巨大化膿性肉芽腫への結紮冷凍療法
化膿性肉芽腫とは毛細血管拡張性肉芽腫のことです。
かなり久々にこの話題に触れたいと思います。
陥入爪という巻き爪と似た疾患があり、これには化膿性肉芽腫(⬆︎)がしばしば伴います。原因は、ほとんどが爪の切りすぎです
巻き爪と陥入爪の違い(過去のブログ):http://clinic-n.mitelog.jp/blog/2014/12/post-db79.html
最近、こんな巨大なのに出会いました なかなか凄いでしょ。さぁ、どうやって治しましょうか
当院では、化膿性肉芽腫(毛細血管拡張性肉芽腫)には、もちろん結紮術(腫瘍茎を糸で結ぶ方法)です[1, 2]
結紮術の過去のブログ:http://clinic-n.mitelog.jp/blog/cat7779461/
この症例は、この結紮術の改良型である結紮冷凍療法で治療しました。この方法はすでに学会発表済みです[3]
下写真のように、結紮術後すぐに冷凍療法(スプレーで液体窒素を吹けつける方法)を行いました。カチンコチンに冷凍され、1週間後にはポロっと取れました
爪幅は、部分抜爪してあるだけですから、いずれ元に戻ります。
過去にも同様の症例(下写真)を経験しています。これは、10年以上前の症例ですね。
この頃は結紮術のみでしたので、これぐらい巨大だと何度も結紮し直さなればなりませんでした
結紮術の成功率を上げ、治療回数を半減することができるのが結紮冷凍療法です
(参考文献)
① Nishimura Y :J Dermatol. 2004 ; 31(8) : 699-700.
② 西村陽一:皮膚の科学 2008 ; 5(6): 440-444.
② 西村陽一:皮膚の科学 2008 ; 5(6): 440-444.
③ 西村陽一:第443回 日本皮膚科学会京滋支部学術大会
(院長)
年末年始の休診日は、12月29日(金)〜1月4日(金)です。