難治性白斑に対する三位一体療法
尋常性白斑とは、皮膚の基底層に分布する色素細胞(メラノサイト)が何らかの原因で減少・消失する後天性の病気です。
要するに、白抜けした皮膚が全身どこにでもできる病気です
尋常性白斑に最も効果的な治療は、エキシマライト紫外線療法です。
しかし、これだけでは治療困難なケースもあります。
今回は、そんな難しい症例に対するエキシマライトへの併用療法のお話です。
下図①〜③の3つの併用療法があり、これらを巧みに組み合わせて治療を行います。
最初の写真の患者さんは、3年ほど他院でエキシマライト療法を行われていましたが、効果がなく当院に来られました。
こういったケースでは、エキシマライトにナローバンドUVBを同時に照射すると効果的です。
下写真では、この同時照射によって白斑が縮小しています。
さらに縮小速度を上げるために、植皮術と同時照射の併用で一気に攻めます。
そしてさらに、植皮片を伸展させるためにフラクショナルレーザーと同時照射を併用します。かなり白斑が縮小しましたね。
最後に植皮術と同時照射の併用療法で最終段階に向かいます。
以上の様に治療抵抗性の症例には、3つの併用療法を巧みに組み合わせます(自称三位一体療法)。
しかし、ここまで治療を行うには、患者さんの協力と治そうと思う強い意志が必要です。
今回は、これからこの治療を受けようとする方々への参考のために詳しく書きました。
また、同じ病気で悩んでいる方のためにと写真掲載に快く承諾して下さった当患者さんに深く感謝を致します。
*本文中の各治療法の詳細は下記ブログを参考にして下さい。
(院長)