小児アトピー性皮膚炎治療のWEBセミナー
先日の水曜日(4/10)は、
小児のアトピー性皮膚炎(以下アトピー)治療
WEBライブセミナー(専門医向け)を行いました。
北陸を中心とした地方講演で、
20〜30人くらいの小規模なセミナーの予定でしたが、
聴講希望者が多く、
100人以上になっていたようです
小児アトピーの9割以上は、
プロアクティブ療法で寛解にできます
外用の強さ、1日の外用量、外用頻度などを決め、
皮疹を見ても、触ってもゼロの状態を維持しながら
治療を計画的に漸減していく方法です(下図)。
特に乳児期は、皮疹をゼロにする必要があります。
適当に治療してはいけません!
なぜなら、アトピーの皮疹を残せば、
そこから食べ物の成分やホコリ(アレルゲン)が
入り込み(経皮感作)、
後に食物アレルギーなどを
起こしてくるからです(下図)
そしてさらに、喘息やアレルギー性鼻炎などの
アレルギー疾患を次々に起こしていく可能性が高くなります
これをアレルギーマーチと言います。
アレルギーマーチを食止めるためにも、
皮膚からアレルゲンが入ってこないように、
乳児期早期から
できるだけ皮疹はゼロにする必要があるのです。
しかし、
プロアクティブ療法でもコントロールできない
重症の小児アトピーは数%ですが存在します。
これらの子供たちに対して、
昨年9月から生物学的製剤
デュピルマブが使えるようになりました。
有効性と安全性という点で、
これに勝る治療薬はないでしょう
講演では、デュピルマブ導入のポイントと、
さらに導入初期に
短期光線療法(short cycle of phototherapy)を
併用する利点なども解説しました。
(院長)