カテゴリ「アトピー性皮膚炎」の25件の記事 Feed

2017年4月24日 (月)

アトピー性皮膚炎のTARCコントロール

今日は、良い天気でしたね〜sun 早く夏が来て欲しいなぁhappy01
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ところで本日は、アトピー性皮膚炎(以下アトピー)のプロアクティブ療法の経過をお話ししたいと思います。
 
今回はちょっと専門的すぎるかもsmile
 
4年前にこのブログで、アトピー性皮膚炎のプロアクティブ療法という題で2人の重症アトピー患者さんを紹介しました。
 
二人とも、その後も真面目に通院され、寛解状態(皮疹ほぼゼロ)をずっと維持されています。
 
血液データ(TARC, IgE)も非常に良好です。
 
症例1 10代女性 初診時のTARC(ターク)14146 Pg/ml、 IgE 12730 IU/ml ⇨現在 TARC 264 Pg/ml  IgE 2342 IU/ml
1 
 
症例2 20代男性 初診時のTARC(ターク)7755 Pg/ml、 IgE 7930 IU/ml
⇨現在 TARC 661 Pg/ml  IgE 1300 IU/ml 
3
 
2人ともしっかり通院され、アトピー性皮膚炎克服に頑張っておられるのは嬉しい限りですhappy02
 
現在、外用は週1〜2回で、通院間隔は1ヶ月半〜2ヶ月程度です。再燃はほとんどありません。
 
両者とも高IgEが改善され、完全寛解(治癒)が期待できそうですね。現に、良好なコントロールから完全寛解に至ったケースを数多く経験していますgood
 
TARCを測定して、それを道標に治療方針を立てる。それをTARCコントロールと言います。
 
それを実践する外用療法がプロアクティブ療法なのです。
 
特に重症の患者さんにこそ行ってもらいたい治療ですねwink
 
(院長)
 
 
 
治療の具体的な方法は、過去のブログ『TARCを使用したアトピー性皮膚炎の治療』を参照してください。
 
*TARCは、正式にはタルクと読むらしいのですが、私は英語読みのタークに慣れてしまっているので。
 

2016年10月27日 (木)

ロコヒル=プロアクティブ療法?

ロコヒル(ロコイド軟膏とヒルドイドソフトの混合軟膏)は、当院でアトピー性皮膚炎(以下アトピー)の子供に使用している外用剤の一つです。
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 (乳児アトピー性皮膚炎:マルホ株式会社 アトピー性皮膚炎パンフレットより)
 
当院に以前通っていて、いつの間にか来られなくなり、今は他院でロコヒルだけを貰っていたという患者さんが、最近何人も再診されました。
 
その子達の母親から、「ロコヒルを他院で貰ってずーと塗っているが、いつになったらアトピーが治るのか?」という質問がありましたcoldsweats02coldsweats02
 
ロコヒルをずーと塗ることが、当院治療の肝(プロアクィブ療法)と勘違いされているようですねcoldsweats02
  
ロコヒルを同じ頻度と量で、ずーと塗っていてはダメでしょうwobbly
 
外用剤は、皮膚の状態に合わせて外用のレベル、量、頻度を変化させなければいけません。そこが、皮膚科医としての腕の見せ所ですwink
 
過去のプロアクティブ療法のブログ:アトピー性皮膚炎のプロアクティブ療法 
 
気温がぐっと下がり、湿度が低下してきましたdespair肌が乾燥する季節です。
 
週1−2回外用でプロアクティブ療法中の患者さんも、外用頻度レベルの変更が必要になる時期です。保湿剤の外用量も増やす必要があります。
 
また、長期寛解で外用をしていない患者さんも症状が出現してくる可能性があります。
 
悪化してから慌てて受診するのではなく、余裕をもって受診しましょうhappy01
 
(院長)
 
*院内の指導用の外用剤の蓋に、時々絵を描いて遊んでいます。ただし、患者さんが受け取る容器には描かれていません。
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*当院でも、プロアクティブ療法を行っていないアトピー患者さんは大勢おられます。しかし、小児に関しては、できる限りプロアクティブ療法を行っています。
 

2016年3月24日 (木)

アトピー性皮膚炎の新ガイドライン

先月、日本皮膚科学会より『アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版』が発表されました。7年ぶりの改訂です。
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改訂された内容は色々ありますが、特に注目すべきところは、プロアクティブ療法と病勢マーカーとしてのTARC値の話だと思います
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          (アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版より引用)
 
