アトピーは治る!〜パート2〜
前回は、アトピー性皮膚炎の大部分の方が自然に治る話をしました。
自然に治るといっても数年〜十数年とかなり長い年月ですが、実は私も治った一人です。
大学卒業くらいには全く出なくなり、46歳の今まで再発はありません
ここまでは前回のお話。
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さて今回は、治療法についてのお話です。治療法は実に単純です
アトピー性皮膚炎治療ガイドライン通りに行うそれだけです海外のガイドラインとも大差はありせん。
ポイントは2つ。
①症状の鎮静には、ステロイドとタクロリムスを使用。皮疹にあわせてステロイドのランクを決定する。
②保湿剤をしっかり外用する。
①:これが、非常に大切です。有名な皮膚科学という教科書には、『外用剤(塗り薬)の選択は、皮疹の性状によって決まる。従って経過に応じて変えていかなければならない』と記載されています。同じ薬をいつまでも塗っていませんか? よくなれば、より弱いランクへ、そして保湿剤のみへと変更します。決して突然止めてはいけません。このランクの選択とそのタイミングが、皮膚科専門医の腕の見せどころです
②保湿剤は薄くぬっては意味がありません。たっぷりと塗る。入浴後5分以内が効果的 すると非常にコントロールがよくなります 私は、機会があるごとに外用指導(1FTU)をします。1FTUは、ステロイドやタクロリムスも同じです。
(下図は1FTUの解説)
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アレルゲンである卵や小麦粉などの食事制限は?と思われた方もおられると思いますが、今はむしろ否定的です。食事制限でアトピー性皮膚炎が治るわけではありません。食物アレルギーとアトピー性皮膚炎は別物です。
最後にガイドラインには大切なことが書かれています。
『一般に慢性に経過するも、適切な治療により症状がコントロールされた状態に維持されると、自然寛解も期待される。』
ですから、自然に治るためには、肌をよい状態に保っておくことが必要ですよということです。
私がいままで見てきて、アトピー性皮膚炎が治らない方はある共通点があると思います
①重症で、IgEが高値の方。府立医大の加藤教授は>5000IU/mL以上は難治といっています。
②ステロイドを極端に嫌い、民間療法にはしってぼろぼろのお肌になっている人 たまに急激に悪くなって入院される方も多いですね。でも、懲りずに民間療法に戻られます
①はともかく、②は自然寛解の機会を逸しているのではないかと考えています
今回はちょっと難しい話になってしまいましたね
治療は極めて単純明快です。アトピー治療などに労力を奪われることなく、人生を楽しんでください
(院長)
*ときどき、ステロイドを塗ると肌が黒くなるのではと心配される方がおられます。これは、10年以上前に間違いであると否定されています。ステロイドはメラニン産生を抑えるため、むしろ白くなるのが常識です。
*ノラはまだ見つからないです 背中に白ぶちのよも猫を見つけられましたらご連絡ください。
連絡先:090-6973-9516(西村)