カテゴリ「手足口病」の5件の記事 Feed

2015年8月23日 (日)

手足口病による爪の変形と脱落

最近、子供の爪が剥がれてきたという訴えで受診される方が多いですね。
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以前のブログにも書いたことがあるのですが、これは手足口病によるものなんです。手足口病は、下写真のように手足や口に水疱ができる病気です。
 
 
手足口病の水疱は、長軸が皮膚紋理に一致する楕円形を呈するのが特徴です。年長児や大人では圧痛があり、歩行困難になることもありますshock
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原因は、主に腸管で増殖するヒトエンテロウイルスです。ただし、単一ウイルスによる疾患ではなく、エンテロウイルスに属する複数のウイルスが原因となります。 
 
2011年に大流行したコクサッキーウイルスA6(CAV6)による手足口病(下写真)はもっと重症で、38℃以上の高熱や四肢に大型の水疱を伴い、口腔粘膜病変に乏しいという特徴がありました。
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さらに、CAV6による手足口病の患者さんには、約1ヶ月半後(平均41.7日後)に爪が剥がれるという症状が多く見られていますcoldsweats02
 
その発症機序は不明ですが、脱落した爪からCAV6のDNAが検出され、爪母細胞(爪を作る細胞)へのウイルスの直接感染で引き起こされると推測されていますconfident
 
今年は福井県で手足口病が大流行し、ピークは6月29日でした(下グラフ)。
 
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全体の印象としては、CAV6によるような重症タイプの手足口病は少なかったようです。しかし、最近ちらほらと手足口病によると思われる爪の変形・脱落を訴える患者さんが受診されています。
  
実は、全体としてはコクサッキーA16(下グラフの黄色の部分)によるものが半分以上だったのですが、ピークのころになるとCAV6(青色の部分)の割合が非常に増えているのですcoldsweats02
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 (国立感染症研究所 感染検出情報より)
  
昨日もほぼ全ての爪が脱落している子供が受診しました(CAV6によるものかどうかは不明ですが・・)。
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現在、今年の手足口病発症のピーク(6/29)からほぼ1ヶ月半が経っています。よって、これからこのような患者さんが多数受診されることが予想されますねwobbly
 
基本的には、放置しても構いません。自然に綺麗な爪に入れ替わりますので安心してくださいhappy01
 
(院長)
 
 

2015年7月20日 (月)

海の日の越前海岸

今日は海の日mistですねhappy01昨日と今日の2日間、ダイビングをするために越前海岸へ行ってきました。
 
今朝8時前に到着しましたが、浜はガラガラでした。しかし、ぴーかんに晴れていましたよsun
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昼頃になると人が増えてきましたが、例年より少なめでしたね。台風の影響で、水温はまだ23℃とかなり冷たかったです。
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さあ、これから夏本番です。ダイビングシーズンのはじまりです。
 
 
ところで、夏風邪の一種である手足口病が猛威をふるっていますcoldsweats02
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手足口病についての過去のブログ;手足口病
 
特にアトピー性皮膚炎の小児は、手足口病発症後にアトピー症状が悪化することがあります。またさらに、外用中止を指示されて急激に増悪する症例も増えています。
 
プロアクティブ治療中の患者さんは、一見すると症状がほとんどありませんので、外用治療を中止するように指示されがちです。
 
当院通院中のアトピー性皮膚炎患者さんで、手足口病を発症された場合は、外用治療を中止する前に一度当院にお問い合わせください(可能であれば受診してください)。
 
(院長)
 
 

2013年6月12日 (水)

季節の疾患(毛虫皮膚炎など)

今日は、ほんとに暑かったですねsun既に真夏です。このクリニックの写真を撮ったのは午前9時ですが、もう汗ばむ暑さでしたsweat01Img_3674_2

 
6月といえば、毎年恒例の毛虫皮膚炎が猛威をふるってきましたshock知り合いの造園業の方によるとチャドクガの毛虫が急増中だそうですshockshock
 
昨日も、毛虫皮膚炎の方が7人ほど来られました。皮疹の特徴は、下写真のように頚部や上肢、腋などに集族した丘疹(ぶつぶつ)をみとめます。
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以前のブログ(http://clinic-n.mitelog.jp/blog/cat8231618/ )に詳しく書いていますので参照してください。放置していると全身に広がっていきますshockので、早急に皮膚科を受診しましょうwink
 
