イボ治療の極意
今回は、イボ(いぼ、疣、尋常性疣贅)治療のお話です。手足にこういったイボが増えてくると困りますよね
動画によると、英国人の10%はイボをもっているらしいですhighly contagious(ものすごく人にうつり易い)なので治療しましょうよと。
最後にUltimately it's up to you to stop the spread of warts(イボを広げるかどうかは結局本人次第なのです)と締めくくっています。みなさん!人にうつす前に治しましょうね
で、そのイボ治療なんですが、見た目は簡単そうなんですが、ものすご〜く奥が深いんですよ私が思うイボ治療の要点は、下に示す①〜⑤の5点です。
①冷凍療法前にきれいに角質を除去すること。
これは凄く大切です。④の自宅治療がしっかりしてあると、きれいにそれほど痛くなく除去できます。
下写真のように、角質を除去をしてイボ本体をむき出しにすると非常に治療が良く効きます
角質は熱伝導率が低く(断熱性が高く)、そのまま冷凍してもイボには十分に届きません。また角質除去は、次に述べるイボの確認にも大切です。
②イボの残存をダーモスコピーで確認する。
イボを肉眼で確認するだけでは、残存したイボを見逃してしまいます。ダーモスコピーという特殊な拡大鏡(下写真)で確認する必要があります。
冷凍療法がうまくイボにあたっているかもこれで確認します。
下写真(イボのダーモスコピー所見)の→くらいの大きさなら何とか肉眼でみえますが、→ならどうでしょう。角質をむいてダーモスコピーでみるとイボがよく見えるでしょう
③スプレー法でキッチリ冷凍すること
以前は、綿球法(液体窒素を綿球につけて患部に当てる方法)でもスプレー法(下動画)でも同じと考えていましたが、使用してみると違いがわかります。
当院を真似て、現在福井日赤ではスプレー法ですが、もう綿球法にはもどれないと言っています
④自宅治療用の塗り薬が3種類あります。イボの大きさ、年齢などに合わせて処方しています。冷凍療法ができない小さな子供はこの塗り薬だけでも結構治ります
⑤一度液体窒素冷凍療法を開始したら、通院頻度は1週間に1回が最適です。3週間以上の通院間隔では、いつまで経っても改善しませんね
逆に1ヶ月以上あけると大きくなったり、数が増えてくるので要注意です
以上、典型的なイボ治療である液体窒素冷凍療法を披露しました。その他特殊な治療法が多数あります。
最初の手の写真のイボの患者さんは、イボに対する免疫を増強させる特殊治療で下写真のように完治しました
イボ治療って、奥が深いでしょイボで悩まれている方、受診してくださいね Up to you!
(院長)
以上の内容は、私が考える重要点ですので、他院の先生方の冷凍療法を批判するものではありません。私の恩師などは、「綿球で強力に冷凍するコツがあるのだ!」 と仰ってたりしますので、各先生方の独自の考えやコツがありますから。
現在以下の休診を予定しています。ご注意ください。
11/16(土)京都アクネフォーラムで講演のため午後の予約診察(特殊治療)のみ休診です。午前診療は通常通り行います。
12/14(土)第433回 日本皮膚科学会京滋地方会に出席(発表予定)のため全日休診です。
12/21(土)臨時休診