粉瘤腫(表皮のう腫)の炎症症状
クリニック入口にある紅葉が、青々と生い茂っています夏も近いなぁ
ところでここ最近、粉瘤腫(ふんりゅうしゅ、表皮のう腫)の患者さんが増えています
多くの場合、赤く腫れて痛みを訴えられます。
まだ波動(プニョプニョした感じ)が触れずに赤く腫れているだけの場合は、とりあえず痛み止めと抗生物質で様子をみることが多いですね
しかし、大概うまくいかずに悪化していきます
この赤く腫れている部分をエコー(下写真)で見ると、囊腫(粉瘤腫の袋、黄色い点線)の一部が破れて内容物が飛び出し炎症を起こしているのが分かります(赤矢印→)。
赤く腫れている原因は、この飛び出した内容物による異物反応なのです。
では、この異物反応を簡単に素早く治療するにはどうすれば良いでしょうか?
切開排膿(切って膿を出す)をしたり、手術で嚢腫を摘出したりするのも1つの治療選択肢です。でも、簡単にとはいきませんが・・
もう一つの選択肢は、破れた箇所に少量の抗炎症剤を注射する方法です。
下写真は、この患者さんの注射後3日目です。発赤腫脹の改善とともに痛みは無くなったそうです
多くのケースでは、翌日には炎症症状(発赤腫脹)が改善します。
その後は様子を見るなり、切除するなり等、治療方針を患者さんと相談します。
海外では、炎症除去にはこの注射が常識のようです。
この他にも治療のオプションは色々あります。粉瘤腫でお困りの方は、ご相談下さい。
(院長)
*すでに重症のため注射で治療できないケースもあります。特に、二次感染(細菌感染)を起こしている場合は手術が必要です。