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2017年4月24日 (月)

アトピー性皮膚炎のTARCコントロール

今日は、良い天気でしたね〜sun 早く夏が来て欲しいなぁhappy01
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ところで本日は、アトピー性皮膚炎(以下アトピー)のプロアクティブ療法の経過をお話ししたいと思います。
 
今回はちょっと専門的すぎるかもsmile
 
4年前にこのブログで、アトピー性皮膚炎のプロアクティブ療法という題で2人の重症アトピー患者さんを紹介しました。
 
二人とも、その後も真面目に通院され、寛解状態(皮疹ほぼゼロ)をずっと維持されています。
 
血液データ(TARC, IgE)も非常に良好です。
 
症例1 10代女性 初診時のTARC(ターク)14146 Pg/ml、 IgE 12730 IU/ml ⇨現在 TARC 264 Pg/ml  IgE 2342 IU/ml
1 
 
症例2 20代男性 初診時のTARC(ターク)7755 Pg/ml、 IgE 7930 IU/ml
⇨現在 TARC 661 Pg/ml  IgE 1300 IU/ml 
3
 
2人ともしっかり通院され、アトピー性皮膚炎克服に頑張っておられるのは嬉しい限りですhappy02
 
現在、外用は週1〜2回で、通院間隔は1ヶ月半〜2ヶ月程度です。再燃はほとんどありません。
 
両者とも高IgEが改善され、完全寛解(治癒)が期待できそうですね。現に、良好なコントロールから完全寛解に至ったケースを数多く経験していますgood
 
TARCを測定して、それを道標に治療方針を立てる。それをTARCコントロールと言います。
 
それを実践する外用療法がプロアクティブ療法なのです。
 
特に重症の患者さんにこそ行ってもらいたい治療ですねwink
 
(院長)
 
 
 
治療の具体的な方法は、過去のブログ『TARCを使用したアトピー性皮膚炎の治療』を参照してください。
 
*TARCは、正式にはタルクと読むらしいのですが、私は英語読みのタークに慣れてしまっているので。
 

2013年2月17日 (日)

アトピー性皮膚炎のプロアクティブ治療

前回のアトピー性皮膚炎(以下アトピー)のブログで、TARC(ターク)を使用したプロアクティブ治療という最新の治療法を紹介しましたhappy01
 
当院では、多くの患者さんがこの治療法でコントロールされ、完全寛解している方も大勢おられます。特に小児は、母親がきっちりと外用してくれるため治療がスムーズですねhappy02
 
ここ最近受診された現在プロアクティブ治療中の患者さんを紹介しましょうhappy01
 
下写真の患者さんは、他院でステロイド外用治療を中心に、調子の悪いときだけ外用するリアクティブ治療が行われていました。IgE 7930 IU/ml、TARC 7755 pg/mlと凄まじいですねshock
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全身色素沈着でドス黒くなっていますcrying これをステロイドの副作用と誤解している方が多いので困りますね。単にアトピーコントロール不良なだけなんですけどねcoldsweats01
 
で、治療をプロアクティブ治療に変更しました。IgE 3058 IU/ml、TARC  616 pg/mlまで下がりました。ステロイド軟膏を使用していますが、肌は白く綺麗にshineなりましたね。彼は昨日も受診され、もうこの状態を8ヶ月間維持しています。現在の目標は、IgE<1000 IU/ml、TARC<500 pg/ml。
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これだけ綺麗になれば、仕事も恋愛もばっちりですねwink プロアクティブ治療で薬物療法離脱と寛解維持の両立をめざしてくださいgood
 
次の方は、前回も紹介した方ですね。IgE 3867 IU/ml、TARC  7023 pg/ml。この方もリアクティブ治療が行われていました。
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プロアクティブ治療に変更してIgE 1250 IU/ml、TARC  859 pg/mlとなり、お肌は真っ白shineです。「ステロイド軟膏でお肌が黒くなる。」真っ赤なであることがわかりますthink
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TARC 500 pg/mlに達していないのでまだ完全寛解とはいえず、先週受診時はインフルエンザにかかって、やや痒みがぶり返しているようでしたcoldsweats01IgE<1000 IU/ml、TARC<500 pg/mlを目標に完全寛解をめざして頑張って下さいwink
 
本人の承諾が得られれば、今後もプロアクティブ治療中の他の患者さんを紹介したいと思います。
 
(院長)
 
*小児は、TRACなど測らずともほぼ全員が寛解状態になり、多くの方が完全寛解になっています。これは母親が努力してしっかりと外用してくれるためですね。みなさんまじめです。成人の方は、なかなかコンプライアンス(アドヒアランス)が保てない方が多いです。よって、定期的に受診されないので、仕方なくリアクティブ治療になっている方も大勢おられます。
 

