもりで来られたようですcoldsweats02

どこかで安易に切除されていたら大変なことになっていたかもしれませんshock

ほくろやシミの治療の前には、皮膚科専門医に相談されることをおすすめしますconfident

(院長)

*ダーモスコピーの写真をよくみると腫瘍周辺(周囲1〜2mm)の皮膚の状態(texture)がすこしおかしいですね。ここにも(subclinicalに)癌がいると思われます。切除範囲は、発症部位や組織型なども考慮して決めましたgood

*ダーモスコピー所見は、他にもCrystallineWhite shiny clodsと思われる所見が見えています。わかります?

*昨年の11月受診時の術創(→)の写真です。おでこのシワを利用して縫っています。キズ、ほとんどわからないでしょうgood

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〠918-8105 福井県福井市木田3丁目2605 
にしむら皮フ科クリニックのホームページ

2011年2月13日 (日)

黒子(ほくろ)のレーザー治療3

前回までは、一般的な黒子のレーザー治療を紹介しましたhappy01
今回は、再発例の治療の困難さをお示しします。

この写真は、鼻尖部の再発の黒子(↓)です。他施設での治療後に再発し当院を受診されました。鼻尖部は特に手術が難しい部位です。それもいびつに再発していますcrying
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削りすぎると凹みが永久に残り目立ちますweep メスやサージトロン(電気メス)では、微妙なラインが難しいcoldsweats01 よって、炭酸ガスレーザーにて鼻尖部のアウトラインを崩さないように軽めに削ります。当然再発は覚悟です(『黒子のレーザー治療1』を参照)。
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アウトラインはきれいに仕上がったんですが、やはり、数ヶ月後に再発(→)してきましたweep ここで、前回の『黒子のレーザー治療2』で紹介したQスイッチレーザーの登場ですshineついでに横にある黒子(↓)もQスイッチレーザーで処理しました。
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最大パワーで照射ですshine Qスイッチレーザーは麻酔の必要もなく、数秒で治療が終了しますgood
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治療2ヶ月後の写真です。まぁ瘢痕が少し残っていますが、かなり奇麗に仕上がったと思いますhappy01 再発例ですのでこれが限界でしょうcoldsweats01
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黒子の治療は簡単ではありません。以上のように各種レーザーを組み合わせることも時に必要です。今回のような再発例は、特に治療が困難で時間がかかります。黒子の悪性などをチェックする必要もあり、黒子治療の前には皮膚科専門医で一度相談されることをお勧めします。

(院長)
*当院では、基本的に他施設治療後の再発例はお受けしておりません。今回の患者さんは、写真掲載を許可してくださったのと、知り合いであったためお受けしました。
*エステ治療後の再発例(失敗例?)が多数来られます。当院では治療をお断りしております。エステの黒子除去(福井県は非常に多い)は、危険なだけではなく違法です。国民生活センター「ホクロ取りでの危害」

2011年1月 3日 (月)

iPhone用ダーモスコピー〜The iPhone-connected dermatoscope〜

年末に待望のiPhonemobilephone用ダーモスコピーが、ドイツからやって来ましたhappy02 これ、結構凄いですね。恐らく、ほとんどの同業者は知らないでしょうね。この前、大学の忘年会で聞いても誰一人知りませんでした。このブログに注目が集まるかもsmile
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取り付けるとこんな感じ。
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アップルストアからソフトを購入します。指先にある赤色のソフトをタッチして開けます。
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撮影は自動的にiPhoneがピントを合わせ、画面をタッチするだけで撮影します。かなりきれいに取れますね。
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画像は20倍まで拡大できます。かなりの解像度ですね。
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こんな感じで自動的に整理記録されます。絵がでてきて部位も記録できます。
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新年早々使ってみようと思います。また使い勝手をレポートしますねhappy01

(院長)

*当然これは厚生省の医療機器承認を得ていませんので、認可を得たダーモスコープで確認する必要があります。まぁ、単なるカメラですから危険性はありませんが念のため。

2010年12月27日 (月)