  
TARCを使用したプロアクティブ療法の実際は、このブログでも再三再四述べている通りです。
 
 
まだまだ具体性に乏しい記載ではありますが、この治療法がガイドラインに初めて掲載されたことに意義があります。それも、推奨度1(強く推奨する)エビデンスレベルA(結果はほぼ確実)で。
 
私の経験では、小児アトピー性皮膚炎の内に導入すれば、ほぼ100%コントロールできて完全寛解(過去ブログ)に持ち込めますgoodただし、通院されない方(ルーズケア)は無理ですが・・shock
 
 
これにより、除去食の必要もなく、食物アレルギーの発症も防ぐことができます。この点は、まだ今回のガイドラインには載りませんでしたが・・weep
 
過去のブログ:食物アレルギー
 
不必要な除去食が多すぎますからね。むしろ除去食は、アレルギーを増大させることが報告されています(The LEAP study)(*)
 
 
よって最悪なケースとは、外用治療をろくにせず、除去食に一生懸命精を出しているアトピー患者さんということになりますcrying
 
(院長)
 
*すでに食物アレルギーを発症し、医療機関で適切に除去食が行われている方は除去食の継続が必要です。自己判断で中止すると大変危険です。
 
以前、小児アトピー性皮膚炎治療で有名な国立成育医療研究センターの大矢先生が、アトピー性皮膚炎で除去食が必要だった症例はほとんどないと講演でおっしゃっていましたが、私も同感です。要するに、外用が十分にできてないだけと言うことです。
 
 

2015年7月20日 (月)

海の日の越前海岸

今日は海の日mistですねhappy01昨日と今日の2日間、ダイビングをするために越前海岸へ行ってきました。
 
今朝8時前に到着しましたが、浜はガラガラでした。しかし、ぴーかんに晴れていましたよsun
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昼頃になると人が増えてきましたが、例年より少なめでしたね。台風の影響で、水温はまだ23℃とかなり冷たかったです。
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さあ、これから夏本番です。ダイビングシーズンのはじまりです。
 
 
ところで、夏風邪の一種である手足口病が猛威をふるっていますcoldsweats02
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手足口病についての過去のブログ;手足口病
 
特にアトピー性皮膚炎の小児は、手足口病発症後にアトピー症状が悪化することがあります。またさらに、外用中止を指示されて急激に増悪する症例も増えています。
 
プロアクティブ治療中の患者さんは、一見すると症状がほとんどありませんので、外用治療を中止するように指示されがちです。
 
当院通院中のアトピー性皮膚炎患者さんで、手足口病を発症された場合は、外用治療を中止する前に一度当院にお問い合わせください(可能であれば受診してください)。
 
(院長)
 
 

2015年4月 9日 (木)

NHKスペシャル「新アレルギー治療~鍵を握る免疫細胞~」

本日は、足羽川沿いの桜cherryblossomを見に出かけました。さすが桜名所100選に選ばれるだけあってすごく綺麗でしたhappy01ただ、ちょっと寒かったですけどねcatface
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ところで先日、たまたまNHKスペシャル 「新アレルギー治療~鍵を握る免疫細胞~」をみました。みなさんはご覧になられたでしょうか?
 
この中で、ピーナッツアレルギーの話題をやっていましたね。
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特に重要な点は、今年2月に発表された「The LEAP study 」の結果を報告していたところです。この結果次第でアレルギー予防の根本が変わる当ブログで3年ほど前に取り上げた話題ですねhappy01
 
 
640人の乳児が参加して、ピーナッツを週3回以上食べさせたグループピーナッツを徹底的に避けた(除去食)グループにわけて生後60ヶ月まで追跡した最もエビデンスレベルの高い調査(二重盲検ランダム化比較試験)です。
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(NHKスペシャル 「新アレルギー治療~鍵を握る免疫細胞~」より)
 
結果は(私にとっては)予想通り、ピーナッツを離乳食の早い段階でたくさん食べたほうが、除去食をしたグループより優位にピーナッツアレルギーの発症を抑えたという結果(3.2%対17.3%)です。
 
