ニキビ治療の動画完成(過酸化ベンゾイル製剤の正しい塗り方など)
昨年から何度かざ瘡(にきび)治療の専門家が集まって、にきび治療の解説動画を作成してきました。
過去のブログ:にきび治療動画の作成会議
ようやくその動画が出来上がりました。まだ正式発表ではないため、ポスターにモザイクをかけています
今後、にきびの患者さんが自由にWebで動画をみることができます
とにかくエビデンスに基づいて厳密に作成されていますので、裏技的なニッチな話はありません
ただし、過酸化ベンゾイル製剤(ベピオなど)に関しては、かなり私のこだわりを採用していただきました
過酸化ベンゾイル製剤は、最初から病変部以外のところも含めて顔全体に面で塗るのが正しい塗り方です。
私は面塗りと呼んでいます。病変部のみに点で塗るのは、点塗りですね。
にきびを治すためには、微小面ぽう(目に見えないにきびの元)を治療する必要があります。
でないと、微小面ぽうから次々ににきびが発症してよくなりません。これをにきびループっていうんです
こんなCM昔ありましたよね。
ですから、モグラ叩きにならないように面で塗る必要があります。
そして、外用量を調節(通常量の1/8〜1/1)することで、皮膚刺激症状(ヒリヒリ、カサカサ)などの副作用をコントロールします。
点塗りでは、外用量の調節ができないため、病変部に高用量(単位面積当たり)の薬剤が付く可能性があります。
従って、刺激が強くなり、感作もし易くなります。要するにかぶれ易くなります
また、微小面ぽうへの効果がなく、にきびの再燃を防げません
面塗りにすると、副作用が多くなると勘違いされている方が居られますが、そんなことはありません。
当院では、「面塗り+外用量の調節」を採用してから、過酸化ベンゾイル製剤の副作用はほとんどなくなりました
この動画は患者さん向けですが、医師向けにWEB講演を4月11日に行う予定です。
そこでは、もっとニッチなお話をするつもりです
(院長)
*抗生物質外用に慣れている患者さんは面塗りを意外に思われる方が多いので、面塗りをする理由を解説しました。
*動画のシオノギ製薬は、現在ニキビ治療の分野から撤退しています。