にきびの新治療戦略2
以前このブログで、過酸化ベンゾイル(デュアック配合ゲルとベピオゲル)とディフェリンゲルの併用療法についてお話をしました
過去のブログ;にきびの新治療戦略
簡単にまとめると、『過酸化ベンゾイルを先行使用して即効性を期待し、その後ディフェリンを追加して相乗効果を狙い、赤にきびが出なくなる3ヶ月以降にディフェリン単独維持療法に持ち込む』というものです。
今回は、症例を提示して具体的にお話をしたいと思います。
1)まず最初に、即効性のある過酸化ベンゾイルを先行使用します。大体2〜4週間程度。
この症例は、過酸化ベンゾイルとしてデュアック配合ゲルを使用しています。
最初の1−2週間は、副作用を考慮した使用量の調節が大切です。詳しくは、またの機会に
軽症の場合は、これだけでも治癒しますので、その後は維持療法に持ち込むか、そのまま終了しても良いでしよう
2)問題は、中等症以上のざ瘡瘢痕(にきび跡)を残しそうなタイプです。私は、積極的にディフェリンゲルを併用します。
デュアック配合ゲルを外用して1ヶ月もすると、炎症性ざ瘡(赤く膨れたにきび)は無くなってきます(下写真)。
この辺りからディフェリンゲルの併用開始です。
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なぜ最初から併用しないのかというと、副作用が強いからです。使用時期をずらすと副作用をかなり低減できます
3)そして、新生ざ瘡(新しいにきび)が殆ど出なくなってきた頃に、ディフェリンゲル単独の維持療法に入ります。
下写真は、併用療法4ヶ月目ですが、にきび跡もかなり改善していますここまで来れば過酸化ベンゾイルは中止か屯用程度にします
この頃に、まだ赤いにきび跡(PAE; post-acne erythema)が残っているようなら、Vビーム(ダイレーザー)を照射するとさらに綺麗になりますね
過去のブログ;にきび・にきび跡を治すVビーム
注)Vビームは、当院に真面目に4ヶ月以上(維持期まで)通院されているが、効果が不十分であったニキビ跡患者さんで、かつ当院医師が必要と認めた方のみに行います。
以上の他にも幾つかのバリエーションがありますが、これが当院のベーシックな治療法です。
(院長)
*以上は平均的な治療経過です。全ての症例が同じ経過を辿るわけではありません。
*ガイドライン作成委員の谷岡先生は、掌で2種類(ディフェリンとベピオ)を混ぜて夜に一遍に塗るそうです。私は、全く違った方法で塗ります
*写真掲載は、患者さんの承諾を頂いております。