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2017年11月24日 (金)

粉瘤腫(ふんりゅうしゅ)の超音波検査

粉瘤腫(アテローム)は、皮膚の下の袋状の構造物(嚢腫)で、中に垢(角質)が溜まってくる腫瘍です。表皮嚢腫ともいいます。
 
皮膚科診療の中では、最も頻回に遭遇する良性の皮下腫瘍です。
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診断には、超音波検査(以下エコー)が最も役立ちますhappy02というか、エコーがなくては正しい診断も治療もできません。
 
当院では、最新型のエコーVenue50を使用して診断をしています。
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 (写真はGEのホームページより)
 
典型的なエコー所見は、下写真のように皮膚との接触部位(dermal attachment:⇧⇧))を有し、底面後方エコーの増強()および側方エコーと呼ばれる低エコー領域(⇧)を両端に認めるなどです。
 
腫瘍内部は不均一な軽度高エコーを示すことが多く、dermal attachmentのところに開口部(outlet or punctum)が認められれば、まず粉瘤腫で間違いありません。
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このような炎症を起こしていない粉瘤腫は、くりぬき(へそぬき)術が術創も小さくて良い適応になります。
 
くりぬき術の過去のブログ:http://clinic-n.mitelog.jp/blog/cat7571583/
 
下写真の患者さんは6cm以上の腫瘍でしたが、くり抜き術で4mmのキズ(創部)から腫瘍(嚢腫)を取り出しましたhappy02この程度の傷口だと数ヶ月後にはほとんどわからなくなりますねwink
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この粉瘤腫が、真っ赤に腫れて炎症を起こしたものを炎症性粉瘤腫(下写真)と言います。
 
エコー像では、本来の腫瘍部位(⇧)を飛び越えて、膿が貯留して拡大し、境界が不鮮明になっています(⇧⇧)。この部分が破れたんですねcoldsweats01
Photo_2
 
下写真の患者さんもかなり腫れています。エコーでは、嚢腫が一部変形して不鮮明になっています(⇧)。その周辺では、内容物が漏れて炎症を起こし高エコー域が拡大しています(⇧⇧)。
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以上のように、炎症性粉瘤腫は細菌感染ではなく、皮内に漏れた内容物による炎症です。
 
すでに袋は破けており、後に癒着も起こしてくるため、くりぬき術はできません。感染ではないので抗生剤の内服はほとんど効果がありませんcrying
 
この内容物が漏れた箇所に、極少量の抗炎症剤secretを的確に注入すると、たちどころに炎症が治りますgood
 
 
さらに粉瘤腫は、腫瘍内部に血流を認めません。下写真は、左右で異なる患者さんですが、両者とも病変部の血流が豊富です。この患者さん達のしこりは、嚢胞性ざ瘡(にきび)でした。
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(カラードプラ)
  
顔面の嚢胞性ざ瘡は、よく粉瘤腫と間違われるので注意が必要ですcoldsweats01ですからエコー検査は必須ですね。特に顔面では。
 
粉瘤腫だけではなく、あらゆる皮膚のしこりをエコーで診断しています。
 
最近皮膚のしこりができて気になる方は、是非受診してくださいhappy01
  
(院長)
 

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