円形脱毛症の早期治療の大切さ
円形脱毛症は、国内推定患者数が126〜253万人と非常に多い疾患です。
下図のように、患者数の多い他疾患と比べても断トツです
多くは脱毛箇所が1〜2個程度の軽症で、自然に改善するものも多い。
なので、皆さん油断するのです
しかし重症化するときは、あっという間です
その時点ですでに、発症から数ヶ月経過してしまっていることが多いのです
(重症の多発性円形脱毛症)
知っておかなければいけないのは、
円形脱毛症には手遅れがあるということです
特に重症ほど、時間が問題です
発症から早ければ早いほど治療効果が出やすいのです。
パルス療法であれば、3ヶ月以内かどうかが勝負です。
あるパルス療法の報告では、75%以上の毛髪回復は、
発症6ヶ月以内が59.4%で、6ヶ月を超えると16.7%でした[1]
エキシマレーザーの効果も同じような傾向があります。
軽症だからと放置せずに、早めに医療機関を受診してください。
ところで、このエキシマレーザー(XTRAC)が一昨年から保険適応になりました。
注)エキシマレーザーは、XTRACのみです。
その効果は絶大です[2]
しかし、全ての円形脱毛症に同等に効果がある分けではありません。
どんな症例が最も効き、どんなテクニックが必要か?
それが大切です
というわけで、今年の6月に開催される第120回日本皮膚科学会総会で講演します。
この治療に関しては、当院ブログの『円形脱毛症のエキシマ紫外線療法』も参照してください。
(参考文献)
1. Nakajima T, et al:Dermatology, 2007; 215: 320―324.
2. 西村陽一:Visual Dermatology, 2020; 19(5): 512-513.
(院長)