エコー検査で判断する粉瘤腫の治療














そうすると後で手術が面倒になります。




そうすると後で手術が面倒になります。
毎週水曜日は休診日ですが、ゆっくり自宅で休息なんてことはほとんどありません今日も、いつも通りの忙しい日でしたね
3日1回くらいは皮下腫瘍(粉瘤腫や脂肪腫など)を手術しており、そのうちの半数はくりぬき法ですね
今回の症例も頚部の粉瘤腫で、くりぬき法を行います。
いつものように、くり抜き法で20分以内に終了するぞ!と思いきや、今回はやや慎重にならざるおえません なぜなら恐怖のErb's pointが近くにあるからです
これは、教科書の写真ですが、胸鎖乳突筋中間(Erb's point)あたりから下斜めにspinal accessory nerve(副神経)がむき出しになって走っています。これに触ると腕があがらなくなります
まじで
これを知らない皮膚科医が、手術後に患者さんの腕があがらなくなり訴訟になったケースもあります 日本の教科書にはあまり書いていません。あまり誰も教えてくれません。みなさん!気をつけましょう。
消毒&局所麻酔後に、いつものように4mmトレパンで穴をあけます。
腫瘍の袋も絞り出されました。できるだけまわりの組織に触れないように袋を取り出します。慎重に!
最後は縫合して軟膏をぬって終了です。縫わなくてもいいんですが、今回も縫った方がきれいになりそうで縫いました。腕の麻痺が無いかチェックすることも大切です。でも、結局15分程度で終わっちゃいました
簡単そうに見えて、結構落とし穴があるのが臨床です。粉瘤腫や脂肪腫などの皮下のできものには経験が豊富ですので、心配な方や手術を希望される方は是非受診してくださいね
(院長)
*粉瘤腫(アテローマ、epidermal cyst)とは?
http://www.dermatol.or.jp/qa/qa17/index.html
昨日(9/17)は4件の手術を行いました。頭部の表皮母斑の炭酸ガスレーザー治療が1件、顔面の色素性母斑(ほくろ)のくりぬき術と炭酸ガスレーザー治療の2件、左鎖骨部の表皮嚢腫のくりぬき術が1件です。
その中で、表皮嚢腫(粉瘤、アテローマ)のくりぬき法を紹介します。皮膚外科特有の手技で、4mmの穴から倍以上の大きさのできものを取り出します。
局所麻酔後にトレパンで4mmの穴をあけます。何故か3mmではうまくいかないんです。
次に腫瘤をつまみ、一気に中身を押し出します。4mmの穴から、1cm以上のできもが排出されました。
取り残しがないか、肉眼的に十分に確認します。取り残しがあると再発しますからね。穴はこのままでも自然に閉じますが、このケースでは縫合した方がきれいですね。
数ヶ月もすると、ほとんどわからない傷になっているでしょう。最後に病理検査を行い、嚢腫壁が完全に摘出されていることを顕微鏡的に確認することが大切です。高齢者の場合は、まれに癌化していることもありそのチェックも必要です。
昼休みを利用して手術をしているため、外来の多い日は休み時間なしですね。しかし、何故か手術は疲れませんね。
(院長)
*粉瘤腫(アテローマ、epidermal cyst)とは?
http://www.dermatol.or.jp/qa/qa17/index.html
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