要するに、食物アレルギーが発症する前の早い段階で、積極的に食物(この場合はピーナッツ)を摂取することで、食物アレルギーが起こりにくくなるということです。
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 (NHKスペシャル 「新アレルギー治療~鍵を握る免疫細胞~」より)
 
番組に出演していた医師も、「食物アレルギーが発症する前には、(除去食はせずに)なんでも食べさせた方がよさそうですね」といっていましたwinkdanger
 
 
このNHKスペシャルでは、もう1つ大切なことを述べていました。それは、ピーナッツオイルを乳児湿疹のスキンケアに使ったがために、重篤なピーナッツアレルギーを起こしてしまったある患者の話です。
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塗っていたピーナッツのタンパク質が、湿疹という炎症した(バリアが壊れた)皮膚から体内に入り、ピーナッツアレルギーが引き起こされたということです。
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(NHKスペシャル 「新アレルギー治療~鍵を握る免疫細胞~」より)
 
前述の出演医師も、「乳児湿疹を早く治してスキンケアを行い、皮膚バリアを強化して食物タンパクが皮膚から侵入しないようにすることが大切である」と述べていました。

乳児アトピー性皮膚炎は、皮膚バリア障害をもつ乳児湿疹の重症型です。何故当院では、プロアクィブ療法で肌の良い状態を保たせているのか、その理由がよくわかると思います。

 
以上まとめると、『食物アレルギーを予防するためには、発症する前にむしろ積極的に食物を摂取し、除去食はダメ、アトピーなどの湿疹は早く治して皮膚から食物タンパクなどのアレルゲンが侵入しないようにする』ということですね。
 
(院長)
 
danger番組内でも強調されていましたが、すでに食物アレルギーを発症されている方が、勝手に除去食を解除するのは大変危険です。
 
*以上の話は、Lack G先生(本文の最後の写真の方)の二重アレルゲン暴露仮説に基づくもので、アレルゲン(食物タンパクなど)は、皮膚から入るとアレルギーを引き起こし、口(消化管)から入るとアレルギーが起こりにくくなるというものです。LEAP studyの結果から、仮説ではなくなりつつあります。
 
 

2015年3月11日 (水)

アトピー性皮膚炎の原因と予防

当院には、毎日多勢のアトピー性皮膚炎(以下アトピー)のお子さんが受診されますhappy01
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受診時に、お母さんからの質問で多いのは、「うちの子のアトピーは、何の食べ物が原因でしょうか?」、「卵などの除去食はしなくてよいのでしょうか?」などですcoldsweats01
 
ずばり回答すると、アトピーの原因は食物アレルギーではありません。ですから、除去食は基本的に(というかほとんど)行う必要はありません。しかし、アトピーを放置しておくと、経皮膚感作(過去のブログ参照)により、いずれ食物アレルギー喘息などが併発してきますshock[1][2][3][4]
 
では、アトピーの原因は一体何なのでしょうか?
 
当ブログでも再三述べているように、皮膚のバリア機能異常(簡単に言えば乾燥肌)が、発症に大きく関わっているようです[2][4][5]
 
実際に、アトピー発症のハイリスク(両親にアトピーがあるなど)の赤ちゃんを生後まもなく保湿治療をすることで、バリア機能を改善させてアトピーの発症を抑えたというエビデンスレベルの高い報告が最近なされました(下グラフ)[4]
 
(アトピー性皮膚炎の累積発症率を示すカプランマイヤー曲線)
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このグラフが意味するところは、保湿治療をした子の方(上の線)が、しなかったコントロール群(下の線)に比べてアトピーの発症率を3割も減らせたというものです。
 
しかし、この著者も述べていることですが、一旦発症したアトピーは、保湿治療のみでは改善しません。
 
保湿剤以外の外用剤(ステロイド軟膏やプロトピック軟膏など)も使用して積極的に治すことが必要です。当院ではプロアクティブ療法ですねwink
 
これにより、食物アレルギーや喘息などの発症を予防するだけでなく[1][4]すでに発症しているこれらの疾患の症状も改善することが知られてきていますhappy01
 
以上のことは、過去のアトピー性皮膚炎のブログに詳しく書いていますので参照してください。
 
(参考文献)
[1]Lack G:J Allergy Clin Immunol. 2008;121:1331-36.
[2]秋山真志: 日医雑誌 2010;138:2536-7.
[3]Dharmage SC, et al.: Allergy. 2014;69:17–27.
[4]Horimukai K,et al.:J Allergy Clin Immunol.2014;134:824-30.
[5]Simpson EL, et al.: J Am Acad Dermatol 2010;63:587-93.
 