一昨年は6月19日で、昨年は6月16日に毛虫皮膚炎のブログを書いていますので、ほんとに正確に巡ってきていますねwink
 
それと、手足口病の患者さんも増えています。今年は、一昨年ほどではないですが重傷型が多い印象です。ひどくなると水疱が掌蹠以外にも広がってきます。
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これも詳しくは、以前のブログ(http://clinic-n.mitelog.jp/blog/cat8360452/)を参照してください。
 
ところで昨日、1日アクセス数1000人を超えましたhappy02ここ数ヶ月は800人前後だったのですが、一挙にきましたねhappy01まぁ、一時的なものかも知れませんがcoldsweats01
 
でも、アクセス数が増えると何となくうれしいものですhappy01これからもがんばってブログ更新したいと思いますhappy01
 
(院長)
 
flair休診情報
 
日本皮膚科学会総会(横浜)に出席のため、6月14日(金)午後の診察(午前診察はあります)および6月15日(土)全日休診です。
 
日本美容皮膚科学会(神戸)で講演のため、8月10日(土)は全日休診です。
 
ご迷惑をおかけ致します。
 

2011年8月 7日 (日)

手足口病 大流行2〜爪の変化〜

前回は、手足口病の大流行についてお話しました。

今年の手足口病は、コクサッキーA6による皮疹の重症な患者さんが多いですweep

今年の手足口病で注意しなければいけないことが、もう1つあります。それは、爪の変形、脱落です。

コクサッキーA6による手足口病に特徴的で、発症して1−2ヶ月で爪がはがれてきます1), 2)

下写真は、一昨日爪がおかしいということで受診された患者さんです。この子は、6月末に手足口病に罹患しました。
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この子は、昨日受診の子供です。この子も6月ごろに手足口病にかかっていました。
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この子の母趾は爪床剥離を起こし、ひっかけたか何かで出血してびらんになっていました。皮膚科医ですから、きれいに爪甲処置(爪切り、外用など)をしてあげましたhappy02

今後、6、7月に手足口病に罹患した患者さんから、このような爪の症状を訴える方が急増してくると予想されますねcoldsweats01

(参考文献)
1) 難波千佳,藤山幹子,橋本公二,他:手足口病後に生じた爪変形、爪脱落の集団発生.日本皮膚科学会 2010;120:754.

2) 宮本麻子,石本和久,平田留美子,他:水痘様発疹分布とonychomadesisを生じたコクサッキーA6 による手足口病のoutbreak.日本皮膚科学会 2010;120:755.

(院長)

 

にしむら皮フ科クリニック・ホームページ

2011年8月 1日 (月)

手足口病 大流行!shockshock

手足口病が全国的に大流行しています。手足口病は、エンテロウイルスによる夏風邪の一種で、主に手と足と口に発疹がでます。

実はすでに、日本臨床皮膚科医会雑誌4月号に夏の大流行を予測する記事が載っていました(赤下線部)。
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特徴としては、熱(無いこともある)などの感冒症状があり、それに伴って手足や口腔粘膜に紅斑〜小水疱が出現してきます。子供だけでなく、大人にもうつることがありますshock


典型的には、下の写真のように手と足の指紋に長軸をあわせた楕円形の水疱が特徴的です。
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ほとんどのケースが軽症で1〜2週間で自然に軽快しますが、今年は非典型的な皮疹を有する重症例が割と多いですねcoldsweats02 
こんなに激しい水疱の子供もいました。
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手足口病の治療上の注意点は2つ考えられます。
①エンテロウイルス71のように、髄膜炎や脳炎を併発するケースがあります。経過中に、「元気がない、頭痛、嘔吐、高熱が2日以上続く」などの症状があれば注意が必要です。幸いにして、今のところコクサッキーA6やA16が多いようです。

②今年の手足口病は症状が激しく、皮疹の二次感染(細菌感染)や、口腔粘膜症状の悪化からの経口摂取不良による脱水などが懸念されます。

予防には、便中へのウイルス排泄が長期につづくため、糞便の始末と手荒いの励行が最も大切ですconfident

手足を中心に発疹が出た場合は、すぐに皮膚科か小児科を受診しましょう。
(院長)

*上の2枚の臨床写真は、福井赤十字病院皮膚科 中川先生提供です。
*最近、爪に異常をきたす子供を見かけます。ほとんどが、手足口病発症後数週でなっています。『近年、コクサッキーA6ウイルスによる手足口病が発生した欧州では、治った数週間後につめが浮き上がってはがれたり変形したりする事例が報告されているという。感染研は日本でも今後、同様の症状がみられる可能性があるとしている。』という記事を見つけました。なるほど。

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