カテゴリ「アトピー性皮膚炎」の69件の記事 Feed

2023年5月 5日 (金)

デュピクセント治療の講演 in 総会

生物学的製剤デュピクセントの登場によって、
 
どんなに重症のアトピー性皮膚炎でも
 
安全に寛解状態(皮疹や痒みがない状態)に
 
することが可能になりましたhappy02
 
安全性と効果という点では、
 
これに勝る治療はないでしょう。
 
すごい時代になりましたねhappy02
 
ということで、 
 
今年の第122回 日本皮膚科学会総会で、
 
デュピクセント治療について講演をします。
12235
 
将来的にはこれが、アトピー性皮膚炎
 
スタンダードな治療になっていくでしょう。
 
ただし、適当に投与するのでは無く、
 
計画的に治療していく必要があります。
 
効果も、中止後の再発率も全然違いますからwink
 
講演内容では、
 
4年投与の患者さんの経過や状態、
 
寛解後にデュピクセントを中止した方達の経過、
 
稀な副作用(関節痛、乾癬など)の対処法、
 
円形脱毛症への効果など
 
興味深い内容満載でお話しようと思います。
 
乞うご期待happy02
 
(院長)

2023年2月26日 (日)

難治性アトピー性皮膚炎の新治療

前回のブログでは、プロアクティブ療法を詳述しました。
 
特に、子供のアトピー性皮膚炎(以下アトピー)における
 
計画的治療の大切さを解説しました。
 
しかし、大人の重症例の中には、
 
この治療によって、良くはなるが、
 
寛解(症状ゼロ)に持ち込めないケースがありますweep
 
しかし、生物学的製剤デュピクセントの登場で、
 
こういった難治例でも寛解可能になって来きましたhappy02
 
しかも副作用がほとんどないhappy02
 
あっても結膜炎くらいで、これもすぐ治りますwink
Photo
 
さらに、この薬剤はプロアクティブ療法と相性がよく、
 
併用すれば、
 
寛解できない症例はほとんどありません。
 
すごい時代になりましたねhappy02
 
将来的には、
 
これがアトピー治療の主流となっていくでしょうgood
 
当院における、この治療の導入・維持のノウハウは、
 
昨年論文で紹介しました[1]
 
今年も、5月21日のデュピクセント全国講演会と
 
6月4日の日本皮膚科学会総会で講演する予定です。
 
興味のある皮膚科医の方は、
 
是非ご視聴ください。
  
(参考文献)
[1] 西村陽一: MB Derma. 327:94-104, 2022.
 
(院長)
 

2023年2月15日 (水)

アトピー性皮膚炎治療は計画的に!

当院のアトピー性皮膚炎(以下アトピー)治療は、
 
基本的にプロアクティブ療法(下図)を採用しています。
 
外用療法をきっちりと管理して、
 
完全寛解(≒治癒)へ導く治療です。
Photo
 
外用のレベル、1日の塗布量、外用頻度まで
 
細かく設定します。
 
これは、皮膚の状態と血液データ(TARC等)
 
に基づいて再設定していきます。
 
例えば、症状が殆どなく(寛解
 
TARCが500 pg/mLを切ったので、外用頻度を
 
1日15gを週2回から10gを5日に1回にしてみましょうといった具合です。
 
もちろん、塗る部位や外用レベルも細かく設定します。
 
特に小児は、しっかりアトピーを治療をすることで、
 
将来の重症化を予防し、
 
食物アレルギーや喘息の発症を抑え
 
寛解維持からoutgrowして治癒するケースが多いですhappy02
 
001_2
 
アトピーは適当に外用を塗るのではなく、
 
計画的に治療しましょうgood
 
ただし、大人の重症例は、
 
この治療でも、良くはなるが
 
寛解できないケースが4割程度ありましたweep
 
しかし、新薬の登場で、これも寛解可能になっています。
 
これについては次回お話しますwink
 
(院長)
 
*大人の軽症例や、定期的な通院ができない中等症以上の患者さんは、プロアクティブ療法を採用しないこともあります。
 

2022年12月20日 (火)

アトピー性皮膚炎診療の最前線

医学雑誌MB Dermaに、執筆依頼を受けていた
 
デュピルマブの論文が掲載されましたhappy02
 
Dup
 
これは、皮膚科専門医向けの医学雑誌で、
 
今回はアトピー性皮膚炎治療の特集号でした。
 
アトピー性皮膚炎アトピー(Atopy)は、
 
ギリシャ語のAtopos「奇妙な」に由来しており、
 
長年原因不明の皮膚病とされてきました。
 
その病態が解明されてきたのは、ごく最近のことです(下図)
Ad(アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021より)
 
