カテゴリ「慢性痒疹」の5件の記事 Feed

2023年6月30日 (金)

結節性痒疹の新しい治療

結節性痒疹(けっせつせいようしん)というのは、
 
下写真のように
 
虫刺されのようなぶつぶつが全身に広がる病気ですshock
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名前のごとく、ものすごく痒いshock
 
そして、治療が極めて難しく慢性に経過しますshock
 
強いステロイド外用剤でもあまり効果がありませんcrying
 
確実に効果があるのは、
 
ある組み合わせの抗ヒスタミン剤secret
 
エキシマ療法(ライト&レーザー)thunderくらいです。
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特にエキシマレーザーthunderは非常に効果的です。
 
しかしそれでも、治療困難なケースが多いcrying
 
今、当院で一番厄介な病気ですねwobbly
 
そんな中、先日生物学的製剤デュピクセントが、
 
この疾患に対して保険適応(15歳以上)となりました。
Duppen
 
デュピクセントは、
 
アトピー性皮膚炎でも実績のある治療薬ですが、
 
痒疹にも抜群に効くようですgood
 
これで、厄介な疾患がまた一つ解決できそうですhappy02
 
(院長)
 

2017年4月17日 (月)

ブヨ(ブト)による虫刺されにご注意!

昨日は、良い天気sunでしたね〜happy01クリニックの周りの花壇も満開です。虫の活動が活発になってくるころですねshock
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案の定、本日はマダニブヨに刺された患者さんが大勢来られました。
 
特に、ブヨ(ブト)に刺された患者さんは注意が必要です。適当に治療すると、難治化して治らなくなりますよ(下写真)crying
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ですから、初期治療が非常に大切です。痒みが無くなったからと安易に治療を中断せず、皮疹がなくなるまで継続しましょうgood
 
内服と外用でも改善しない場合は、紫外線療法(ナローバンドUVB)がよく効きます。
 
ちょっと専門的ですが、紫外線療法のポイントは、広範囲をナローバンドUVBで照射し、難治な部位をターゲット型エキシマライトでカバーすることです。
 
ターゲット型エキシマライトの当て方にもポイントがあります。
 
詳しくは、日本皮膚科学会総会(パンフレット: ランチョンセミナー30で述べますねsmile
 
 
*紫外線療法の過去のブログ;紫外線療法
  
 
(院長)
 
*日本皮膚科学会総会の講演では、尋常性白斑、円形脱毛症、慢性痒疹などの疾患のエキシマライト治療について解説します。
 
 

2015年7月 9日 (木)

ブユに注意!

毎日雨が降って、梅雨rainらしい季節です。真夏の太陽sunが恋しいですねhappy01
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この季節は、虫さされの患者さんが急増してきます。毛虫皮膚炎もまだまだ多いですねshock
 
過去のブログ参照;毛虫皮膚炎 
 
ここ数日は、ブユ(ブト、ブヨ)にさされて受診される方が増えています。先日も、山に入って下腿をブユに多数刺された方が受診されました(下写真)bearing
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ブユは、2〜5mm大の吸血昆虫です(下写真左側)。刺された部位は、特徴的な所見を呈します。刺された直後は、出血や出血点が見られます(下写真右側)。
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 (Dr.夏秋の臨床図鑑 虫と皮膚炎より引用)
  
その後、赤く腫脹(パンパンにはれる)してリンパ管炎(→)なんかもみられますshock 
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安易に市販薬なんかで治療していると、慢性痒疹となって数ヶ月から時に数年悩まされることになります(下写真)shockshock
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ブユは、高原や渓流沿いに棲息しています。キャンプやレジャーでこれらの場所に行って、上記のような症状が出現すればブユ刺症かもしれません。
 
安易に自分で治療をするのではなく、速やかに医療機関を受診しましょうhappy01
 
(院長)
 
 

2014年8月10日 (日)

ブユ(ブト、ブヨ)による虫さされ急増中!

