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2015年8月16日 (日)

陥入爪(かんにゅうそう)の治療は、できるかぎり保存的に

最近、変な爪になってきたので診てほしいと受診された患者さんがおられました。
 
確かに、色も形も変です(下写真)。もしやと問診してみると、やはり昔、陥入爪(かんにゅうそう)の手術(詳細不明)を受けていました。
Img_1986
 
陥入爪というのは、爪が皮膚に食い込んで感染や痛みを引き起こす病気です。
陥入爪の過去のブログ;陥入爪
 
この方が治療を受けていた10年以上も前は、このような合併症は知られていませんでした。
 
しかし最近、このような合併症が何年も後になって出現することわかってきました。ただし、一旦発症すると治すことはできませんshock
 
ですから最近では、できるかぎり手術をさけて保存的に治療することが推奨されてきています。
 
たとえば、下写真のような患者さんも昔は当然のように手術が行われていました。爪左側が病変です。現在は保存的治療が優先します。
Img_2216
 
当院の保存的治療は、新開発の人工爪(前述の過去のブログ参照)です。装着は、1分足らずです。最近では、午前中だけでも100人前後の患者さんが受診されていますので、装着に何分もかけていられませんcoldsweats01
Img_2217
 
3週間後です。腫れも痛みも引いて、陥入している原因の部分(←)が目視できるようになっています。この部分が皮膚に突き刺さっていたのですねshock
Img_3172
 
何故この矢印の部分ができたかというと、爪きりの失敗によるものです(それだけが原因ではありませんが・・)。正しい爪の切り方を指導する必要がありますねhappy01
 
以上のように、陥入爪の手術は最後の手段です。ですが、どうしても手術しなくては改善しない方もおられます。
 
当院では、合併症を引き起こさないように工夫をして手術を行っています[1] 最近では、その工夫をさらに進化させていますが、その点についてはまたの機会に述べたいと思います。
 
 
(参考文献)
[1]西村陽一:皮膚科基本手技・小手術ハンドブック 陥入爪ーフェノール法
 
(院長)
 
*新開発の人工爪治療は、過去に2度学会発表しています。自分でいうのもなんですが、なかなか優れた治療ですよ。限られた時間内で述べる学会発表では、細かなテクニックはほとんど伝えられていません。そろそろ論文にしてすべてを公開すべきか?悩んでいるところです。
 
 
 

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