結紮療法〜ligation therapy〜
毛細血管拡張性肉芽種(Pyogenic granuloma: PG)という病気があります。血管腫の一種なんですが、この治療が案外厄介です 治療法としては、炭酸ガスレーザーや手術などが一般的ですが結構再発します。
当院では、結紮術ligation therapyを行っています。単に糸で結ぶだけです。
この患者さんは、口唇のPGで今年の2月末に受診されました。通常は局所麻酔をして切除ですが、当院では糸で結ぶだけです。
5日後です。腫瘍は無くなっています。小さな穴がありますが、数日で消失しました
次の患者さんは、初めてこの治療を行った患者さんです(2003年頃)。他院で手術を予定されていて、手術以外の治療法を希望され受診されました。何かいい方法はないかと考え、本人の同意を得て麻酔なしに4−0絹糸で基部を結紮(結ぶこと)しました。
すぐに「The Journal of Dermatology」に報告しました。おそらくこの治療の日本(世界?)で最初の報告だと思います
この腫瘍は毛細血管の塊ですから、血液の供給を結紮で遮断すれば簡単に取れます(下図)
このような小児の顔面などは、手術は全身麻酔が必要ですが、結紮で簡単に(無麻酔で)とれますね。
最初の報告以来15例の経験のまとめを「皮膚の科学:第5巻、第6号、2006年」で報告、30例のまとめを日本皮膚科学会総会で発表しました。現在までに80例程度の経験をしました。ただ結ぶだけではうまくいきません。治療のテクニックは、前述の「皮膚の科学」に記載してありますので、興味のある方はそちらを読んでください
(院長)
*福島にいる友人とやっと連絡がとれました。無事でしたが、住むところはなくなったらしいです。しかし、無事でなによりでした
*受付時間変更について
4月1日より受付終了時間が15分早まり、5月より土曜日の午後診がなくなります。
受付時間:
午前診は8:15〜12:00/午後診は2:15〜18:00までになります(土曜日は16:00のままです)。