白斑(しろなまず)の新しい治療 〜1mm ミニグラフト療法〜
前回は、尋常性白斑のエキシマライト光線療法を紹介しました。
(下写真は、エキシマライト照射装置VTRAC)
現在の成績は、3ヶ月以上治療を行った方が25名おられ、75%以上の色素回復(excellent) が見られる方が4割弱程度、50%以上の色素回復(good) の方を含めると6割程度になります。完治した方は2名おられます。しかし、後少しで完治という段階からがなかなか改善しません
それで、新しい治療法を導入することにしました。それが、1mmミニグラフト療法です。2008年に名古屋市立大学が日本皮膚科学会誌に発表した治療法です。
下腹部から1mmの皮膚を何個かとって白斑部分に移植します。1mmですから、採皮部も植皮部も傷が残りにくいのが最大の利点です。要するにリスクが少ないということです
(加藤祐史ら: MB Derma, 172:17-22, 2010.)
うまくいけば、このように植皮部から徐々に色素が再生して広がっていきます。
(加藤祐史ら: MB Derma, 172:17-22, 2010.)
本日、その手術を行いました。写真は白斑部分に1mmの皮膚を植皮したところです。手術は30分程度で終了しました。うまくいってくれることを願います
この治療法が成功すれば、今後当院での白斑治療がさらに充実すると考えています。同様の多数の患者さんにも朗報になると思います 当院での初めての治療であるにもかかわらず、こころよく治療を応けいただいた患者さんに感謝いたします 経過を随時報告していきたいと思います。
(院長)