ざ瘡(にきび)治療の目的
にきび治療の最大の目的は、瘢痕(はんこん)を残さずにきれいに治すということです。
瘢痕とは、下写真のようなにきび跡のことです。瘢痕を確実に治す方法は、現在のところありません。ですから予防が大切です(以下に説明)
写真の枠Bのような重症の瘢痕になる方は少ないですが、枠A(下写真)のような小さな瘢痕(ミニスカー)は日常的にみられます。
発症から3ヶ月で、にきびの10%程度が瘢痕(治らないにきび跡)を起こしているという報告があります
さらに最近の報告によると、にきびの外来患者さんの90.8%が既にミニスカーを持っているということです
にきびが少し良くなるとしばらく受診せず、悪化してから受診される方が結構おられますが、そういった方々は年々瘢痕が増えています
一度にきびが治っても、瘢痕予防のために良い状態を維持する必要があります。これを維持療法といい、新しいガイドラインでもこれを強く推奨しています。
にきびは慢性炎症性疾患であり、繰り返し出現してきますが、後に瘢痕で悩まないように根気良く治療を継続する必要があります
(院長)
*にきび跡には、まだ炎症が燻っている赤いにきび跡(post-inflammatory erythema)と、前述した瘢痕はがあります。前者は根気良い維持療法やダイレーザーなどで治療可能ですが、後者の治療はかなり難しい。現在のところは、完治はほぼ不可能と考えてよいでしょう。