(院長)
 
banana以前、[4]の論文の責任著者である大矢幸弘先生(国立成育医療研究センター生体防御系内科部アレルギー科医長)の講演を聴いたときに、除去食はほとんどしない、アトピー症状のコントロールが悪いのは単に外用ができていないからだと断言されていましたね。同感です。
 
cherry[4]の論文では、保湿剤として2e(ドゥーエ)を使用していたようですが、責任著者の大矢先生は、ワセリンでも同様の結果が出るであろうと述べておられます。    
 
apple最近オリーブオイルや馬油を赤ちゃんの保湿剤として使用している方が増えています。経皮感作の起こりやすい赤ちゃんに、これら動植物性のオイルを使用することはおすすめしません。
 
 

2014年11月 1日 (土)

アトピー性皮膚炎と食物アレルギーの関係

本日より11月になりました。めっきり寒くなりましたねdespair
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寒くなると、乾燥肌の患者さんが急増してきます。それにつれてアトピー性皮膚炎(以下アトピー)の患者さんも悪化してくる時期ですshock
 
プロアクティブ療法中の患者さんは、悪化時は外用頻度を高めて早めに受診してください。例えば、週1−2回外用の患者さんは、週2−3回の外用に頻度をあげるということです。
 
ところで、最近よくきかれる質問があります。
 
『アトピーは、なにか食べ物が原因ではないのですか? 食事制限はしなくてよいのですか?』というものです。
 
アトピー性皮膚炎は、長い間単なるアレルギー性疾患と考えられていたために、次の流れが信じられてきました。
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ですので、アレルゲンの除去すなわち原因食物を除去すればアトピーは予防できる、あるいは治ると信じられてきましたwobbly
 

長年の研究から、食物制限はアトピーの予防効果も治癒させる効果もないことがわかってきました[1][2][3]。

さらに多くの研究から、食物アレルギーアトピーの関係は以下の図のようになることがわかってきています[4][5]。
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すなわち、アトピーを放置する(外用治療をしない)と食物アレルギーを併発するというのが正解です。
 
よって、アトピー発症早期からの外用(ステロイド&保湿剤)治療がアレルギー感作を防ぎ、食物アレルギーを予防あるいは改善させるのですまた、外用治療はアトピーそのものを予防する効果があることもわかって来ています[6]
 
さらに、安易な食物制限はかえって食物アレルギーを悪化させます。
 
下グラフは有名な臨床研究ですが、英国の子供はピーナッツを厳しく制限しているのにピーナッツアレルギーが非常に多いのです。イスラエルの子供は、ピーナッツをよく食べているのにピーナッツアレルギーが非常に少ない[7]
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どうやら、アレルゲン(この場合はピーナッツ)の経口摂取(食べること)は、アレルギーを抑制するようです[4][7]。なんでもよく食べた方が良いようですねgood
  
外用治療をおろそかにして、食物制限に精を出している方をよくみかけますが、如何に間違った方向で努力しているかがわかるかと思いますcoldsweats01
  
(参考文献)
[1] Clin Exp Allergy 2004; 34:1220-1225 (Study of prevention of allergy in children of Europe)
[2] Pediatr Allergy immnol 2002; 13:32-7 (National asthma campaign manchester asthma and allergy study)
[3] Pediatrics 2008; 122(1): 115-112 
[4] N Engl J Med 2003; 348:977-85
[5] J Allergy Clin Immunol 2008; 121:1331-6
[6] J Am Acad Dermatol 2010; 63:587-93
[7] J Allergy Clin Immunol 2008; 122:984-91
 
(院長)
  
*アトピーを放置すると、生後1年で食物アレルギーを起こす確率は、アトピーの無い子供にくらべて5倍以上という報告もあります。
*すでに食物アレルギーになってしまった方は、その重症度に応じて制限をする必要があります。しかし、それでアトピーが治るわけではありません。
 

2014年6月 1日 (日)

第113回日本皮膚科学会総会

先週末は休診させて頂きまして、ご迷惑をおかけしました。本日、第113回日本皮膚科学会総会より帰ってきました。大変疲れましたcatfaceが勉強になりましたhappy01
 
