アトピーは治る!〜パート1〜
アトピー性皮膚炎は治る病気ですよ、というとほとんど方が驚きます。
そりゃ、治らない人も中にはいますけど(どんな人が治らないかは次回で)、ほとんどの方が治ります
『よく考えてみてください。50歳以上でアトピーの方って、ほとんどいませんよね。ほとんどが、30歳以下です。では20年以上前にはアトピーの人いなかったでしょうか?いましたよ。いっぱい。その方達はどうなったのでしょうか?消えた?いや、ほとんどの方が治っているんですよ。』
ぼくは、以前から患者さんにこのような内容の話をしています。
最近、京都府立医大の加藤教授が臨床研究の結果として同じようなことを報告されています。
以下の表は、加藤教授の発表の図表です。ほとんどのアトピー性皮膚炎は思春期までに治っています。
治らないといわれた成人アトピーも10年の経過でかなりよくなっています。
時間はかかりますが、アトピーは治るんですよ
アトピー性皮膚炎が治るとして、患者さんにとって大切なことは、
①治るまでの間に、アトピー性皮膚炎のかゆみや外見の醜形で、日常生活に支障を来さないように。
治療を拒否して、とんでもない外見になって、かゆみも強く日常生活や仕事に支障を来している人が多いです 勉強や仕事に、恋愛結婚に大切な時期なんですから。
②治るまでの間に、無駄な治療に時間と労力を費やさない。要するにアトピービジネスにひっかからない。
「脱ステロイド」、ステロイドやアトピーの毒をだす「デトックス」や「好転反応」の用語を使う。ステロイドのまちがった副作用(肌が黒くなる、ステロイド依存症?、リバウンドなどなど)を強調して不安を煽る。よく効く水や浄水器(超酸性水含む)、お茶や健康食品をすすめる、それも高額。などは典型的な詐欺師です医者になって20年、こんなことをして治った人を知りません。というか治らなくなってしまいますよ
最も安全で、有効な治療法は日本皮膚科学会ガイドラインが提示しています。アメリカのガイドラインも参考になります。これらは、次回ね
③治るまでに、アトピー性皮膚炎の目の合併症を起こさない。
コントロールがわるいアトピー性皮膚炎の方に高率に網膜剥離や若年性白内障が発生します。ステロイドが嫌われた90年代後半は多かったですね。ステロイドが積極的使われだした2000年以降減少しています。アトピーが治っても目が見えなくてはね
(アトピー性白内障)
要するに、自然に治る人がほとんどなのだから、アトピー性皮膚炎の治療に無駄な労力は使わずに有意義な人生を送りましょう
パート2(来週掲載予定)では、アトピー性皮膚炎の治療法について論じたいと思います。
(院長)
*私も昔、喘息に悩んだときにはいろいろ無駄なことをしました 今では、正しい吸入(ステロイド含む)ですっかりよくなりました。調子がわるかったころ、空気のよい南の島に移住しようなどと本気で考えていました。しなくてよかった。
*私は、ステロイドの吸入を20年以上つづけています。若いころは、アトピー性皮膚炎でステロイドの外用剤を10年以上たっぷりと塗りました。今、体調はすこぶる良好です アトピー性皮膚炎の方は、ステロイド恐怖症の方が多いですね。無茶な使い方をしなければ、ステロイド外用剤の副作用など無いに等しい。アトピー性皮膚炎以外の疾患では、こんなことはあまり問題になりません。