カテゴリ「薬疹」の9件の記事 Feed

2018年5月25日 (金)

モーラス皮膚炎

昨日は、良く晴れましたねsun
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紫外線による皮膚病が増える時期でもありますcoldsweats01
 
そういえば一昨日、毎年恒例のモーラス皮膚炎の方が来院されましたcoldsweats01
 
今年第1号の方(下写真)ですね。昨年とほとんど同じ時期です。
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モーラス湿布は、日が当たるところに貼るとかぶれることがありますshock
 
モーラス湿布を貼る時は、露光部(日に当たるところ)を避けましょうねwink
 
モーラス皮膚炎の昨年のブログ:湿布薬モーラスによるかぶれ
 
  
話は変わりますが、現在も講演ラッシュ中です。来月の講演は3つあります。
 
6月 3日   広島の総会でレーザー治療の講演
6月20日   乾癬治療薬オテズラのWEB講演
6月30日   香川高松でニキビ治療の講演
 
 
総会とWebセミナーのパンフレットが出来上がってきました。
 
 広島の総会では、フラクショナルレーザー・コアダイレーザー・VビームⅡ全身型紫外線照射器ダブリン3の少し変わった使用方法を紹介します。
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Webセミナーは、アプレミラストと紫外線療法の経験などを述べたいと思います。この組み合わせは抜群にいいhappy02

2017年5月25日 (木)

湿布薬モーラスによるかぶれ

日中はかなり暑くなってきましたsun
 
日差しが強くなると増えてくるのが、モーラスかぶれです。
 
モーラスというのは湿布の商品名なんですが、貼ったところに日光sunがあたると、赤く腫れてくることがありますshock
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これを光接触性皮膚炎といいますconfident 下写真は、上から順に今年第1例目と第2例目の方です。
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同じようなところがやられましたねcoldsweats02
 
ですから、露光部はできる限り避けて貼ること。また、貼った所は1ヶ月以上は遮光する必要があります。
 
中には、1年後に再燃した方がいましたねcoldsweats02
 
モーラスを手足に貼っていませんか?気をつけてください。
 
詳しは、過去のブログを参照してください。
 
(院長)
 
danger6月3日(土曜)は、仙台(日本皮膚科学会総会)に出張のため全日休診です。
 
*基本的に1か月以上前より院内およびホームページで休診日をご案内しております。受診された方に対しては、さらに前より領収書に記載して会計時に受付より説明しております。6、7月は学会が多く、土曜日の臨時休診が多い為ご迷惑をおかけ致します。
 

2016年3月10日 (木)

超遅発型薬疹〜2年前以上内服している薬が原因に〜

今年の1月末頃、義父の体幹に皮疹が出現してきましたshock
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病理検査は薬疹の所見を認め、現在内服中の薬剤に対してDLST(リンパ球刺激試験、薬疹の原因をみつける検査)を行うと陽性が2剤ありました。

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2剤とも2年以上内服しています。そのうちの1剤は、何とビオフェルミンR(乳酸菌製剤)という整腸剤でしたcoldsweats02
 
実は、2年以上前から胃腸の状態が悪く、時々イレウス様症状を起こして入院していました。しかし、検査をしても原因不明でしたwobbly
 
それが、薬剤を中止した途端に皮疹の消退だけではなく、胃腸の状態も絶好調になりましたgood
 
私自身は、過去にもこのような超遅発型薬疹のケースを何度も経験しています。ずっと以前より内服してるから大丈夫というのは必ずしも当てはまりませんthink
 
(院長)
 
*もしかすると、以前から予兆の皮疹が出ていたかもしれません。皮膚科医としては、その予兆を見つけることもとても大切です。
過去のブログ;重症薬疹の前兆
  
 

2014年9月 9日 (火)