泊まったホテルの部屋から学会会場(国立京都国際会館)が一望できました。以前、このあたりに住んでいたことがあるんですが、静かな環境で緑も多くとても良いところですhappy01
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講演の合間に会場の庭園に出て一休みjapanesetea朝から缶詰状態wobblyで講演を聴いていたので、気がついたら夕方になっていましたcoldsweats02
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しばらく、この庭園を散歩しました。お、大きな白鳥。この学会会場は、空気か澄んでいてきもちいい〜happy02
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今年の学会は、主にアトピー性皮膚炎と尋常性乾癬にしぼって講演を聞きました。
 
アトピー性皮膚炎についてだけ少し述べると、プロアクティブ療法の有用性を多くの演者が述べていました。まんまこのブログで述べていることですwink
 
小児アトピー性皮膚炎プロアクティブ療法で早期に積極的に治療することは、後に発症する食物アレルギー喘息などの発症を防ぐために非常に重要であること、逆に安易な食物制限はこれらの発症予防になるどころか逆効果になり得るということです。そして成人でさえも、プロアクティブ療法でdrug free(治癒)にまで持っていける可能性があります。
 
私も、自分のアトピー性皮膚炎は治癒しましたが、その後喘息を発症して現在(49歳)も治療を続けています。当時は、このような概念や治療法がありませんでしたからねcrying
 
(院長)
 

2014年4月20日 (日)

アトピーのプロアクティブ療法で最も大切なところ

当院のアトピー性皮膚炎(以下アトピー)治療は、プロアクティブ療法が主体あることは以前に述べました。
 
プロアクティブ療法の過去のブログ:
 
プロアクティブ療法では、下図の左側のように症状がなくなるまで集中的に外用(←→)をして、良くなっても止めずに定期的に外用を継続します。そして、徐々に外用頻度を減らしてステロイド軟膏等の外用剤から離脱して行く治療法です。当院で通院中の方はもうお分かりですよねwink
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プロアクティブ療法で注目されているのは定期的に外用を継続して行くところですが、最も大切なところshineは上図の左グラフの(←→の部分だと私は思いますhappy01
 
この部分(←→)の時期に、指示した外用量を集中的に塗ります。この期間は、初診から約1〜2ヶ月くらい(重症ならもっと長いことも)ですが、1〜2週間の頻度で通院することになります。ここがうまく行けば8割以上成功ですねgood
 
下写真の患者さんのケースで説明してみましょうhappy01下写真は治療開始時(平成25年3月26日)のもです。前医では、ステロイドは全く使用していなかったけれどお肌がどす黒いですねcoldsweats01かなり重症です。
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下写真は、約7ヶ月後(平成25年10月18日)のもです。この頃には、週2回のみ外用で、受診頻度は1〜1ヶ月半に1回程度です。今後は、週1回だけの外用や外用剤のレベルダウンへと漸減していく予定です。究極の完全寛解をめざしてgood
 
ところでこの方は、ステロイド外用剤を使っていますがお肌真っ白shineです。ステロイドを使うと肌が黒くなるというのは、真っ赤な嘘ですね。黒くなるのは、単にアトピーのコントロールが悪いだけですshock
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血液データは、下図のようになっています。TARCが、最初の1ヶ月の治療で正常値になっているのがわかりますね(←→)。ここが、治療の成否の分かれ目ですshine
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*TARCについては、過去のブログ参照:TARCを使用したアトピー性皮膚炎の治療
 
ここ←→)がいきなりルーズになる方、すなわち初診からいきなり1〜2ヶ月後に再診したり、外用も半分くらいしか塗らない方は、TARCの下がり方が不十分で、後の治療がほとんどうまく行かないのです(ルーズケアweep最初に口うるさく何度も指導しているのはこのためなんですhappy01
 
初診から3回連続してここ(←→ルーズになる方coldsweats02には、さらに厳しくthunder指導しています。
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バガボンド27巻より引用)
 
これは、漫画『バカボンド』の有名(?)な一場面です。こんなに厳しくはないですが、気持ちはこんな感じです(わかるかな〜smile)。
 
プロアクティブ療法の対極に当たるのが、最初の図の右グラフのリアクティブ療法で、「悪いときに塗って、ある程度良くなったらすぐ止める」を繰り返す従来の外用治療です。この治療はルーズケアになり易く、治療効果もあまりあがりませんweep
 
