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2016年3月15日 (火)

にきびの新治療戦略2

以前このブログで、過酸化ベンゾイル(デュアック配合ゲルとベピオゲル)とディフェリンゲルの併用療法についてお話をしましたhappy01
 
過去のブログにきびの新治療戦略
 
簡単にまとめると、過酸化ベンゾイルを先行使用して即効性を期待し、その後ディフェリンを追加して相乗効果を狙い、赤にきびが出なくなる3ヶ月以降にディフェリン単独維持療法に持ち込むというものです。
 
今回は、症例を提示して具体的にお話をしたいと思います。
 
1)まず最初に、即効性のある過酸化ベンゾイルを先行使用します。大体2〜4週間程度。
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この症例は、過酸化ベンゾイルとしてデュアック配合ゲルを使用しています。
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最初の1−2週間は、副作用を考慮した使用量の調節が大切です。詳しくは、またの機会にwink
 
軽症の場合は、これだけでも治癒しますので、その後は維持療法に持ち込むか、そのまま終了しても良いでしようgood
 
 
2)問題は、中等症以上のざ瘡瘢痕(にきび跡)を残しそうなタイプです。私は、積極的にディフェリンゲルを併用します。
 
デュアック配合ゲルを外用して1ヶ月もすると、炎症性ざ瘡(赤く膨れたにきび)は無くなってきます(下写真)。
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この辺りからディフェリンゲルの併用開始です。
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     +
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なぜ最初から併用しないのかというと、副作用が強いからです。使用時期をずらすと副作用をかなり低減できますgood
 
 
3)そして、新生ざ瘡(新しいにきび)が殆ど出なくなってきた頃に、ディフェリンゲル単独の維持療法に入ります。
 
下写真は、併用療法4ヶ月目ですが、にきび跡もかなり改善していますgoodここまで来れば過酸化ベンゾイルは中止か屯用程度にします
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この頃に、まだ赤いにきび跡(PAE; post-acne erythema)が残っているようなら、Vビーム(ダイレーザー)を照射するとさらに綺麗になりますねgood
 
 
danger注)Vビームは、当院に真面目に4ヶ月以上(維持期まで)通院されているが、効果が不十分であったニキビ跡患者さんで、かつ当院医師が必要と認めた方のみに行います。
 
 
以上の他にも幾つかのバリエーションがありますが、これが当院のベーシックな治療法です。
 
(院長)
  
*以上は平均的な治療経過です。全ての症例が同じ経過を辿るわけではありません。 
*ガイドライン作成委員の谷岡先生は、掌で2種類(ディフェリンとベピオ)を混ぜて夜に一遍に塗るそうです。私は、全く違った方法で塗りますsecret
*写真掲載は、患者さんの承諾を頂いております。
 
 

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