アトピー性皮膚炎(以下アトピー)の治療薬は、
下図のようにまとめられます。
全身性の副作用が少なく、
寛解維持まで使用できる薬剤や治療法が理想です
ですから
経口ステロイド(飲み薬)は最悪の選択となります
しかし、最近報告された日本国内の調査によると、
3割弱のアトピー患者さんが、
初診から
経口ステロイドを投与されていました[1]
患者さんも、塗り薬のステロイドは気にするのに、
飲み薬や注射のステロイドは気にしない方が多いです
ステロイドの危険性は、
注射>経口(飲み薬)>>>・・>>塗り薬(TCS)
ぐらいの感じです
飲み薬ではなく塗り薬で治療していくのが
正しいアトピー治療です。
プロアクティブ療法で計画的に外用治療すれば
小児なら90%以上、大人でも70%は
副作用なく寛解できます。
残りの方も、デュピクセントで
ほぼ100%安全に寛解できます。
エキシマやナローバンドUVBなどの紫外線療法も
安全で有効な治療法です。
ただ最近は、通院せずに即効性のみを求める患者さんが多く、
経口ステロイドが流行る一因になっていると思います
しかし早晩、副作用や難治化から行き詰まります
ですから、
エビデンスに基づいた地道な治療が結局は近道なのです
(参考文献)
[1] Igarashi A, Fujita H, Arima K, et al. J Dermatol. 2019;46(8):652–661.
(院長)
来週水曜日に
アトピー性皮膚炎治療の全国WEB講演をします。
新しいガイドラインのお話し、プロアクティブ療法の詳細、デュピクセントの導入方法など多岐にわたってお話しする予定です。