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2021年3月17日 (水)

小児のイボ治療(水いぼ編)

小児がよく罹患するイボは2つあります(下写真)。
 
①は伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)、いわゆる水いぼです。
 
②は尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)、一般的にイボといえばこれです。
Photo
 
まず、①の水いぼについてお話します。
 
当院では基本的に水いぼは摘除しません。
 
その理由は、大部分が1年以内に自然治癒するためです。
 
水いぼを取る取らないは、医師によって意見が別れます。
 
よって、その議論はしませんが、
 
やはり治療は、病期を考慮して判断されるべきです。
 
 
水いぼには病期があります。
 
最初は、①のように白いブツブツの時期です。
 
まだ免疫が無く徐々に広がります。
 
取っても取っても出る時期ですねshock
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この時期は、数が少なければ取ることもありますが、
 
免疫が無いので何度でも繰り返しますwobbly
 
この時期は、取ることより免疫力を高めること、 
 
乾燥肌を治療することなど、他にするべき重要なことがありますwink
 
プールに通っていれば、毎回うつってくるので
 
取るだけでは無駄になりますねshock
 
 
次は、いくつかの水いぼが赤く腫れ始める時期です。
 
そろそろ免疫が出てきました。
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取っても良いですが、放置しても概ね3ヶ月程度で自然に消えますhappy02
 
この時期に取ると、再発が少なく名医と呼ばれますねbleah
 
腫れの強いものは、塗り薬で治療します。
 
この腫れが強いと稀に、
 
Poxウイルス特有の瘢痕を残すことがあります。
 
この瘢痕を残さないために取るのも一つですが、この時期は、
 
取ることによっても一定の確率で瘢痕になりますwobbly
 
 
 
次に、大部分の水いぼが赤く腫れてきます。
 
よく、水いぼが悪化してきたと言って来院されます。
 
完全に免疫が完成し、1ヶ月程度で水いぼは自然に消えます。
 
スキンケアと瘢痕予防の外用くらいで、摘除はしません。
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この時期に、ジアノッチ症候群様の皮疹がたまに出ます。
 
これを知っている医師は案外少ないので、
 
適切な治療を受けないと、
 
どんどん皮疹が悪化して酷いことになることがありますshockshock
 
知っている医師は、すぐに対処して事なきを得ますwink 
 
 
最後に色素沈着(シミの一種)を残す時期です。
 
発症から1年程度経った時期ですね。
 
色素沈着は、3ヶ月以内に消えます。
 
免疫がつき再発はしません。
 
 
以上のように、病期によって適切に判断する必要があります。
 
その上で取る取らないは医師の判断です。
 
取ったから早く治るわけでは無く、ウイルスの終息は免疫で決まります。
 
長くなったので、小児の尋常性疣贅のお話は次の機会にします。
 
(院長)
 

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