円形脱毛症の新しい治療3
円形脱毛症で最も治療が困難なのは、6ヶ月以上も発毛していない全頭型(頭全体の脱毛)や蛇行型(側頭部〜後頭部の生え際あたりの蛇行している脱毛)ですね
これらを治してこそ脱毛症の専門医といえるでしょう(なかなか難しい症例もありますが)
ガイドラインは局所免疫療法を第一選択にしています。これは、SADBEやDCPCといった自然界にはない物質で脱毛部をかぶれさせて、局所の免疫変調を来たすことで発毛させる方法です。
下の写真では、脱毛部の真ん中にちょろっと毛が生えているのがわかります? そこだけ高濃度(1%)のSADBEを塗布しているんです。そこだけ髪の毛が生えていますね。すごいでしょ
この治療法は新しくはありませんが、その機序が積極的に研究されてきています。この病気は、膠原病同様に制御性T細胞の減少による免疫細胞の暴走が病態にかかわっているようです。この治療法は局所で制御性T細胞を増加させるようですね。
私自身がもっともいま注目している治療法は、エキシマライト光線療法です。局所免疫療法を拒否された方や、効果がなかった方を中心におこなっています。詳しくは円形脱毛症の新しい治療1と2を参照。
制御性T細胞の減少から暴走した免疫細胞を、この治療法は死滅(アポトーシス)に導くようです。ということは根治療法になるかもしれないというこです。すごいことです
前回登場していただいた全頭型脱毛症の患者さんのその後の経過をのせておきますね
写真上:8/3、写真中:10/5、写真下:11/2
蛇行性脱毛部がしつこく残っていましたが、かなり改善してきましたね エキシマライトいいですね〜
写真上:8/3、写真中:10/5、写真下:11/2
円形脱毛症は、1〜2個程度の早期に放置され、多発拡大してから受診されることが多い疾患です。治療は早ければ早いほど結果は良好です。放置せずに早期に皮膚科専門医に受診されることをお勧めします。
(院長)
*エキシマライト光線療法は、現在福井県では当院のみが行っています。