にきび・にきび跡を治すVビーム
前回の名古屋講演の続きです。今回はVビームについての講演内容から少しだけ述べます。(ブログ:名古屋での公演)
(新型V2と旧型V1)
このレーザーは単純性血管腫(赤あざ、イチゴ状血管腫など)の治療に使うのですが、実はにきび(ニキビ、ざそう)やキズの痕の治療にかなり有効です
下写真の患者さんは、他院で行われた右頬腫瘍切除後のきず痕が目立っています。女の子ですし、早くきれいに治してあげようということでVビームを開始しました。
レーザー照射3回終了後です。かなり改善しましたね。現在4回目をするか検討中です。
重症にきびの場合、ディフェリンゲルで治療を半年以上行ってもにきび痕が残ってしまう可能性があります。そのようなケースでは、Vビームを当てることにしています。
関連記事:①ニキビ痕治療の試みあれこれ ②にきび痕を治すディフェリン治療
下写真の患者さんは、ディフェリンゲルを6ヶ月行ってにきびは出なくなったのですが、いわゆる赤いにきび跡(red scarrig)が残ってしまいましたよって、Vビームを照射しました。
照射2回目でほぼ消失しました。現在も治療継続中です。
下のグラフは、ディフェリンゲルの効果を示したものです。ディフェリンゲルの効果は、使用後4ヶ月以降には効果がプラトーに達して行きます。しかしこの時期には、新生のにきびも出なくなります。グラフをクリックすると拡大します。
この4−6ヶ月が、Vビームを開始する最適の時期と考えています。遅すぎると、一部に瘢痕を残す可能性がありますからね
早すぎるとどうかというと、まだ検討中です。ただ、上グラフのデフェリンゲルの効果曲線を上回るのかどうか。わたしは、抗生物質併用のみのほうが良いのではないかと考えています。
さらに、デフェリンゲルで難治な頑固なにきびには裏技のモードがあります。にきびそのものを破壊するモードです。
翌日より痂皮(かさぶた)と紫斑になります。目立ちます!
2週間以内に、痂皮がとれてきれいになります。このモードは2週間かなり目立つので、同意を得た上で、かつ信頼関係がある患者さんでないと難しいですね
以上の治療パラメーターについては、講演で公開しています。講演では、医師向けにもっと詳しく説明していますが、ブログですので極簡単にまとめさせていただきました。
(院長)
当院のにきび治療についての詳細は、以下のブログを参照してください。
海外のクリニックでのV2の照射風景
Vビームは、当院のディフェリンゲル治療のスケジュールに沿ってまじめに通っておられる患者さんのみに行っています。きちっと通院のできていない不定期受診の患者さんには行いません。また、この治療を主な目的に受診される方もお断りしております。