湿布薬「モーラス」による皮膚炎に注意
昨年も記事にしましたが、5月頃からモーラスによる湿布かぶれが急増しています
モーラスを貼った部分に日光が当たるとこのようにがぶれがでます
これは、湿布の主成分(ケトプロフェンなど)による薬剤性光線過敏症です。
露光部に湿布をはったら、紫外線に気を付けましょう
貼って数ヶ月後に日光をあびても出現することがあります
昨年受診された方が、今年もこの皮膚炎で受診されました昨年8月から湿布は貼っていなかったそうです。
(写真:昨年8月)
今年の春先から当院受診時までに何度か発症していたようです 手首が軽症なのは、昨年当院で処方をした薬(デルモベート軟膏)を塗っていたからだそうです。(写真:今年6月)
なんと1年近く経過してもでてくるなんて驚きでしたが、そんな報告も過去にはあるのですね①
とにかくモーラスは露光部には貼らないように気を付けてください
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ところで余談ですが、昨年もモーラスのかぶれの記事で一緒にとりあげた薬剤過敏性症候群(drug-induced hypersensitivity syndrome:DIHS)の話題です。
昨年同様また薬剤過敏性症候群の患者さんがこの時期に福井日赤に入院して来たそうです。
薬剤過敏性症候群というのは、ウイルス感染と薬疹が混在した特殊な病態を持つめずらしい重症薬疹です②③
僕が経験した薬剤過敏性症候群は全て5月〜7月に起こっていて、紫外線と関係があるんじゃないかと疑っているんですけどね④⑤
今年もモーラスの話題と時期を同じくしてというのは偶然なのでしょうか?
(参考文献)
①Albès B, et al.: Dermatology 2000; 201:171-4.
②Suzuki Y, et al.: Arch Dermatol. 1998; 134(9):1108-12.
③Nishimura Y, et al.: J Am Acad Dermatol. 2005; 53(11):S231-3.
④Nishimura Y: Dermatology. 2007; 214(4):338-9.
⑤西村 陽一ら:日本皮膚科学会誌 2005; 115(13), 2243-4.
(院長)