上図のように、色々な細胞や物質が複雑に絡み合って
 
アトピー性皮膚炎の病状が形成されていきますcoldsweats02
 
こう言った物質の中で、特に注目されてきたのが、
 
IL-4IL-13というサイトカインです。
 
こいつがどうやらアトピーの病態の主役らしいということで
 
デュピルマブ(デュピクセント®が開発されましたhappy02
Duppen
 
デュピルマブは、IL-4IL-13の作用を抑制する薬剤です。
 
その効果は絶大で、
 
どんなに酷いアトピーでも必ず良くなりますgood
 
そして、一時的な結膜炎ぐらいで、
 
副作用はほとんどありません。
 
また他の薬剤と違って、長期に使えば使うほど
 
効果が高くなる特徴があります。
 
ただ、その効果を最大限に発揮するためには、
 
色々とコツがありますwink
 
そういったことを論文にしたわけですwink
 
その他にも、革新的新薬が続々と導入され、
 
アトピー性皮膚炎の治療は、
 
いま一番ホットな分野になっていますwink
 
(院長)
 

2022年10月14日 (金)

アトピー性皮膚炎治療のWEB講演 in 北関東エリア

一昨日は休診日でしたが、
 
私は、アトピー性皮膚炎(以下アトピー)治療
 
WEB講演を行いましたhappy01
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アトピー治療は、新薬が続々と開発され、
 
今最もホットな領域ですhappy02
 
特に、2018年に上市されたデュピルマブは、
 
アトピー治療に大きな変革をもたらしました。
Duppen
 
もう、難治性のアトピー患者さんには、
 
必須の治療になってきています。 
 
さらにこの薬剤は、
 
重症円形脱毛症にも絶大な効果を発揮します。
 
これにエキシマレーザーthunderを併用するとさらに効果が高い!
 
これらについては、
 
今年の以下の2つの学会で講演を予定しています。
 
         スイーツセミナー1
         
この治療はマジで凄いよ! 乞うご期待wink
 
(院長)
 

2022年9月16日 (金)

コムクロシャンプーのWEBライブセミナー

久しぶりのブログ更新です。
 
お盆過ぎから毎週の講演と
 
依頼原稿や雑誌インタビュー等々でヘロヘロでしたwobbly
 
そんな中、
 
昨日はコムクロシャンプーの全国講演を行いました。
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医療関係者が対象の講演ですが、
 
聴講者数は、なんと1万3千人程だったそうです。
 
過去最高かもwink
 
このシャンプーは、
 
アトピー性皮膚炎の頭部病変には絶大な効果を発揮しますhappy02
 
頭部病変は、頭髪があるため、十分に外用することが難しい。
 
それ故、外用が不十分になるため
 
プロアクティブ療法が難しい部位でもあります。
 
コムクロシャンプーは、プロアクティブ療法を容易にし、
 
さらにローションなどと違って、
 
すぐに洗い流すため、
 
副作用が極めて少ないのが特徴ですhappy02
 
この新しいシャンプー様外用薬の
 
導入方法や患者指導を解説しましたgood
914web
 
(院長)
 

2022年7月20日 (水)

アトピーに使用すべきではない薬!

アトピー性皮膚炎(以下アトピー)の治療薬は、
 
下図のようにまとめられます。
 
全身性の副作用が少なく、
 
寛解維持まで使用できる薬剤や治療法が理想ですgood
 
ですから経口ステロイド(飲み薬)は最悪の選択となりますshock
 
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しかし、最近報告された日本国内の調査によると、
 
3割弱のアトピー患者さんが、
 
初診から経口ステロイドを投与されていました[1]shock
 
患者さんも、塗り薬のステロイドは気にするのに、
 
飲み薬や注射のステロイドは気にしない方が多いですcoldsweats01
 
ステロイドの危険性は、
 
注射経口(飲み薬)>>>・・>>塗り薬(TCS)
 
ぐらいの感じですcoldsweats02
 
飲み薬ではなく塗り薬で治療していくのが
 
正しいアトピー治療です。
 
プロアクティブ療法で計画的に外用治療すれば
 
小児なら90%以上、大人でも70%は
 
副作用なく寛解できます。
 
残りの方も、デュピクセント
 
ほぼ100%安全に寛解できます。
 
エキシマやナローバンドUVBなどの紫外線療法
 
安全で有効な治療法です。
 
ただ最近は、通院せずに即効性のみを求める患者さんが多く、
 
経口ステロイドが流行る一因になっていると思いますcrying
 
しかし早晩、副作用や難治化から行き詰まりますwobbly
 
ですから、
 
エビデンスに基づいた地道な治療が結局は近道なのですgood
 
(参考文献)
[1] Igarashi A, Fujita H, Arima K, et al. J Dermatol. 2019;46(8):652–661.
 
(院長)
 
danger来週水曜日にアトピー性皮膚炎治療の全国WEB講演をします。
新しいガイドラインのお話し、プロアクティブ療法の詳細、デュピクセントの導入方法など多岐にわたってお話しする予定です。
 
5
 

2022年7月15日 (金)

保湿はアトピーを予防するのか?