今年の夏は、週末になると天候が悪化rainする状態で、なかなかダイビングのベストコンディションにはなりませんcrying今日は、台風11号が近畿圏を通過中ですshock来週に期待しましょうcoldsweats01
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(8/3(日)の越前海岸 cloudのちrain
 
こんな梅雨のような天気rainが続いていますが、その分虫さされが増えています。特に多いのが、ブユ(ブト、ブヨ)による虫さされが急増しています(下写真)
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(Dr. 夏秋の臨床図鑑 虫と皮膚炎より引用)
 
ブユ(ブト、ブヨ)は、気温の高い昼間はあまり活動しません。ただし曇りcloudや雨rainなど湿気が高く、気温が低い時は時間に関係なく活動します。
 
渓流に生息するので、山菜採りやキャンプに行って刺されることが多いので注意しましょう。そんな場所は、福井ではどこにでもありますからcoldsweats01
 
皮膚を噛み切り吸血するので、刺された部位は赤い出血点や流血(上写真)を伴います。通常は、刺された翌日に激しい掻痒とともに皮疹が出現して、強く腫脹します(下写真)。
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上の写真の刺し口をダーモスコピーで見てみました(下写真)。黄色いかさぶた(痂皮)の中心に血腫を認めます。刺されて出血して小水疱となり、後に痂皮を形成したと想像されます。刺し口のまわりは、アレルギー反応で真っ赤になっていますね。
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ときに水ぶくれ)となり、リンパ管炎(→)を伴うこともあります。リンパ管炎の強さが、リンパ管に沿った水疱から想像されますね(下写真)coldsweats02
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刺されて、足首がパンパンに張っている状態の方(下写真)。蜂窩織炎との鑑別が必要です。
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以前ブログに書いたように、安易に治療すると慢性化して、時に何年も続くことがあります(慢性痒疹)。
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ブユ(ブト、ブヨ)と慢性痒疹のブログ:養浩館(ようこうかん)にいってきました
 
ブユ(ブト、ブヨ)に刺されたかなぁと思ったら、医療機関での治療が必要ですhappy01
 
(院長)
 
tulipブユ(蚋)が正式名称で、関東ではブヨ、関西ではブトとも呼ばれます。私は京都出身なので、ブトと呼んでいました。福井市出身の師長はブヨと呼んでいるので、福井、特に嶺北では関東呼びなのですね。
 

2011年6月12日 (日)

慢性痒疹のナローバンドUVB療法shine

ナローバンドUVB(NB-UVB)は、非常に幅の狭い波長域(311±2nm)を持った紫外線shineです。

近年、この特殊な紫外線shineが、アトピー性皮膚炎、慢性痒疹、掌蹠膿疱症などの難治性皮膚病shockに効果があることがわかってきました。

今回は、慢性痒疹という難治性皮膚病へのNB-UVB療法についてお話します。

慢性痒疹とは、下腿を中心に多発する痒い丘疹(ぶつぶつ)で、年余にわたって持続しますsad
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強いステロイド外用を行ってもなかなか改善しないことが多く、この病気をいかに治すかは多くの皮膚科医の悩みでもありますdespair

当院では、慢性痒疹のなかでも特に難治性のものに限りNB-UVB療法shineを行っています。この青い光shineが不思議なことにかゆみを抑え、皮膚病を治す力がありますhappy01
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効果は抜群です。照射数回で8割以上の方のかゆみが治まってきますgood 完全に治るまでには数ヶ月かかりますが、何をしても治らない痒疹がなおるのですから凄いことです。

子供では、効果はすぐに出ます。
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NB-UVB照射8回目
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この方は、エキシマライト単独で十分な効果がでなかったためにNB-UVB療法開始。
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NB-UVB照射15回目 かなり改善しました。
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当院では、エキシマライト(波長308nm)とNB-UVBのコンビネーション治療なども行っています。
(院長)

*慢性痒疹に対する効果は、単独ではVTRAC(エキシマライト)より従来(311±2nm)のNB-UVBの方が上ですね。波長が長いからというよりは、NB-UVBの方が正常部分も含めて広範囲に照射されるためではないかと考えています。最近では、紫外線A波の長波長領域UVA1の方が慢性痒疹に効くという話もあります。また、エキシマ+NB-UVBコンビネーションもかなりよく効きます。どちらがより効果があるのでしょうか? 興味が尽きませんね。


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