毛細血管拡張性肉芽腫の結紮療法2
毛細血管拡張性肉芽腫(pyogenic granuloma : PG)は、日常診療でよく遭遇する血管腫の一種です。ありふれた疾患ですが、治療は案外厄介です。
以前ブログで毛細血管拡張性肉芽腫の結紮療法を紹介したためか、PGの患者さんが多く来院されるようになりました
最近では、週に1〜2人は結紮療法を行っています。
先週、上背部のPGの妊婦さんが来院されました。妊娠でPGが発症し易いのは有名です。しかし、よく育ちましたね〜 通常なら手術というところでしょうが、当院では結紮療法です。
翌日には、真っ黒になっています。この大きさのものは、この時点で血流が再開することが多いので、もう1度結紮します。
1週間後、きれいに取れていました 紅斑がありますが、1〜2週間程度で消退します。特に妊婦さんには、低侵襲な治療が望ましいですからね
麻酔の必要もなく、治療は2〜3分で終了します PGに対しては、これに勝る治療法はないと思っています
簡単そうですが、コツが要ります。やみくもに結んでも失敗しますので、具体的な方法は下記論文を参照してください。
①Nishimura Y : Ligation therapy for pyogenic granuloma. J Dermatol. 2004 ; 31(8) : 699-700.
②西村陽一:毛細血管拡張性肉芽腫に対する結紮療法. 皮膚の科学 2008 ; 5(6): 440-444.
結紮療法を200例達成したら(現在102例)、三度論文にでもしょうかなぁ
(院長)
*今週土曜日は、福井赤十字病院の丸田先生が診療応援に来てくれる予定です。