アトピー性皮膚炎のプロアクティブ療法の秘訣?
下写真の患者さんは、アトピー性皮膚炎のプロアクティブ療法中です。
週2回の外用をしています。皮疹は全くありません。
一体どこに外用剤を塗っているのでしょうか? わかります?
ちなみに、外用を止めると1週間位であちこちに皮疹が出てきます
先日、ある学会のアトピー性皮膚炎治療のセッションで、
御高名な大学教授が、講演の中で次のように述べていました。
『プロアクティブ療法の秘訣は、外用剤を皮疹のないところも含めてほぼ全身に塗るんです』
あ、当たり前やん
でも当たり前ではないらしい。そうしていない医師が多いらしい
一見正常に見えるsubclinicalな炎症を抑える治療がプロアクティブ療法なのですから。
見える皮疹だけ塗ってたらダメでしょう
それに、今見えている皮疹も消えたり出たり、移動したりしますからね。
特に小児は。
そして寛解導入後に、外用剤のレベル、1日量、外用頻度を適切に判断して漸減して行くのです
ここは、皮膚科医の腕の見せ所です
以上の徹底した管理がプロアクティブ療法なのです。
子供は、母親がしっかり管理してくれるので、この治療がほぼ全員可能です。
7〜10日に1回で皮疹がなければ、保湿剤のみで経過を見ます。完全寛解ですね。
多くの患者さんがここに到達できます
『お母さんが見て、悪いところだけに塗って下さい』とか、
『薬が無くなって調子が悪くなったら来て下さい』はダメなのです
それは、プロアクティブ療法ではありません。
(院長)
*適切なプロアクティブ療法は、アトピー性皮膚炎の予後を改善し、食物アレルギーの発症を防ぎます。
*以上の内容は、プロアクティブ療法を行っていない方には当てはまりません。当院では、小児は原則プロアクティブ療法を行っています。