湿布薬と日光による皮膚炎

この前の日曜日は、久しぶりにボートダイビングship越前海岸シラグリというポイントに潜りましたhappy02
 
天候(曇り時々雨cloudrain)、透明度共にあまりよくありませんでしたが、ススズダイfishの大群に圧倒されましたhappy02さすがシラグリ
 
天候不良で、ダイビングはイマイチな夏cryingだったのですが、その分気温があがらず汗疹や汗からアトピー性皮膚炎が悪化する患者さんが少なかったのはよかったですねhappy01
 
もう一つ毎年恒例で、この時期に発症する湿布(モーラスなど)による光接触性皮膚炎極めて少なかったのが印象的でした。詳しくは、下記ブログを参照してください。
 
光接触性皮膚炎の過去のブログ:湿布薬「モーラス」による皮膚炎に注意
 
下写真のように、以前湿布貼ったところに日光sunが当たることによって出現します。
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下写真は、先日受診された別の患者さんです。かなり以前に湿布を貼っていて、本人は気づかれていませんでした。
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湿布を貼って1年以上後に、日光sunが当たって出現することもあります。よって、湿布が原因だと思っていない方が大勢おられます。
 
まだまだ、陽射しsunの強い日がありそうですので注意が必要ですねwink
 
(院長)
 

2013年10月15日 (火)

重症薬疹の前兆

ある患者さんの首に3年前より痣(あざ)があり、気になって当院を受診されました。さぁ、みなさんの診断は何でしょうか?happy01
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病理検査の結果は、予想通り薬疹(内服薬などの薬よる皮膚炎)を示唆していましたwink風邪薬などいくつかの薬剤をたまに服用されているそうです。
 
原因薬検索中に、たまたま風邪をひかれていつもの風邪薬を内服されたところ、首が赤くなったといって再診されました。痣に一致して紅斑(赤い斑)が出ています(下写真)。
 
よって風邪薬による固定薬疹と診断しましたhappy02同じ場所にいつも固定して出る薬疹なので、これを固定薬疹といいます。繰り返し起こることでシミになっていたのですねconfident
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皮膚科医としては、この薬疹を見つけることは、大きな意義があるのです。何故なら、この薬疹を繰り返しているうちに、致死的な重症薬疹に進展する可能性があるからですshock
 
つまり、この字が重症薬疹の予兆になるわけです(1,2)
 
先週、某病院でTEN(中毒性表皮壊死融解症)という重症薬疹の方が入院中であることを知りました。TENの中でも最も予後の悪いびまん性紅斑進展型というタイプでした。
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(日本皮膚科学会ホームページより引用)
 
この薬疹は、突然体の皮膚がずるりと剥脱することで発症しますshockあたかも重症の熱傷のようです。発症は一見予測不可能のように見えるのですが、多くの場合前兆があるのです(2)
 
この薬疹を何度も経験してる立場からいうと、発症1ヶ月以上前から血液中の好酸球が上昇を始め、しばしば経過途中に皮膚炎が出没することがあります。
 
この前兆の皮疹は、ステロイド外用剤で容易に改善したりするので質が悪いんです。この方もやはり同様の経過で、発症1ヶ月前に一時的に皮疹が出ていたようです。
 
さらには、もっと以前から原因不明とされていた皮疹がでていたかもしれませんね。たとえば虫さされと誤診されていたりしてshock
 
特にnonpigmenting form(痕を残さないタイプ)の固定薬疹は見逃され易いそうですからね(1)
 
 
さらに、最近話題の重症薬疹DIHS(薬剤過敏性症候群)にも前兆の皮疹がでることがあります。特に原因薬剤が、特有の形態の薬疹を呈する場合は見つけ易いです。confident
 
下写真の患者さんは、DIHS発症2週間前からこのような皮疹(下写真)が出現していました(3) 
Dihs
 
その他に、光線過敏症から突然DIHSなったケースも3例経験があります(4, 5) これらの皮疹が、DIHS発症に関わっているかどうかは不明ではありますが・・・。
 
とにかく、原因不明の皮膚炎がしつこく出現する場合は、薬疹を念頭に置いて経過を見る必要がありますwink
  
(参考文献)
①Shinohara T, MizukawaY: Dermatology 2002;205:103-4.
②大橋美友紀, 小西朝子, 西村陽一: 臨床皮膚科 2007;61(2):139-42.
③Nishimura Y, et al.: JAAD 2005;53(11):S231-3.
④Nishimura Y: Dermatology 2007;214(4):338-9.
⑤門田 匡史, 山本 洋介, 西村陽一: 日本皮膚科学会誌 2005;115(13), 2243-4.
 