黒子(ほくろ)のレーザー治療2

2010年10月 3日 (日)のほくろ(ホクロ、黒子)のレーザー治療1で出演していただいた患者さんが久しぶりに受診されました。
炭酸ガスレーザーで3カ所(→)治療したところは、さらにわからなくなっています(本人に写真掲載許可を得ています)good
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今回はさらに、小さなほくろ(→)を取ることにしました。この程度の黒子ならば、アレックスレーザー麻酔なしで取れます
上写真:照射前、下写真:照射後1ヶ月
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アレックスレーザーとは、Qスイッチアレキサンドライトレーザーのことです。普通はシミとりに使用するレーザーですが、薄くて小さなほくろなら、出力を最大にすることによって除去することができます。麻酔の必要もなく、照射後のテープも必要ありません。
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アレックスレーザーによるほくろ治療の特徴
適応:大きさは1〜2mm程度の平坦なほくろ。よって、希望されてもできないことがあります。
利点:1度に5個程度まで治療可能。麻酔の必要がない。 照射後に軟膏を塗るだけでOK。テープを貼る必要ない。 
欠点:1度で取れないことが多く、何度かする必要あり。再発の可能性はある。


cherryこの治療の最大の利点は、麻酔の必要がなく、テープも不要なため人知れずほくろをなくせる点ですねhappy01 しかし最大の問題は、何度か治療(通常2〜3回)が必要な点です。完全に取れずに再発の可能性もあります。


まぁ最近では、ダウンタイムの短い治療が好まれますから根治をめざす必要はないのかもしれません。


apple料金設定を変更(2012年4月30日現在)しました。1カ所1回が3500円(初診料、再診料別)。ふくらみのあるほくろや、2mmより大きなほくろはこの治療には適しません。

[E:banana]この治療を行うと、際限なくほくろを取ってほしいと望まれるケースがあります。安全管理上、最大5つまでにしています。ご理解下さい。

2012/08/01記載
danger現在アレックスレーザーによるほくろ治療は中止しております。この治療はお手軽なのですが、再発の可能性と複数回治療という点で、あまり患者さんの評判がよくないようです。シミ治療は、効果が高く行っています。
(院長)

以上の内容は、2012年4月30日に一部変更しています。

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2010年12月16日 (木)

早期発見!黒子(ほくろ)のガン

当院には、足うらの黒子(ほくろ)を気にされて多くの患者さんが受診されます。長年の啓蒙活動が功を奏して、足の裏の黒子はやばいということはよく知られるようになりました。
他の皮膚がんと違って、早期より転移しやすいために気づいたときには手遅れになることが多い癌ですshock

早期診断は非常に難しかったんですが、ダーモスコピー(下写真)の出現により早期に癌を見つけて治療できるようになりましたgood 
特殊なライトで皮膚表面の乱反射を防ぎ、皮膚の内部を透視する仕組みです。
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皮膚悪性腫瘍診療ガイドラインでも推奨度Aで、早期発見に役立つとしています。
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虫メガネではないので、のぞけば誰でもわかるものではありません。ある決められたパターンを覚える必要があります。これが結構難しい。皮膚科医でも特殊な訓練をしないとできません。


あるとき、足のかかとの黒子が心配になりある患者さんが受診されました(写真は本人の掲載許可を得ています)。
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ダーモスコピーは、fibrillar pattern(褐色部分)の中に、ほんの少し灰白色(→)のところがあります。わかります? わずか1mmの変化です。
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精密検査の予約をして帰宅してもらったんですが、患者さんすっかり忘れていて来なかったんですねcoldsweats02 何度か呼び出してやっときてもらったときには、既に2ヶ月ほど経過していました。そのときのダーモスコピーがこれです。灰白色部分が拡大して明らかに進行していますweep
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この灰白色の部分は、(blue-)whitish veilとよばれメラノーマに(まれにSpitz母斑にも)特異的に見られます。直ちに入院して手術を行いました。

