アトピー治療のプロアクティブ療法で大切なところ
当院のアトピー性皮膚炎(以下アトピー)治療は、
プロアクティブ療法を中心に行っています。
この治療法は、今のところ、
外用療法単独で完全寛解(ほぼ治癒した状態)に
導ける唯一の方法だと思っています。
下図の様に、外用(ピンク)をしっかり塗って(step1,2)、
remission(寛解;皮疹がない状態)を得て、
外用頻度を徐々に減らしていく(漸減;step3)方法です[1]
特に大切なのが、寛解導入・維持(Step 1,2)です。
この時期に、しっかり外用して
皮疹がほとんどない状態にする必要があります
ここをいい加減にすると治療が全く進みません
この時期は、外用剤のレベル、量、頻度、塗布部位を
かなり正確にまもってもらう必要があります。
特に小児は、1日の塗布量を秤(はかり)で計ってもらっているくらいですから。
それぐらい厳密な治療なのです(tight control)
昨日も、完全寛解に達し治療終了となった方が何人かおられました
その一歩手前の1〜2週間に1回外用で
アトピー症状なしという患者さんも大勢います
特に子供は、母親がしっかり管理してくれているので、概ねうまくいきます。
ただ、かなりルーズで
step1を何度もやり直しになる方もいますけどね
とにかく、プロアクティブ療法は最初が肝心なのです。
(参考文献)
[1] Kataoka Y:Dermatology Today 2021; 41:4-11
(院長)