にきび治療薬『ディフェリン・ゲル』の治療経過イメージ
にきび(ニキビ、ざそう)治療の世界標準は、トレチノイン製剤です。ガイドラインでも軽症から重症まで第一選択薬となっています。日本では、『ディフェリン・ゲル』がそれに相当します
この薬は、皆さんが想像しているほど早く効く薬ではありませんどんな治り方をするのかイメージをもつことが大切ですので解説します
下写真は、治療前です。 点線の囲いの中には、毛穴のようなものが点状に見えますが、これがにきび(ニキビ、ざそう)の元の面ぽうというものです。
治療1ヶ月半後です。赤みは若干引きましたが、逆ににきび(ニキビ、ざそう)は増えているようにも見えます。患者さんから、「全然治ってない!」と言われることが多い時期ですねしかし、よく見ると、点線の囲い(上写真)の部分の面ぽうが目立たなくなっています。
4ヶ月を過ぎると、新しいにきび(ニキビ、ざそう)は出なくなり、面ぽうはかなり減少していますね。この時期の赤みにはレーザー(Vビームによるにきび跡治療)がよく効きます。
6ヶ月を過ぎると、ほとんどのにきび(ニキビ、ざそう)が消失します。下の写真は8ヶ月目です。この患者さんはこのあたりがゴールですが、できれば週2〜3回の外用で治療を継続するプロアクティブ療法をおすすめします。
以上が、みなさんの大体の経過ですが、これ以上に長引く人もいれば、もっと早く改善する方もおられます。
以上の経過は、データ(下グラフ)にも出ていて、プラセボ(灰色線)に比べて効果に有意差がでるのは外用3ヶ月目なのです。
ただし、このデータは月2本(30g)を外用したときのもです。月1本以下しか使っていない方は、もっと効果がでるのは遅いでしょう
しかし、にきび跡の防止を含めてきれいに治せるという点においては、この薬の右にでるもはありません(少なくとも保険診療では)
にきび(ニキビ、ざそう)を本当に改善させたいのであれば、ディフェリンゲルを少なくとも3ヶ月以上、できれば6ヶ月以上は月2本で使用したいところです
関連ブログ:にきび痕を治すディフェリン治療
(院長)
冬になり、ディフェリンゲルの副作用である肌の乾燥が出現悪化してきます。次回は副作用の回避方法について述べたいと思います。