2020年、有名な医学雑誌ランセットに、
 
The Beep studyの結果が報告されました[1]
 
この調査は、
 
『保湿治療は、アトピー性皮膚炎の発症を予防するのか?』
 
という疑問を解決するために行われました。
 
報告の結論は、
 
「Our study shows that families with eczema, asthma, or allergic rhinitis should not use daily emollients to try and prevent eczema in their newborn.」
 
予防効果はないので、
 
アトピー予防の目的で、新生児に毎日保湿すべきではない。」
 
むしろ最近、
 
アトピーのザラザラ肌(アトピックドライスキン)
 
単なる乾燥肌と勘違いして保湿だけしている
 
小児が結構います。
 
当然アトピーは悪化して行きます。
 
あまり保湿を過信しないことです。
 
保湿が、アトピーの皮疹を治すエビデンスはありません。
 
今回のランセットの報告で、
 
予防効果も怪しいということになってきましたshock
 
では、保湿が全く必要がないかというと
 
そうではありません。
 
使用する時期が大切なのです。
 
プロアクティブ療法で保湿が必要な時期とはいつか?
 
このブログでいつか紹介します。
 
すぐ知りたい方は、診察時にお尋ねくださいwink
 
(参考文献)
[1] Chalmers JR, et al. Lancet 395(3): 962-972, 2020
 
(院長)

2022年6月17日 (金)

アトピー性皮膚炎診療の最前線

先日、京都グランビアホテル
 
アトピー性皮膚炎治療WEB講演を行いましたhappy02
 
内容は、外用療法(プロアクティブ療法など)
 
デュピクセント(デュピルマブ)治療についてです。
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座長を滋賀県立総合病院皮膚科科長の中川先生(下写真左端)にお願いしました。
 
彼は、福井赤十字病院皮膚科hospitalの元部長でもありますsmile
 
久しぶりの再会で懐かしかったhappy02
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私の講演後に、
 
デュピクセントを含めたアトピー性皮膚炎治療全般について、
 
パネルディスカッションをしました。
 
結構有意義な議論ができましたhappy02
 
丁度、医学雑誌Monthly Book Dermaに掲載予定の
 
特集号「アトピー性皮膚炎診療の最前線」
 
分担執筆『クリニックのデュピクセント使用』
 
を脱稿したばかりでしたsmile
 
よって、タイムリーな話題を提供できたと思いますhappy01
 
近年、アトピー性皮膚炎治療薬が次々と開発され、
 
もうアトピー性皮膚炎の寛解(皮疹が無い状態)は、 
 
当たり前の時代になってきました(下図)。
Photo
 
これらの薬剤の中でも
 
デュピクセントが特に優れていると思うのは、
 
長く使えば使うほどに有効性が上がり、 
 
安全性も高まるというところです[1,2]
 
さらに、中止後もリバウンドが無いばかりか、
 
長期に寛解を維持できるという点も優れています。
 
これらの点が、最近発売されたJAK阻害剤との大きな違いです。
 
ところで、この前の総会では、
 
サノフィの企業ブースに、 
 
我々が作ったデュピクセントの冊子が置かれていました。
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これは、患者さんへのIC用に作成しましたが、
 
スタッフ教育にも使用できます。
 
詳しい使用方法は、また講演で解説しますhappy01
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(文献)
[1] Beck LA, Thaçi D, Deleuran M, et al.Dupilumab Provides Favorable Safety and Sustained Efficacy for up to 3 Years in an Open‐Label Study of Adults with Moderate‐to‐Severe Atopic Dermatitis. Am J Clin Dermatol, 21(4):567-577, 2020.
 
[2] Beck LA, Deleuran M, Bissonnette R, et al. Dupilumab Provides Acceptable Safety and Sustained Efficacy for up to 4 Years in an Open-Label Study of Adults with Moderate-to-Severe Atopic Dermatitis. Am J Clin Dermatol. 2022.
 
(院長)
 
*講演のパネラーは、以上の他に大津赤十字病院皮膚科副部長の笹橋先生と長浜赤十字病院皮膚科部長の川端先生にお願いしました。先生方ありがとうございました。
 

2022年5月 1日 (日)

進化するアトピー治療

先週日曜日は、第38回日本臨床皮膚科医会総会
 
アトピー性皮膚炎(以下アトピー)の新しい外用薬
 
コムクロシャンプーの講演をしました。
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ショートコンタクトプロアクティブ療法という
 
新しい概念がふんだんに使われた外用剤です。
 
さらにこの講演3日後に、茨城県で
 
アトピー治療薬デュピルマブの講演をしました。
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デュピルマブは、
 
アトピーを引き起こすtype2サイトカインを抑える薬剤で、
 
物凄く効果が高いにもかかわらず、
 
副作用が非常に少ない画期的な薬剤です。
 
どちらも福井からのWEB配信による講演です。
 
アトピー治療薬は、下図のように目覚しく進歩してきました。
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治療は、症状の緩和から寛解(症状の無い状態)へ導く時代になりました。
 
下図は、昨年改定されたガイドラインの
 
診断治療アルゴリズムです。
001_2
  
今では、子供ならほぼ全員、大人でも8割以上は
 
寛解維持に持ち込めます。 
 
しかし、デュピルマブをはじめてとした新薬や
 
上述のアルゴリズムが全国に普及するまでには
 
もう少し時間がかかりそうですねcoldsweats01
 
(院長)
 
*上述の寛解維持の割合は、アドヒアランスが十分に保たれていることが前提です。
 

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