 
(院長)
 
banana覚えのない痣(あざ)が、突然出現して持続するような場合は固定薬疹かもしれません。早めに皮膚科専門医を受診しましょうhappy01
 
apple他科のドクターと薬疹のことを話していると、「この薬剤は以前から内服しているから大丈夫」と言われることがありますが、その考え方は危険であることが今回の内容でわかると思います。
 

2013年5月15日 (水)

「モーラス」かぶれ

連休明から怒濤の外来が続いていましたが、今日は一休みですhappy01日中は、陽射しsunが強かったですね〜happy02
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ところで最近紫外線sunがつよくなり、「モーラス」などのケトプロフェン含有の湿布剤によるかぶれの患者さんが急増してきました。詳しくは、以前のブログ(http://clinic-n.mitelog.jp/blog/cat8099790/ )を参照してください。
 
下写真の方は、足からはじまり全身に皮疹が広がりましたshock足背から足首かけて長方形に湿布かぶれがあるでしょう。
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この湿布かぶれが厄介なのは、湿布を貼って数ヶ月以上たってから皮疹が出現することがあるという点です。
 
強い紫外線をあびて初めて出現する光接触性皮膚炎という特殊なかぶれのため、肌を露出する時期まで皮疹が出現しないからなんです。ですから、みなさん湿布を貼ったという記憶がないんですcoldsweats01
 
多くの患者さんが、「湿布など何も貼っていない!」と否定され、さらには「原因は何でしょうか?」と尋ねられるので困りますcoldsweats01ときには「食べ物でしょうか?」という質問もwobblyでも、こんなに四角くでていれば・・・coldsweats01 
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もっとも厄介なのは、半年以上あとに出てきたときです。形が不定形になっていて湿布かぶれと判断できないんですcrying下写真は、上写真の患者さんの1年後の再燃の皮疹です。もう湿布かぶれかどうかわからないでしょうwobbly
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ですから、これからの時期の露出部の湿疹は、モーラスなどによる湿布かぶれを絶えず念頭において診察をしていますconfident
 
では、下写真はどうでしょうか? 恐らくは、点線部分まで靴か靴下で覆われていて、日が当たっているところだけ皮疹が出てきたと思われます。
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この患者さんは、どうでしょうか?
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点線のように見えてきませんか?
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皮膚科医って、想像力が必要なんですよwink
 
露出部に突然変な皮疹が出現したときは、モーラスなどの湿布によるかぶれかもしれません。結構治りにくい皮疹ですので皮膚科専門医を受診しましょうhappy01
 
(院長)
 
*多くの患者さんが、家族などに処方された湿布を勝手に使用して起こっています。他人に処方された薬剤は安易に使用しないことが大切です。
 
スプロフェン(非ステロイド軟膏に含有)、オキシベンゾンオクトクリレン(サンスクリーンに含有の紫外線吸収剤)などとケトプロフェンは交差反応があり、モーラスなどにかぶれた方は、これらの使用で皮疹が出現することがあります。特にサンスクリーンの使用には注意が必要ですね。
 

2012年7月 6日 (金)

湿布薬「モーラス」による皮膚炎に注意sign01

昨年も記事にしましたが、5月頃からモーラスによる湿布かぶれが急増していますshock


モーラスを貼った部分に日光sunが当たるとこのようにがぶれがでますcrying

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これは、湿布の主成分(ケトプロフェンなど)による薬剤性光線過敏症です。