これは病理所見です。立派なメラノーマでした。センチネルリンパ節を含め他臓器に転移は見られず完治しましたhappy02 あと半年放置していたら、かなりやばかったですねshock
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私の専門の1つは皮膚がんです。開業して大きな手術をすることはなくなりましたが、早期に皮膚がんを発見することこそその使命と考えています。皮膚がんは早期にみつけて治療することが極めて大切です。時に生死を分ちます。気になる黒子があれば受診してください。ダーモスコピーは痛みがなく、数分で終わりますhappy01 保険適応です。

(院長)
*iPhoneにダーモスコピーがつく商品が開発されたんですね。これほしいなぁ〜heart02






2010年10月 3日 (日)

黒子(ほくろ)のレーザー治療1

今回はほくろのレーザー治療を紹介しましょう。
当院は、レザック社製の最新型炭酸ガスレーザーを使用してほくろを除去します。
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ほくろの治療が難しいのは、再発が多いこと(特に若い方の顔面のほくろ:ミーシャ母斑)、術後に凹みが生じることですshock。当院にも、以前どこかで受けた治療で再発しただの、凹んだなどの訴えで再治療を希望される方がこられます。最悪なのは、エステなどでとって(違法行為)失敗などもありますban

実はこの2つの問題(再発と凹み)は簡単に解決できます。それは、術後2週間テープ(軟膏付き)をはることです(湿潤療法)。このテープを2週間がいやで、治療を断念される方が多いです。

話がながくなりました。では具体的に説明しましょう。
当院職員のお友達で、写真掲載をOKしてくれましたhappy01。素敵な横顔ですが、本人はほくろが多いのがイヤなのだそうです。恋人募集中だそうですheart
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顔面のほくろ(特にミーシャ母斑)は、皮膚の下(真皮)深くまで存在しているため、再発を防止するために深く削らないといけません。また、凹みが目立たないように、ほくろの大きさよりかなり大きく、すり鉢状に(なだらかに)削ります。この写真も、ものすごく広く削っているでしょう。
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当院では2週間の軟膏とテープのかわりに、特殊なシール(企業秘密ですsmile)を10日間はります。すると、あのクレーターのような大きなくぼみが真っ平らになります。これで凹みと再発は防げました。後には赤みがのこりますが、3ヶ月もすると薄くなります。
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2ヶ月後です。かなり赤みがなくなりましたgood。半年もすると全くわからなくなるでしょう。ちなみに鼻のほくろも取っています。
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10-14日間シールやテープを貼るのは嫌だという方は、最初からお断りしています。最良の治療結果を出すために妥協したくはありません。テープを貼らなくても凹みが起こらない方もおられますが、それは単に運がよかっただけですね。

そして最後にもう1つ。レーザー治療では、組織検査ができません。ということは、術前にしっかりと悪性でないことを検査しておく必要があります。最近ではダーモスコピー検査によって、かなりの精度で良性と悪性を区別できるようになりました。ほくろをとるときは、少なくとも皮膚科医によるダーモスコピー検査を受けられてからにするべきです。

当院では、2種類のダーモスコピーを使用しています(左:クリニカルサプライ、右:おんでこ)。
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下の写真は足底のほくろでフォローしていた患者さんです。
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再診時にダーモスコピーで異常(右側の黒い点+乳白色:whitish veil)をみとめました。たった2mmの病変ですが、精査したところメラノーマの進行癌でした。治療が奏功して完治されましたが、ダーモスコピーがなければ見逃していたでしょう。このようなほくろに、万が一レーザーを当てれば悲惨ですng
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しっかりとした診断があってこその治療です。(院長)

*医療機関によっては、ダウンタイムを少なくかつ凹ませないために、わざと再発覚悟で浅めに削るところもあります。術前にムンテラしてあるのであれば、これも正しい治療です。上記の方法は、あくまでも1度で確実にとることを目標にしています。

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