最初からルーズケアの方は、治る(あるいは良くなる)機会を逸していると言えますねcoldsweats01ただし、仕事の関係上忙しくて通院できずルーズケアにならざる負えない方もおられますが・・・coldsweats01
 
ただし、ルーズケアであるのに『全然治んない!』とか言うのはなしでお願いしますねng
 
(院長)
 
banana少ないながらも、TARCと臨床症状があまり一致しない方がおられます。そういった方は、臨床症状から判断してプロアクティブ療法を行っています。
 
cherry小児は、ほぼ100%プロアクティブ療法を行っていますが、成人は仕事などの関係上ルーズケアになりやすく、大半は完璧なプロアクティブ療法にはなっていません。ただ、ルーズケアの方でもできるだけプロアクティブ療法になるように努力しています。しかし、3ヶ月以上の通院間隔の方は、完全にリアクティブ療法になりますね。
 
apple本文中の漫画『バガボンド』の場面は、吉岡剣術の極意「一つの太刀」をある少年が初代当主に叩き込まれるシーンです。この少年は、後に吉岡流当主となるのですが、このとき3度この極意を間違えてしまいました。上の場面の続きは下のようになります。でも、プロアクティブ療法には次はありますけどねwink
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2013年11月30日 (土)

アトピー性皮膚炎のプロアクティブ療法の症例

アトピー性皮膚炎(以下アトピー)の話題は久しぶりですねhappy01
 
ここ数日プロアクティブ療法中の、かって重症アトピーであった方がドッとこられました。そのお一人に写真掲載をお願いしたら快く承諾してもらえましたので、久しぶりにこの治療法を紹介したいと思いますgood
 
この患者さん(10代女性)は、某病院で長年厳格な食事制限非ステロイド外用剤、消毒液(ヒビテン?)を皮疹に塗るなどの治療をうけていましたshockおそろしくout-of-dateな治療なんですが・・・coldsweats02福井ではたまに見かけますcoldsweats01
 
血液データは、初診時 IgE 12730 IU/ml, TARC 14146 Pg/mlという重症の状態になっていましたshock下写真は初診時です。
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治療は、もちろんプロアクティブ療法を開始しました。半年後の経過は、下写真のようにほぼ寛解して真っ白shineです。血液データは、IgE 5097 IU/ml, TARC 224 Pg/mlまで改善しました。現在、週2回の外用(塗る)治療(保湿剤とⅢ〜Ⅳ群レベルのステロイド)で、食事制限はほぼ解除されています。
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今後はプロアクティブ療法を継続して、外用頻度とレベルをさらに下げて完全寛解をめざしていく予定ですwinkまた、今回の写真掲載に快く承諾いただきましてありがとうございました。
 
他には、以前このブログで紹介した下写真の患者さんも一昨日受診されました。プロアクティブ治療ですでに1年の経過ですが、同様に症状はほとんど無く、週2回の外用で継続治療中です。TARCはほぼ正常域で推移し、IgE7930→3085→2883 IU/mlと低下してきています。
(下写真:初診時)
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下写真:治療半年後 
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プロアクティブ療法は、長期の計画的な外用治療が必要であり、従来のリアクティブ療法のように症状が出てから(あわててsweat01)外用をしはじめる治療とは全く異なる概念の治療法ですconfident症状がなくても、アトピー克服のために一定間隔で計画的に外用をし続ける必要がありますconfident
 
欧米ではすでに広く提唱されている治療法ですが、日本では最近になりようやく認知されるようになってきましたhappy01
 
よって以前は、他院を受診したら「症状がよくなっているので塗る必要がない」、あるいは「塗らない方がよい」といわれたと、プロアクティブ療法中の患者さんからの不安による問い合わせや苦情がよくありましたねdespair
 
(院長)
 
banana当院の小児アトピー成人の重症アトピーの患者さんは、基本的にプロアクティブ療法です。この治療法は、長期の定期的な通院が必要であり全ての患者さんに行っているわけではありません。
  
appleプロアクティブ療法の詳細は、当ブログの以下の記事を参照してください。
 
 
cherry以下の休診を予定しています。ご注意ください。
 
・12/14(土)第433回 日本皮膚科学会京滋地方会で発表のため全日休診です
 
・12/21(土)臨時休診
 
 

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