オテズラWEB講演
この前の水曜日に、乾癬治療薬オテズラ(一般名:アプレミラスト、薬効分類名:PDE4阻害剤)のWEB講演をしてきました。
乾癬については、福井の方なら、道端アンジェリカさんが告白した病気として認知されている方が多いと思います。
今回も、師長とコラボの講演です講演の出だしは、こんな写真がでてきて略歴紹介です。
それでは、講演内容をちょっとだけお話ししましょう内容は一般の方には難しいので、簡単なスライドだけにしてみました。
それでも難しいとは思いますが・・
講演の最初のスライドはこんなのです。
私の講演は、スライドの中に越前海岸の写真や動画をふんだんに取り入れています。楽しいでしょ
講演の中で特に強調したのが、紫外線療法(ナローバンドUVB, エキシマライト等)との併用効果です。
オテズラと紫外線療法の併用は、抜群に効果があります
ある海外論文では、オテズラとナローバンドUVBの併用は、PASI 75達成率(75%以上改善した方の割合)で73%(12週時点)と、ちょっとした生物学的製剤なみの効果です
オテズラ単独だと28.2%(16週時点)ですからね。その差は歴然
何故こんなによく効くのかはわかりません。
乾癬はTh17細胞性疾患ですが、同時に過剰な免疫反応を抑制する制御性T細胞(Treg)の機能不全があります。
オテズラは、このTregの機能を回復させる薬なのです。今までのような免疫抑制剤とは別次元のお薬です。
紫外線療法とオテズラは、それぞれTregの誘導および機能回復をさせる作用があり、その相乗効果が高い有効性の理由なのではないかと考えています。あくまでも私見ですけどね
とにかくオテズラは、安全性が高く、クリニックで容易に使用できるため、今後内服薬のファーストチョイスになっていく薬剤だと思います。
ナローバンドUVB(エキシマライトを含む)も近年急速に普及しており、多くのクリニックが装備している治療機器です。
よってこの二つの組み合わせは、もう既に全国の多くのクリニックで可能ということです
将来、大病院中心の生物学的製剤に負けない、安全で効果的な治療をクリニックでも行えるかもしれません。
今後は、オテズラ使用中の患者さんに対する紫外線療法の効果的な照射方法が問題になってくるでしょうね
それは、もうすでに当院では始まっています。
今年10月の第69回日本皮膚科学会中部支部学術大会では、セミナー講演でこの話をしようと思っています。
題は、「眠っている能力を呼び起こすエキシマライト紫外線療法」なんて刺激的なのにしようかと思っているんすけどね
この「眠っている能力」というのは、治癒能力や新しい治療法という意味もあるんですが、先生のところで眠っている紫外線治療器という意味もあるんですよ
(院長)
以下の土曜日の診察は、下記事情により院長の診察を制限させていただきます。
6月30日:香川県女性医師ざ瘡講演会(香川県)で講演のため、院長の診察は12時30分まで。
7月 7日:第34回 日本皮膚悪性腫瘍学会(静岡)に出席のため院長の診察は10時50分まで。
8月 4日:第36回 日本美容皮膚科学会(東京)で発表のため院長の診察はありません。
代診医師を立てておりますので、診療自体には変更はありません。