紫外線と薬剤(特に湿布)
紫外線が急激につよくなるこの時期は、光線過敏症(紫外線などの光線でできる皮膚炎)の患者さんが増える季節です。
特に、湿布薬による光線過敏症が急増しています。注意してください。
写真は最近来られた患者さんですが、右手首にモーラスという湿布を貼っていたところが突然かぶれだしたそうです
腰に貼っていたところは問題ないらしい。なぜ? 実は、湿布を貼ったところに紫外線があたるとかぶれが生じ易いのです これは、湿布の主成分(ケトプロフェンなど)による薬剤性光線過敏症です。露光部に湿布をはったら、紫外線に気を付けましょう。貼って数ヶ月後に日光をあびても出現することがあります。
ところで話は変わりますが、先週福井日赤のカンファレンスに出席して、めずらしい重症薬疹である薬剤過敏性症候群(drug-induced hypersensitivity syndrome:DIHS)が発生したらしいとのことでした。この時期にDIHSの発症が多い気がします ぼくが今までに経験したDIHSの患者さんは、紫外線が強い時期に発症しています。偶然でしょうか?
で、昔(といっても2007年)DIHSの発症に紫外線が関与している(かも)という内容をDermatology(ヨーロッパの医学雑誌)に投稿したことがありますが、紫外線との関係については、その後の報告はないようですね
(院長)