カテゴリ「ガングリオン(粘液嚢腫)」の2件の記事 Feed

2015年1月30日 (金)

ガングリオンの簡単な診断法

足の皮下腫瘍は、診断によく迷いますよねcoldsweats01下写真の患者さん(病変は→の部分)なら皮膚科医はどう診断するでしょうか?
 
臨床所見だけなら、腱鞘性巨細胞腫瘍などを疑いたい所ですが、実はガングリオンでした。多発しているのはめずらしい。
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ガングリオンについての詳細は、過去のグログを参照してください(最後に紹介します)。
 
今回は、連続して足のガングリオンの方が来られたましたので、以前にも紹介したことがあるFlash-powered transilluminationという診断法を述べたいと思いますhappy01
 
凄く簡単ですsign01下から懐中電灯(Flash light)を当てるだけです。ごらんのように光が透過してガングリオンが浮き出てくるのですhappy01
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次の患者さんはどうでしょうか。→のところに皮下腫瘍があります。
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光を当てると透過して白く光っているでしょうshine
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これで、だれでも簡単にガングリオンを診断できるんですよhappy01 
皆さんも手足に皮下腫瘍ができたら、暗がりで懐中電灯を当ててみてくださいwink光が透過されればガングリオンの可能性が高いです。
 
当院では、その後超音波検査(エコー)で確認して確定診断します。これが大切ですsign03
 
治療など詳しくは過去のブログを参照してください:
 
ガングリオンかな?と思ったら受診してください。確定診断をしましょうhappy02
 
(院長)
 
 

2012年10月21日 (日)

指趾粘液嚢腫(ねんえきのうしゅ)の診断と治療

今回は、専門医向けのちょっとだけ難しい話題ですconfident
 
 
ここ数日、指先に下写真のような膨らみ()ができたという患者さんが何人かこられました。
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これは、指趾粘液嚢腫(ねんえきのうしゅ)あるいは単に指趾ガングリオンともいいます。
 
 
指先に粘液がたまって起こります(*)。
 
 
医師の間でも治療は厄介なものと思われていますが、意外に簡単に治療できるケースもありますhappy01
 
 
まず診断です。
 
 
すごく簡単な方法は、下から懐中電灯flairをあててみると腫瘍を光が透過します。これをFlash-Powered Transilluminationといいます①
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器械があれば、エコー検査でもよいと思います。巨細胞腫など鑑別を要するものが結構ありますからね。
 
 
治療なんですけど、放置というのも1つの手ですね。 患者さんが納得されれば・・・coldsweats01
 
 
でも、そればかりではちょっとさみしいですよねcoldsweats01

 

有効な方法の1つは、中身(粘液)を針で突いて出し(絶対に自分でしないでくださいng)、冷凍療法することですね。
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私は、液体窒素でspray-freezingdashします(http://clinic-n.mitelog.jp/blog/2012/09/post-c56e.html) 。アプリケーター使って限局的に冷凍しています。
 
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これは、内部を炎症で癒着させるためなんです。綿棒でするよりspray-freezingの方が、痛みがすくなく成績もいい感じですねwink
 
 
中身を抜いて(少しだけ残して)冷凍しないと、痛すぎて患者さんから苦情がきますので要注意shockです。
 
 
再発することはありますが、気楽に行える治療ですねhappy02
 
 
これでもダメなら手術ということになります。手指に関していうと実は簡単ですhappy01
 
 
下写真のようにガングリオン周囲にフラップ(皮弁)を描いてめくり、戻すだけです(下写真)②
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(上写真:左から、術前、作図、フラップ作成、縫合、術後)
 
 
嚢腫(cyst)は必ずしも取る必要はありません。めくって戻すだけ! これだけです。
 
 
再発率8%と報告されています② 
 
 
指趾ガングリオンを昔はよく手術しました。この方法結構よかったですよgood
 
 
先日(10/17)、福井赤十字病院のカンファレンスでもガングリオンの治療が話題に上りました。そのとき私がしゃべった内容をブログにしてみましたwink
 
 
 
指趾粘液嚢腫(ねんえきのうしゅ)の粘液の由来により、関節液のもれでおこるganglion typeと、線維芽細胞からのヒアルロン酸過剰産生によるmyxomatous typeの2つに分類されます③
 
(参考文献)
① Calorego C, et al : Arch Dermatol 2012; 148(5) : 1-1.
② Clliford L : Arch Dermatol 2005; 141(12) : 1560-4.
③ Shimizu’s Textbook of Dermatology P383.
 
 
(院長)
 
 
cherry以上の手術は、足趾では再発率が高いようです。この方法は、指ではjoint fluid leakageを処理する必要がないということです。手術法は色々ありますので、これがベストということではありません。この方法でも再発の可能性はあり、患者さんに十分説明する必要があります。
 
tulip液体窒素療法はうまくいくまで2−3週間おきに1〜3回程度行います。
 

〠918-8105 福井県福井市木田3丁目2605 
にしむら皮フ科クリニックのホームページ

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