露光部に湿布をはったら、紫外線sunに気を付けましょうhappy02


貼って数ヶ月後に日光sunをあびても出現することがありますthink


昨年受診された方が、今年もこの皮膚炎で受診されましたcoldsweats02昨年8月から湿布は貼っていなかったそうです。
(写真:昨年8月)
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今年の春先から当院受診時までに何度か発症していたようですshock 手首が軽症なのは、昨年当院で処方をした薬(デルモベート軟膏)を塗っていたからだそうです。(写真:今年6月)
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なんと1年近く経過してもでてくるなんて驚きcoldsweats02でしたが、そんな報告も過去にはあるのですねthink


とにかくモーラスは露光部には貼らないように気を付けてくださいsign03


ところで余談ですが、昨年もモーラスのかぶれの記事で一緒にとりあげた薬剤過敏性症候群(drug-induced hypersensitivity syndrome:DIHS)の話題です。


昨年同様また薬剤過敏性症候群の患者さんがこの時期に福井日赤に入院して来たそうです。


薬剤過敏性症候群というのは、ウイルス感染薬疹が混在した特殊な病態を持つめずらしい重症薬疹です②③


僕が経験した薬剤過敏性症候群は全て5月〜7月に起こっていて、紫外線sunと関係があるんじゃないかと疑っているんですけどねcoldsweats01④⑤


今年もモーラスの話題と時期を同じくしてというのは偶然なのでしょうか?wink 


(参考文献)
①Albès B, et al.: Dermatology 2000; 201:171-4.
②Suzuki Y, et al.: Arch Dermatol. 1998; 134(9):1108-12.
③Nishimura Y, et al.: J Am Acad Dermatol. 2005; 53(11):S231-3.
④Nishimura Y: Dermatology. 2007; 214(4):338-9.
⑤西村 陽一ら:日本皮膚科学会誌 2005; 115(13), 2243-4.

(院長)

〠918-8105 福井県福井市木田3丁目2605 
にしむら皮フ科クリニックのホームページ

2011年8月22日 (月)

湿布薬「モーラス」による皮膚炎

以前、当ブログ「紫外線と薬剤(特に湿布)」でも紹介した湿布薬「モーラステープ」による皮膚炎の方が連日来院されています。

この皮膚炎は、湿布を貼ったところに紫外線sunが当たって発症します。

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湿布の主成分(ケトプロフェンなど)による薬剤性光線過敏症です。

基本的に、四肢などの露出するところへの湿布の使用は控えてください。どうしても貼りたい場合は、遮光をしてください。貼って数ヶ月後に日光をあびても出現することがあります。

他の湿布薬でも起こる可能性はありますが、モーラスによるものが圧倒的に多いですねcoldsweats01 注意してください。

(院長)

2011年5月23日 (月)

紫外線と薬剤(特に湿布)

紫外線impactが急激につよくなるこの時期は、光線過敏症(紫外線などの光線でできる皮膚炎)の患者さんが増える季節です。

特に、湿布薬による光線過敏症が急増しています。注意してください。

写真は最近来られた患者さんですが、右手首にモーラスという湿布を貼っていたところが突然かぶれだしたそうですshock
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腰に貼っていたところは問題ないらしい。なぜ? 実は、湿布を貼ったところに紫外線があたるとかぶれが生じ易いのですshock これは、湿布の主成分(ケトプロフェンなど)による薬剤性光線過敏症です。露光部に湿布をはったら、紫外線impactに気を付けましょう。貼って数ヶ月後に日光をあびても出現することがあります。


ところで話は変わりますが、先週福井日赤のカンファレンスに出席して、めずらしい重症薬疹である薬剤過敏性症候群(drug-induced hypersensitivity syndrome:DIHS)が発生したらしいとのことでした。この時期にDIHSの発症が多い気がしますthink ぼくが今までに経験したDIHSの患者さんは、紫外線impactが強い時期に発症しています。偶然でしょうか?

で、昔(といっても2007年)DIHSの発症に紫外線impactが関与している(かも)という内容をDermatology(ヨーロッパの医学雑誌)に投稿したことがありますが、紫外線impactとの関係については、その後の報告はないようですねweep
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(院長)

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