マスクと酒さ様皮膚炎
コロナ禍でマスク着用が定着して、顔にブツブツが出たり、
痒みが出たりしている患者さんが増えています
中でも意外に多いのが、酒さ様(しゅさよう)皮膚炎です。
脂漏性湿疹、ざ瘡(にきび)、酒さとの鑑別が必要な疾患です。
鑑別点として、独特の分布(口周囲、鼻唇溝、眼瞼)で、
にきびより小さなブツブツ(←:小さな赤いブツ、小さな膿)が発生します。
このブツブツは、典型的には、口唇縁周囲を避けて発生するのが特徴です(←:spare the lip margins)
口腔内の菌(フソバクテリア)が、マスク下の皮膚で
増殖しやすくなるのではないかと推測しています。
ステロイド外用剤は一時的に効果がありますが、
難治化するので禁忌です
にきびの外用薬も概ね効果ありません。
ディフェリンなどの面ぽう治療薬はむしろ悪化します
でも、診断がつけば治療は簡単です。
お薬とスキンケア指導ですぐよくなりますよ
しかし、ステロイドを常用していた方は、
ステロイドを止めると一時的にリバウンドで悪化するため、
それを乗り越える必要があります
マスク下の質濃いブツブツは、酒さ様皮膚炎かもしれません。
心当たりのある方は受診してくだい。
(院長)