〠918-8105 福井県福井市木田3丁目2605 
にしむら皮フ科クリニックのホームページ

2013年1月12日 (土)

TARCを使用したアトピー性皮膚炎の治療

本日は、TARC(ターク)を使ったアトピー性皮膚炎(以下アトピー)治療について解説したいと思います。通院患者さん用に書いたもので、やや難解ですがご容赦ください。
 
当院では、特に重症の成人アトピーの患者さんにTARCを使ったプロアクティブ治療を導入しています。
 
 
(1) TARCとは一体なんでしょうか?
 
TARCとは、Thymus and Activation-Regulated Chemokineの略で、アトピーの患者さんの皮膚から過剰産生されている皮膚の炎症を引き起こす物質(正確にはアトピーの炎症を引き起こすTh2細胞(リンパ球)を病変部に引き寄せるケモカイン)です。外用治療で皮膚が正常になってくると低下していきます。よって、治療効果や重症度の判定に有効です① 自分のアトピーの重症度が数値ででてくるのですhappy02
 
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(塩野義製薬ホームページより引用)
 
しかしもっとも大切なことは、治療によってTARCが十分に低下すれば目標500 pg/ml以下「症状が全くない寛解した状態にする」ことができます②happy02そして長期間この状態を維持すれば、本当に完治してしまう方もおられますgoodこの長期間の維持に導入される方法こそがプロアクティブ治療shineであり、近年その有効性が確認されてきています③
 
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(2) プロアクティブ治療の実際
 
(a) アトピーの皮膚は、炎症細胞が浸潤して各種サイトカインを放出し、あたかも火事のように炎症が起こっています(下図(a)および下写真)。この部分の表皮細胞からはTARCが放出され、さらに炎症細胞を引き寄せるという悪循環が起こっています(TARCサイクル)。
Photo
 
下写真 11才男性 12/03/22 (IgE: 3867, TARC: 7023) 
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(b) 薬物治療(ステロイド軟膏やプロトピック軟膏)にて一旦症状は無くなりますが、皮膚の下には炎症細胞が残っており、薬物治療をやめるとすぐにぶり返します(下図(b)および下写真)。TARCは、まだ500pg/mlには達していません。ここでやめれば、TARCが上昇して再燃悪化してしまいます。元の木阿弥ですshockここで薬物療法をいきなり止めずに、しかし徐々に離脱をはかって行きますhappy01
Photo
 
上写真と同一人物 12/12/10 (IgE: 1250, TARC: 856) 
現在症状は軽微であり、次に述べる(c)完全寛解をめざしプロアクティブ治療中
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(c) 外用のレベルを下げるか、あるいは頻度を下げながら徐々に薬物療法を離脱し、かつTARCを下げていきます。TARCが500pg/mlを切ってくると少々のことでは悪化しませんので、大胆に外用頻度を下げて行くことも可能です。週1〜2回の薬物療法まで持って行くことが当面のゴールです。これは下図 (c) の状態であり、この状態をできるかぎり維持しましょう。いつか外用がいらなくなる日までwink
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以上のように、TARCサイクルに陥らない様に、症状がないにもかかわず積極的に外用継続(しかし、徐々に薬物療法離脱)して寛解状態を維持して行く方法をプロアクティブ治療shineといいます。症状があるときだけ(あわててsweat01)外用する方法は、リアクティブ治療といいます。プロアクティブ治療の方が、結局は少ない外用量で寛解状態を長く維持できるだけでなく、長期寛解から治癒の可能性もでてきます②③happy01
 
上記のプロアクティブ治療の図は、第61回日本アレルギー学会春期学術大会 福家辰樹氏(浜松医科大学小児科)の発表より引用(一部改)。写真は当院通院中の患者さんのもの。
 
通院中の患者さんは、是非(C)の完全寛解をめざして頑張って下さいhappy01次回のアトピーに関するブログでは、実際のプロアクティブ治療中の患者さんを紹介したいと思います。
 
(参考文献)
①玉置邦彦ら:日本皮膚科学会雑誌 2006; 116: 27‐39.
②片岡葉子ら: 皮膚の科学 2012; 11(1): 2‐11.
③Schmitt J et al: Br J Dermatol. 2011; 164: 415‐28.
 
(院長)
 
TARCは、英語読みでは「ターク」ですが、これを発見した塩野義製薬からは「タルク」と呼んで下さいとのことでした。しかし、「ターク」が多数派になりつつあります。
 

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