昨日の午後診療は、小児の
赤あざ治療の日でした。6例の
血管腫の患者さん(ポートワイン2例、
苺状血管腫4例)のレーザー治療を行いました
血管腫の中にも色々な種類がありますが、本日は苺状血管腫について少し述べたいと思います。
苺状血管腫は、下写真のように表面顆粒状(ぶつぶつとした)鮮紅色で、正に苺のような外観を呈する血管腫です。生後1歳までに急速に増大していきます。
自然消退傾向があるため、治療しないで経過観察する「wait and see policy」が一般的であり、10歳頃までには、90%が消退するとされています。
しかし、消退後にすべてが健常な皮膚になるわけではありません。4割程度は、萎縮性の皮膚や毛細血管拡張が残るとされています
今から15年くらい前に、
wait and see(治療せず経過観察)をされていて急速に大きくなり、長径が30cm以上にまで増大(紹介時)してしまった赤ちゃんがいましたね
出血を繰り返して大変でした
当時はレーザーなどありませんでしたから・・
(上写真は、本文の症例ではありません)
レーザー治療は、ここ10年で飛躍的に進歩しており、より合併症(瘢痕や色素脱出など)が少なく、より早期に病変の消退が期待できるようになって来ました。
最新型レーザーの
Vbeam perfecta(Vビーム・パーフェクタ)の場合では、レーザー照射することで半年以内に病変が消退するケースもあります
(写真左側が新型のVビーム・パーフェクタ、右側が旧型のVビーム)
レーザー治療を行うのか、
wait and see policy(何も治療をしない方針)にするのかは、個々のケースで判断しなければなりません。
効果が全く見られないタイプもありますので・・
ですから、それぞれの治療方針のメリットとデメリットを患児の家族に説明し理解してもらった上で、治療を選択してもらうことが大切です
(院長)