カテゴリ「皮膚がん」の13件の記事 Feed

2012年10月25日 (木)

皮膚癌は侮れない!

先週、30才代の方の黒子(ほくろ)の手術(切除術)をしました。

 
写真はこれです。鼻翼外側にほくろ? 直径2mm程度なんですcoldsweats02
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なぜレーザーでなく手術(切除)を選択したかというと、ダーモスコピー検査の所見がこれだったからですwobbly
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専門医の方はおわかりですよね。multiple blue-gray globules + arborizing vesselsなどから基底細胞癌が強く疑われますshock
 
 
この若さでこの大きさ、見逃しそうcoldsweats01
 
 
マージンを1mm以上とって切除しました。病理検査はやはり基底細胞癌でした。
 
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表皮下面からbuddingしている腫瘍細胞がみてとれます。cleftもありますね。
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手術方法は、Open treatment + purse-string suture、いわゆるくり抜き巾着術です。
 
 
この手術法は、5mm以下の黒子などの腫瘍には、レーザー並(以上?)にきれいに仕上がり、術後処置も簡単で、良性なら再発の心配もなく、病理検査もでき、悪性の再発も発見し易いなど良いことずくめですhappy02
 
 
この治療法は、いつかまとめて報告しますねwink
 
 
とにかく黒子(のようなできもの)を侮ってはいけませんbearing
 
 
検査もせずに安易にレーザーなんかで、ジャーと取ってもらったらダメですよng
 
 
顔に何か黒子のようできものができて心配な方は、皮膚科専門医に相談しましょうhappy01
 
 
(院長)
 
appleこの患者さんは、病理検査で完全に切除されているのを確認しました。恐らく再発はないでしょう。また、ブログ掲載に快く承諾いただきまして誠に感謝しております。
 
banana当患者さんのその後(手術後4ヶ月)の経過です。再発はありません。術創は少し赤いですが、この程度であれば1年後は全くわからなくなりますねhappy01
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にしむら皮フ科クリニックのホームページ

2012年2月 2日 (木)

皮膚癌(がん)に注意しましょうshock

毎週水曜日は、一般診療は休診ですが、レーザー治療shineや大きな手術を予約で行っています。

昨日は、午前中にレセプトを済ませ、午後から皮膚癌(がん)の手術を行いました。

これが、その方の初診時の写真です。おでこの5mm程度の色素斑です。普通の方には、シミかほくろにしか見えませんよねcoldsweats01
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ダーモスコピー検査を行ってみました。
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腫瘍辺縁に、楓の葉っぱ様(maple leaf-like)と表現される所見(→)がみられます。基底細胞癌(がん)によく見られる所見ですshock
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患者さんに説明して皮膚を一部取って病理検査を行いました。
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やはり基底細胞癌(がん)(→:表在型)でした。

ダーモスコピー(痛みのない数分の検査)のお陰で、皮膚癌(がん)の診断が簡単にできるようになりましたhappy01
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この患者さんは、ほくろと勘違いして簡単に取ってもらうつもりで来られたようですcoldsweats02

どこかで安易に切除されていたら大変なことになっていたかもしれませんshock

ほくろやシミの治療の前には、皮膚科専門医に相談されることをおすすめしますconfident

(院長)

*ダーモスコピーの写真をよくみると腫瘍周辺(周囲1〜2mm)の皮膚の状態(texture)がすこしおかしいですね。ここにも(subclinicalに)癌がいると思われます。切除範囲は、発症部位や組織型なども考慮して決めましたgood

*ダーモスコピー所見は、他にもCrystallineWhite shiny clodsと思われる所見が見えています。わかります?

*昨年の11月受診時の術創(→)の写真です。おでこのシワを利用して縫っています。キズ、ほとんどわからないでしょうgood

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〠918-8105 福井県福井市木田3丁目2605 
にしむら皮フ科クリニックのホームページ

2010年12月16日 (木)

早期発見!黒子(ほくろ)のガン

当院には、足うらの黒子(ほくろ)を気にされて多くの患者さんが受診されます。長年の啓蒙活動が功を奏して、足の裏の黒子はやばいということはよく知られるようになりました。
他の皮膚がんと違って、早期より転移しやすいために気づいたときには手遅れになることが多い癌ですshock

早期診断は非常に難しかったんですが、ダーモスコピー(下写真)の出現により早期に癌を見つけて治療できるようになりましたgood 
特殊なライトで皮膚表面の乱反射を防ぎ、皮膚の内部を透視する仕組みです。
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皮膚悪性腫瘍診療ガイドラインでも推奨度Aで、早期発見に役立つとしています。
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虫メガネではないので、のぞけば誰でもわかるものではありません。ある決められたパターンを覚える必要があります。これが結構難しい。皮膚科医でも特殊な訓練をしないとできません。


あるとき、足のかかとの黒子が心配になりある患者さんが受診されました(写真は本人の掲載許可を得ています)。
Editmelanoma_macro

ダーモスコピーは、fibrillar pattern(褐色部分)の中に、ほんの少し灰白色(→)のところがあります。わかります? わずか1mmの変化です。
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精密検査の予約をして帰宅してもらったんですが、患者さんすっかり忘れていて来なかったんですねcoldsweats02 何度か呼び出してやっときてもらったときには、既に2ヶ月ほど経過していました。そのときのダーモスコピーがこれです。灰白色部分が拡大して明らかに進行していますweep
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この灰白色の部分は、(blue-)whitish veilとよばれメラノーマに(まれにSpitz母斑にも)特異的に見られます。直ちに入院して手術を行いました。

これは病理所見です。立派なメラノーマでした。センチネルリンパ節を含め他臓器に転移は見られず完治しましたhappy02 あと半年放置していたら、かなりやばかったですねshock
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私の専門の1つは皮膚がんです。開業して大きな手術をすることはなくなりましたが、早期に皮膚がんを発見することこそその使命と考えています。皮膚がんは早期にみつけて治療することが極めて大切です。時に生死を分ちます。気になる黒子があれば受診してください。ダーモスコピーは痛みがなく、数分で終わりますhappy01 保険適応です。

(院長)
*iPhoneにダーモスコピーがつく商品が開発されたんですね。これほしいなぁ〜heart02






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