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2011年1月 5日 (水)

グロームス腫瘍〜ちょっとめずらしいできもの〜

年に2〜3人位こんな爪をした方が来られます。診断は何でしょう? 皮膚科専門医の方は常識ですねsmile 爪の縦割れの変形と爪の根元(後爪郭)のふくらみ。診断は「グロームス腫瘍」です。
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専門医だと速診断できるんですが、大抵の方はあちこちで診断がつかずに来られます。最初は無症状ですので経過をみますが、いずれ激痛となりますweep 痛みがでれば手術しましょうと言っていますhappy01 で、昨年末に手術となりました。手術は診断がつけば極めて簡単ですscissors 膨らんでいるところの爪に四角形の窓をあけて、爪床を割くと、淡いピンク色の腫瘍が顔を出しました。
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骨膜剥離子で周囲組織から剥がします。ポイントはつぶさずにきれいに取り出すことです。慣れると簡単なんですが、わりと初心者には難しいですねcoldsweats01 Img_4766
 
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爪床と後爪郭を縫って手術終了。手術時間は約20分、麻酔は指ブロックでした。 Img_4770
 
皮膚科医にとって最も重要なのは、とったものの組織像をみることです。悪性か良性かの判断も皮膚科医がします。病理医にお任せではいけませんng この組織は典型的なグロームス腫瘍ですね。良性です。爪からの悪性グロームス腫瘍は極めてまれですけどね。 _21_2 _22_2
 
カルテの病理所見には、Pathological pictures show sheets of monomorphic round cells with eosinophilic cytoplasm and edematous stroma with mucoid change. The tumor cells are distributed around open vascular lumens. No cytologic atypia is present. These findings indicate a diagnosis of solid glomus tumor.と記載しました。
 
診断から、手術、病理検査まで一貫して一人の医師が受け持てるのが、皮膚科医(皮膚外科医)の醍醐味ですねhappy02 本日この患者さんが受診されました。術後経過は良好です。爪が元通りになるにはもう数ヶ月かかりますねhappy01 (院長) *写真は本人の掲載許可を得ています。 *原因は不明ですが、多くの患者さんが指を詰めたなどの外傷を契機として発生したと言われます。機械的な刺激が、腫瘍増殖に関わっているのでしょうか?
 
(院長)

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