カテゴリ「血管腫」の3件の記事 Feed

2016年11月22日 (火)

いちご状血管腫

いちご状血管腫cakeは、赤ちゃんによく見られる赤アザの一種です。
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9割程度が、7~10歳までに自然消退するため一般的にはwait-and-see policy(無治療で見守る)なのですが、積極的に治療を行った方が良いケースもかなりあります。
 
局面型(盛り上がりの少ない扁平なもの)や小結節型では、数回の照射で消えてしまうケースが多いのです。
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上写真のようなものなら、月1回のレーザー照射で3〜4ヶ月くらいで消失します。

 
ちなみに、最初の手の写真の子は、5回の照射で完全に消退しました。
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待つことにより増大するリスク、将来なんらかの痕(あと)が残るリスク(4割程度)、出血や潰瘍を起こすリスクなどを考えれば、これらのタイプは積極的に治療したほうがよいでしょうhappy01
 
(院長)
 
苺状血管腫のレーザー治療は保険適応です。
  

2015年11月 4日 (水)

赤アザ治療

血液中に存在する赤血球のために赤く見える「アザ」赤アザといい、医学用語では血管腫(けっかんしゅ)と呼ばれています。
 
代表的な赤アザは、生まれつき存在する平らな単純性血管腫と、生後まもなく生じ、1歳頃までに急激に大きくなり、その後徐々に小さくなるいちご状血管腫cakeです。
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(単純性血管腫、シネロン&キャンデラ社提供)
 
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(いちご状血管腫、当院患者)
 
単純性血管腫の治療は、色素レーザーが唯一の治療ですが、いちご状血管腫はほとんどが10歳までに消退していくためwait and see policy(無治療)が一般的でした。
 
しかし、全てのいちご状血管腫が跡形もなく綺麗に無くなるわけではありません。教科書的には4割程度が、消えたあとも瘢痕や毛細血管拡張症を残すとされていますcrying
 
色素レーザーの中でも最新バージョンのVビームパーフェクタの場合、早ければ半年以内に消えてしまうケースもありますgood
 
上写真の患者さんですが、治療経過は以下のようになりました。
治療前
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2回治療後
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3回治療後(治療開始より約半年後) 
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局面型のいちご状血管腫であれば、3回程度の照射でかなり改善します。治療効果の乏しい腫瘤型でも、発症早期ならば増殖を抑え消退させることも可能です。
 
また当院では、赤アザだけでなく、青アザ茶アザなどの治療相談もしております。
 
左のピンク色のがVビームパーフェクタ、右の緑色のが青アザやシミ治療用のアレックス2です。
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(院長)
 
 
 

2015年9月 6日 (日)

苺(いちご)状血管腫

昨日の午後診療は、小児の赤あざ治療の日でした。6例の血管腫の患者さん(ポートワイン2例、苺状血管腫4例)のレーザー治療を行いましたhappy01
 
血管腫の中にも色々な種類がありますが、本日は苺状血管腫について少し述べたいと思います。
 
苺状血管腫は、下写真のように表面顆粒状(ぶつぶつとした)鮮紅色で、正に苺のような外観を呈する血管腫です。生後1歳までに急速に増大していきます。
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自然消退傾向があるため、治療しないで経過観察する「wait and see policy」が一般的であり、10歳頃までには、90%が消退するとされています。
 
しかし、消退後にすべてが健常な皮膚になるわけではありません。4割程度は、萎縮性の皮膚や毛細血管拡張が残るとされていますweep
 
今から15年くらい前に、wait and see(治療せず経過観察)をされていて急速に大きくなり、長径が30cm以上にまで増大(紹介時)してしまった赤ちゃんがいましたねshockshock出血を繰り返して大変でしたcrying当時はレーザーなどありませんでしたから・・weep
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(上写真は、本文の症例ではありません)
 
レーザー治療は、ここ10年で飛躍的に進歩しており、より合併症(瘢痕や色素脱出など)が少なく、より早期に病変の消退が期待できるようになって来ました。
 
最新型レーザーのVbeam perfecta(Vビーム・パーフェクタ)の場合では、レーザー照射することで半年以内に病変が消退するケースもありますhappy02good
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(写真左側が新型のVビーム・パーフェクタ、右側が旧型のVビーム)
 
レーザー治療を行うのか、wait and see policy(何も治療をしない方針)にするのかは、個々のケースで判断しなければなりません。効果が全く見られないタイプもありますので・・weep
 
ですから、それぞれの治療方針のメリットとデメリットを患児の家族に説明し理解してもらった上で、治療を選択してもらうことが大切ですwink
 
(院長)
 
 

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